コラム

バスケットボール指導者、飛躍のカギ ChatGPTはこう使え【実例あり】

こんにちは、三原です。いつもありがとうございます。

動画で学びたい方はこちら!音声だけ聞き流しもOKです

 

わたしは現在、東京の安田学園で高校生の男子バスケ部を教えています。

指導者として大事にしているのは、生徒主体の「ボトムアップ理論」です。

  • みんなが主役
  • みんなで成長
  • いきいきした組織

をモットーに、令和時代の部活動モデル校を目指しています。

さて今回は、ChatGPTの話題です。

使ってますか?

絶対に使っておいた方がいいですよ。

わたしは新しいものが好きなので、こういったものはとにかく触ってみます。

そして感じたことは

バスケの指導に、かなり使える

ということです。

そうは言っても、

どうやって使えば良いのか、よくわからない

使ってみたけど、役に立つとは思えなかった

そう思っているあなたに向けて、渾身の記事を書きます。

2023年6月現在、「バスケ指導×ChatGPT」ではベストプラクティスだと自負しています。

ぜひ最後までお読みください。

ChatGPTでバスケ指導の何ができる?

まず結論として、バスケの指導者がChatGPTでできることを挙げます。

それは

  1. 自分の指導プランを壁打ちする「相談役」に使う
  2. 「1人ロールプレイ」の相手として使う
  3. まったく知らないことをさっと調べる

この3つです。

逆に、今の時点では期待しない方がいいことは

  1. 正確な情報、数字を調べる
  2. 優先順位を決めてもらう
  3. そのまま使える文章を書く

これらには、今のところ使えません。

これから1つずつ、詳しく見ていきます。

★★注意★★

ChatGPTの進化は日々、目覚ましいものがあります。

今のところ「使えない」とわたしが感じていることも、きっとそのうちすぐにできる日が来ると思います。

折に触れて、ご自身で実験してみてください

そもそもChatGPTとは?かんたんに

ChatGPT(ちゃっとじーぴーてぃー)とは何か。

まったく知らない人に、なんて言えばいいか。

悩んだので、それこそChatGPTに聞いてみました。

こんな感じです。

つまり、

世界中のあらゆるネット情報が頭に入ってて、聞けば何でも答えてくれる超優秀な秘書

とでも思ってください。

もうひとつChatGPTくんのすばらしいことは、決して腹を立てないことです

人間じゃないので、イライラしないんです。

さっきの説明、わたしはこう返しました。

こんなこと言われたら、ふつうイラっとしますよね?

何度も何度も「そうじゃない、もっとこうして」みたいに部下に言ったら、嫌がられるのが人間です。

でも、嫌な顔ひとつせず、こう返してくれました。

ChatGPTの「チャット」とは、会話のことです。

こうして、何度でも何度でも会話をくり返すと、嫌な顔ひとつせず答えてくれます。

コツは「せまく、せまく、せまく」指示する

わたしがChatGPTについて深く学んだのは、こちらがきっかけです。

赤羽雄二さんは、あの「ゼロ秒思考」の著者。

赤羽さんの代名詞である「A4メモ書き」も毎日やっていますよ。

わたしはバスケ指導者として、いろいろと相談に乗って頂いているメンターです。

赤羽雄二さん「ゼロ秒思考」でバスケの指導をした実体験こんにちは、三原です。いつもありがとうございます。 わたしは現在、東京の安田学園で高校生の男子バスケ部を教えています。 指導...

そんな赤羽さんが企画する勉強会なので、ぜひとも学ぼうと思い、参加しました。

ChatGPTはこれに使えるな

そしてこれは今のところ使えないな

という判別は、まぎれもなくこのマスターコースで身につけたものです。

そして大事なことは

プロンプトに何を入れるかが9割

ということです。

プロンプトとは、文字入力する指示のこと。

ChatGPTには「ガベージイン、ガベージアウト」という言葉があり、「ゴミを入力すれば、ゴミが返ってくる」というものです。

ChatGPTを使ってみたけど、たいして役に立たないと思う

と感じた方は、申し訳ないですがきっとプロンプトが「ゴミ」なんです。

たとえば、同じような質問でも、ここまでちがいます。

まずはこちら。

「バスケで強くなるには?」というたった一言だけを入れると、当たりさわりのない答えが返ってきます。

今までのインターネットから考えれば、これだけでもすごいことですが、内容としては「ふーん」って感じですね。

しかし、次のようなプロンプトを打つと、まったく違う答えが返ってきます。

プロンプトのコツは「せまく、せまく、せまく」することです。

何しろ世界中のネット情報が頭に入っていますから、せまく対象を限定してあげる方が正確に答えてくれます。

  1. 設定
  2. 条件
  3. 命令
  4. 質問
  5. 確実性

という5つの内容を入れます。

具体的には

♯設定:あなたは大変有能なバスケットボールの指導者です。特に高校生の指導に長けており、個人の育成、戦術の構築、チームマネジメント、どの分野でも顕著な実績を残しています。

