こんにちは、三原です。
バスケ戦術講座、今回で最終回となります。
毎回読んでいただいたあなたに感謝します。
さて今日は「チェスマッチ」という考え方です。
チェスって、あのボードゲームですね。将棋みたいな。
バスケの試合は、たんなるプレイだけじゃなく、頭脳戦だよって話です。
YouTubeでも解説しています。
わたしのYouTubeは、基本的にトークばかりなので、聞き流しでも大丈夫です。
日常のながら時間にぜひどうぞ。
バスケは「後出しジャンケン」
ジャンケンは、なぜ勝つのが難しいんでしょうか?
それはかんたんで「同時に出さなきゃいけないルールだから」です。
じゃんけんぽん!の瞬間に、自分もうち手を出しますが、相手が何を出すのかはわかりません。
では逆に、「後出しをしてもいい」というルールだったらどうでしょう。
絶対に勝ちますね。
とてもかんたんなことです。
ではこれをバスケットボールに置き換えてみましょう。
ボールを持った人が1対1をやるとします。
安田くんがオフェンスです。
という判断が、後出しジャンケン的な判断です。
ディフェンスの状況を見て、そしてプレイする。
言葉で言うほどかんたんではないかもしれませんが、理論的にはこうするのが正しいバスケです。
わたしはバスケのコツを「ジャンケンのあと出し」と教えています。これが一番わかりやすい選手はラリーバードです。バスケは身体能力より予測能力🏀
pic.twitter.com/ivXW2Abkrk— 三原まなぶ🏀バスケの大学 (@coach_manabu) May 12, 2020
バスケはスピードも強さも必要ですが、いちばん大事なのは「状況判断力」です。ディフェンスの逆をつく、ジャンケンの後出しのようなプレイが「うまい!」と言える。型ばかりではなくゲーム感覚で発想を豊かにしよう。ドンチッチは2020年で最高のお手本です。
— 三原まなぶ🏀バスケの大学 (@coach_manabu) March 13, 2020
バスケはいくらでもフェイクしていいし、先に動き出していい。
相手の出方を見てから、後に動き出してもいいんです。
陸上でいうフライングがナイスプレイになるし、ジャンケンでいう後出しがナイスプレイです。
これをコーチ同士の駆け引きで考えること「チェスマッチ」といいます。
コーチングの後出しジャンケンがチェスマッチ
ここからは具体例をあげますね。
ぜひヘッドコーチになった視点で、読み進めてください。
あなたのチームがオフェンスをしています。
相手チームはマンツーマンです。
それを見たあなたは、こう指示を出しました。
この指示がうまくいき、インサイドで連続得点します。
それに対して相手はタイムアウト。
相手のコーチはこう指示を出します。
こうなると、さっきまで攻めていた5を、2人がかりでマークできます。
これでインサイドは抑えられちゃいました。
そこであなたは考え、気づきます。
そして次なる具体的な指示を出します。
この指示で、今度は4がジャンプシュートを成功させます。
相手は今度はそうはさせまいと、ハイポストを潰しに来ます。
ハイポストが潰された。
ゴール下は相変わらず手厚い。
ということは、攻め手はどこだろう?
あなたは見極めて、こう指示を出します。
3ポイントを続けて入れられた相手チームはたまらずタイムアウト。
今度はゾーンの形の変更を指示します。
さあ、これでがっちりと抑えられてしまいました。
困りましたね。
でも、あなたはタイムアウトを取り、このように指示します。
これがうまくいき、4と5が続けてハイポストからシュートを決めます。
相手チームは最後のタイムアウトを取り、こう指示を出します。
巡り巡って、マンツーマンに戻りました。
そうしたら、あなたが言うことは、もうわかりますね。
ということで、どっちが勝ったかはおわかりですね?
この試合、あなたのチームはチェスマッチに勝利し、相手チームは常に後手を踏んでいます。
きっとこの試合は、あなたのチームが勝ったことでしょう。
これがチェスマッチです。
コーチはとにかく試合を見よう
選手にファンダメンタルが必要なのは、大前提です。
それぞれのシュート力だったり、パスが正確に出せることが、チェスマッチの大前提になります。
でも、逆に言えば、コーチのチェスマッチ的な指示がなければ、選手の能力を最大限に活かすことができません。
なので、相手がどういう戦いをしてるのかを見抜き、その弱みを突くための作戦が、絶対に必要です。
こういった目を養うには、とにかく試合を見るのが一番です。
例えばあなたがミニバスの指導者であれば、ミニの試合をたくさん見るのは当然として、高校生やBリーグ、NBAなど、まったく違ったカテゴリーの試合も見ることをおすすめします。
いろんなバスケットに触れることで、感性を磨くのです。
それがチェスマッチの感性につながります。
理想は選手の主体性を育てる
そして、コーチ自身のチェスマッチだけでなく、選手にも「チェスマッチ的思考」を育てること。これがすごく大事です。
わたしは特にボトムアップ思考でチームづくりをしていますから、ここはこだわりたいところ。
コーチの指示を忠実に守るのも大事ですが、コート上の選手たちで会話ができて、変化・修正できるチームの方が絶対に強い。
なので練習の段階で「どうやるのか」だけでなく「なぜやるのか」をしっかり教えて、思考力を育てることです。
この講座で、バスケの戦術についてはいろいろとお伝えしました。
何かがあなたのお役に立ち、選手の主体性を伸ばすのにつながれば、嬉しく思います。
記事を最後までお読みくださり、感謝しています!
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