戦術講座

ディフェンスのローテーションでアドバンテージを消せ! 【バスケ戦術講座 第13回】

こんにちは、三原です。

前回、オフェンスのアドバンテージの話をしました。

  • ディフェンスは左右に強い
  • 逆に前後に弱い
  • だからクローズアウトを発生させよう

ということでしたね。

この記事では、逆にそのオフェンスアドバンテージを消す方法をお伝えします。

YouTubeでも解説しています。

音声だけでも学べるようになってるので、聞き流しでもぜひどうぞ。

目的は「アドバンテージを消す」

オフェンスの目的が「アドバンテージを作る」です。

なのでディフェンスは「アドバンテージを消す」が目的です。

ここ、まずはしっかりおさえておきましょう。

ボールを取りに行くことが目的じゃないです。

こんなふうに、アドバンテージ作られたら、守れないでしょ?

1対1で抜かれないのが最強

そして、アドバンテージを消すのに一番いいのは、1対1で抜かれないことです。

そんな当たり前なことを。。。って思わないでください。

あえてこう書いたのは理由があります。

それは、ローテーションの練習ばかりすると、1対1が必ず弱くなるからです。

これは本当によくある落とし穴で、チームで守ろうとすればするほど、1対1が弱くなります。

  • 抜かれてもいいや
  • カバーが来るのが遅い
  • 自分のせいじゃない

みたいな会話が生まれると、黄色信号です。

本来、1対1を補うためのローテーションなのに、それによって個々が弱くなったら本末転倒ですよね。

ということで、あえてここは強調したいわけです。

もうちょっと具体的に説明します。

X1がドリブルであっさり抜かれました。

X2がカバーに出ます。

1回目のクローズアウト発生ですね。

すると、コーナーの2がノーマークになっちゃうので、パスが出されました。

それに慌ててX3が出ていきます。

2回目のクローズアウト発生です。

すると今度は3が完全にノーマークになっちゃいます。

このように、連続でクローズアウトを作られちゃうことを「アドバンテージ」っていうんですが、この連鎖を断ち切るには、どこをがんばるべきでしょう?

一番いいのは、やっぱり1対1で抜かれないってことなんです。

ディフェンスは左右の動きに強く、前後の動きに弱いです。

なので、なるべくクローズアウトを発生させず、1対1で守り切る気持ちを持ちましょう。

これがないと、強いチームディフェンスは不可能です。

ローテーションの3原則

という1対1の大切さを理解した上で、次にローテーションの話です。

現在、世界中のディフェンスで、もっとも多く行われてる原則が次の3つですね。

  1. ボールサイドコーナーはステイ
  2. ローマンが出る
  3. カバーダウン

1つずつ見ていきましょう。

①ボールサイドコーナーはステイ

この状況でドライブされたこととします。

誰がカバー出ますか?

これ、x2が出たくなるんですね。

一番近くにいますから。

でも、これをやっちゃいけないんです。

なぜなら、コーナーがガラ空きになっちゃうからです。

コーナーは、もっとも確率の高いアウトサイドシュートです。

見てわかるように、このあと誰も2をクローズアウトすることはできません。

そしてそもそも、コーナーの3ポイントラインは、トップよりもリングに近いんです。

NBAなんかでも、コーナーからの3ポイントが多いでしょ?

それはこんな理由があるんですね。

だからx2がカバーに行っちゃいけません。

②ローマンが出る

なので原則の1つめは「ボールサイドのコーナーはステイ」です。

じゃあ、誰がカバーに出るのか?

それが原則の2つめ「ローマンが出る」です。

ローマンってのは、リングに一番近い人(下にいる人)ってことです。

この図だとx3ですね。

  • ボールサイドコーナーのx2がステイ
  • ローマンのx3がカバー

という2つを徹底すると、きちんとパスコースをつぶせるのがわかりますね。

ほーら、困った。

1は完全に苦しいです。

パッと見ると、3がノーマークですね。

でも、囲まれながら長い距離のパスは難しいので、そこにはなかなか出せません。

③カバーダウン

相手オフェンスが弱ければ、ここまででミスるでしょう。

ただ、もうちょいレベルが上がると、3が合わせに動いてきます。

こうやって3に合わせられると、厳しいですね。

うーん、ナイスプレイ!

ということで、これを止めるには?

そうです。x4がカバーダウンです。

「カバーのカバー」ってことです。

こうすることで、相手にかんたんなシュートチャンスは一切なくなります。

そして1のドリブルが止まったら、声をかけあって、それぞれのマークマンに戻りましょう。

x1「もういいよ、サンキュー」

x3「オーライ」

x4「またねー」

というCMで見るマクドナルドよろしく、ステキなコミュニケーションをしましょう。

はい、アドバンテージは完全に消えました。

めでたし、めでたし。

緊急事態の「スクランブル」

とはいえ、遠くの3にナイスパスを通されることもあります。

こんなときは「スクランブル」で対処しましょう。

ごちゃごちゃって意味です。

まずは3にパスされちゃいました。

こうなったら、自分のマークマンに戻っている場合ではありません。

スクランブルのルールはたった1つ。

『ボールに近い人が出る!』

これだけです。

とりあえず、3に一番近いのはx4ですよね。

だからx4が全力でクローズアウト。

こうすると、当然4がノーマークになっちゃいます。

そしたら一番近い人であるx1がクローズアウト。

出て!

出るよ!

という「でる、でて」の声出しが重要です。

このようにスクランブルで乗り切るわけですが、これだとアドバンテージを消すのが難しくなります。

ということで、話は戻りますが、あくまで1対1で抜かれないのが最強という前提を忘れないようにしましょう。

ありがとうございました。がんばってください!

ABOUT ME
三原学
三原学(みはらまなぶ)。1981年東京都生まれ。安田学園中学校高等学校教諭。同校高校男子バスケットボール部ヘッドコーチ。「ボトムアップ思考」による選手主体のチームづくりを目指す。また、YouTubeやブログでわかりやすく戦術を解説する「バスケの大学」を運営。日本バスケットボール協会公認B級コーチ、B級審判員。早稲田大学大学院修士課程(人間科学)修了。
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