ここでChatGPTくんに「バスケ指導のことだ」と認識してもらいます。

次に

♯条件:
・わたしは高校バスケットボールの指導者です
・わたしはあなたに相談をします
・わたしの指導するチームは30人の高校生男子がいます
・練習は週に4回出来ます
・1回の練習時間は120分です
・チームには長身者がいません
・東京都のベスト8が目標です
・前回の大会は東京都ベスト32でした

みたいな形で、できるだけ細かく条件を伝えておきます。

さらに

♯命令:
・チームを3ヶ月で劇的に強くするための練習計画を作ってください

ここが本題。

最後に補足で

♯質問:
・回答する上で、質問があれば必ずしてください

とすると、ChatGPTくんからあなたに「これはどうですか?」と質問をしてくれるようになります。

また

♯確実性:
・回答する上で、不確実なことがれば、必ずそれを伝えてください

とすれば、あやふやなことは正直に「たしかではありません」と申し出てくれます。

では、このように入力すると、どんな答えが返ってきたか?

それがこちらです。

ほら、全然ちがうでしょ?ガベージじゃなくなりました。

向こうから質問をしてくれます。

これにわたしは

と返しました。

するとなんと

ここまで細かく返ってくるんですね。

あなたの近くに、ここまで細かく専門的な相談に乗ってくれるコーチ仲間はいるでしょうか?

わたしにはいません。

それをものの30秒くらいで返してくれるんです。

「ChatGPTを使わないと日が暮れない時代に来た」とはこういうことなんです。

ぜひプロンプトの入力はマスターしてください。

補足1:「ぷ」で単語登録しよう

わたしはパソコンで

「ぷ」

と一言打つと

設定:あなたは大変優秀な○○です。条件:命令:質問:回答をする上で私に質問があれば事前にしてください。確実性:

と出るように単語登録しています。

こうすると楽です。

「単語登録ってなに?」という方は、赤羽さんのこちらの記事をお読みください。

補足2:GPT-4を使おう

もう1つおすすめは、GPT4に加入することです。

この記事を書いている時点で、無料が3.5、有料が4です。

有料が月額20ドル、日本円にして2,500円くらいでしょうか。

わたしの肌感覚ですが、3.5と4は、答えがまったく違います。

大人と子供、素人とプロ。そのくらい違います。

2,500円も払えないよ

と思っているあなたも、一度だまされたと思って体験してみることを強くすすめます。

ちなみに、この記事でのわたしの例は、すべて4を使っています。

実例1:指導プランの相談をする

さて、プロンプトのコツを説明しましたので、実例を紹介します。

まずは「指導プランの相談」です。

先ほどの「3か月間の練習計画」もこの使い方になりますが、もう一つ例を挙げますね。

たとえばこんなプロンプトを打ちます。

♯設定:あなたは大変有能なバスケットボールの指導者です。高校生を教えることに長けていて、技術指導、戦術構築、モチベーションアップなど、様々な分野で顕著な実績を残しています。若手の指導者から多くの相談に答える、コンサルティングのような立場でもあります

♯条件:
・わたしは若手のバスケットボールのコーチです
・あなたは若手のコーチであるわたしの相談に乗ります。
・若手のコーチである私は自分自身の指導方法を向上させるために、あなたを頼りにして、相談します。
・あなたはそれに答えてください。
・あなたは少し厳しい口調で、質問者が成果を出すことを最優先に考えて、回答します。
・話を深掘りするために、数多くの質問を私に投げかけてください
・質問は、一度に1つずつ訪ねて、私が答えやすいようにしてください
・あなたは私の相談を受け、質問をして「なるほど、ということはこうかな。ああかな」、「いや待てよ」、「だとすると、こういうことかな」と話の本質をつきつめてください
・話の本質にたどり着いたら、最終的に私が行うべき具体的な行動プランを提示して話を終えてください

♯命令:
・最初の一言目に「さあ、はじめましょう。今日の質問は何ですか?」と言ってください
・私がそれに対して質問をするところから始めます

♯質問:回答する上で必要であれば、私に質問してください

♯確実性:回答が不確実な場合は、そのことも必ず伝えてください

こうすると、ChatGPTくんはあなたに質問をしてくれます。

以下のようなやり取りになりました。

これは自分がつくった中でもなかなかいいプロンプトでした。

自分の現状を答えていくと、いろんなアイデアを出してくれるからです。

どんどん質問すると、話が深まります。そのうちに

なるほど、そういう方法もあるのか

と、今まであまり考えなかったアイデアが浮かんできたりします。

実例2:1人ロールプレイ

もう一つの良い例は、一人ロールプレイ。

面談、保護者会、選手とのミーティング。

いろんな場面を想定して、自分が話す内容を準備する方法です。

設定:あなたは大変優秀な高校バスケットボール指導者です。高校生の育成と、チームの勝利を両立させることに長けていて、数多くの実績を残しています

条件:
・私は高校男子にバスケットボールを指導しています
・私の高校は進学校であり、文武両道を目指しています
・競技成績は東京都330校のうち、昨年が16位、今年は32位でした
・生徒たちの目標は東京都ベスト8になり、関東大会に出場することです。

指示:1年生と2年生の生徒45名の保護者を集めた保護者会があります。そこでチームの活動方針、年間行事予定、費用について説明します。保護者から予想される突っ込みを5つ提案して、それぞれにタイトルをつけて下さい。
タイトルごとに理想となる答え、それに対する反論を答えてください。最終的に合意してもらえるように話をまとめてください。「保護者→私→保護者」の発言を1往復として、3往復ずつ書いてください

質問:回答する上で、必要があれば質問してください

こうすると、次のようなやり取りになりました。

どうでしょうか?

明日保護者会なんだけど、質問が来たらどうしよう?

と同僚から相談を受けたら、あなたはこれほどまでに的確なアドバイスができますか?

わたしにはできません。

言ってる内容もかなりまともで、一人ロールプレイは相当に使えます。

いろんなパターンをやってみてください。

また、番外編として、こんな使い方もできます。

こんなふうに、シンプルに背中を押してもらうことも、ChatGPTくんは長けています。

 

実例3:まったく知らないことをさっと調べる

最後に、こんな使え方もあります。

こういったまったく知らないことを調べるのは、早くていいです。

グーグルで検索し、いくつかの記事を読み、自分なりにまとめる

というのがふつうの情報収集だと思いますが、それをまとめてやってくれます。

細かいところはうそがまざるので、そこは注意が必要です。

でも、それを承知の上で、大まかな流れを知るには十分ですね。

使えない例1:正確な情報、数字を調べる

ここからはさらっと、あまり使えないやり方を押さえておきましょう。

まず、数字は苦手です。

トレーニング方法で、具体的な数字がありますが、あんまり正確ではありません。

たとえばエンドランは、5往復も走らないですね。

セット数とか、回数、距離なんかも不正確なので、うのみにしない方がいいです。

使えない例2:優先順位を決めてもらう

いっけん、もっともらしく答えてくれるので、とても信じてしまいそうですが、よく考えてみてください。

そもそも優先順位なんて、答えがないですし、チームによっても異なります。

あくまでアイデアとしてとらえて、あまり信じ込みすぎないようにしましょう。

ChatGPTがかかげる優先順位に、論理的根拠はありません。

使えない例3:そのまま使える文章を書く

たとえば、こんな文章を書きます。

たたき台としてはいいですが、これをそっくりそのままコピペして使うことはやめましょう。

なんというか、人間が書いてる感じがしないんですよね。

「尊敬する保護者の皆様へ」って書き出しからして、怪しいにおいがします。

手直しをして、これをもとに自分で書くならいいですね。

ただ、手紙とかメールの文章とか、そのへんは注意が必要です。

 

まとめ「自分のアイデアを広げてもらおう」

長文をお読みくださり、ありがとうございました。

ChatGPTを使えば、空も飛べるが、大事故も起きうる

と赤羽さんに教わりました。

わたしはこれを使って、今ちょっとだけ空を飛んでいます。

バスケ指導者は、決断が仕事です。

決断するときはいつも孤独です。

そんなときに、自分のアイデアを広げてもらうことができて、多面的に考えることができるようになれば、それは空を飛ぶことになります。

自分でやると時間がかかることを、ChatGPTを使って1分で終わらせることもできます。

ただし、すべてをそのまま信じ込み、自分の頭で考えなくなると、大事故が起きます。

ChatGPTはあくまで「自分のアイデアを広げてもらう」ためのもの

ここを強く意識して、自分の頭を使うんです。

ぜひあなたも使いこなしてください。

また新しい使い方が見つかったら、共有したいと思います。

最後までお読みくださり、感謝しています。ありがとうございました。三原学でした。それでは、また!

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【見学・体験可】安田学園高校男子バスケットボール部を紹介します!安田学園は東京都にある学校で、お相撲で有名な両国国技館の近くにある高校です。安田学園には、バスケットが大好きな高校生が集まっています。そして自ら考えて「やってみよう!」という気持ちを大切にするために、ボトムアップ思考型のチームづくりを行っています。けっして勝利至上主義ではありません。...

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三原学
1981年、東京都生まれ。早稲田大学大学院卒。学生時代にマネージャーとなり、バスケ指導者を志す。 22歳から高校バスケ指導を始めて、早稲田実業高校ではウインターカップ出場、関東新人大会優勝。現在は母校の安田学園高校で監督を務める。選手が主役のチーム作り「ボトムアップ理論®︎」により、日本の部活動モデル校を目指している。 2024年から早稲田大学男子バスケットボール部のヘッドコーチも務める 日々学んでいる指導体験をブログやYouTube「バスケの大学」で発信して、総フォロワーは30,000人を超える。 日本バスケットボール協会公認A級コーチ、ジュニアエキスパートコーチ。ボトムアップ理論®︎エキスパートコーチ。 月刊バスケットボールにて「まんが戦術事典」を連載中。著書多数。
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