こんにちは、三原です。
前回、オフェンスのアドバンテージの話をしました。
- ディフェンスは左右に強い
- 逆に前後に弱い
- だからクローズアウトを発生させよう
ということでしたね。
この記事では、逆にそのオフェンスアドバンテージを消す方法をお伝えします。
YouTubeでも解説しています。
音声だけでも学べるようになってるので、聞き流しでもぜひどうぞ。
目的は「アドバンテージを消す」
オフェンスの目的が「アドバンテージを作る」です。
なのでディフェンスは「アドバンテージを消す」が目的です。
ここ、まずはしっかりおさえておきましょう。
ボールを取りに行くことが目的じゃないです。
こんなふうに、アドバンテージ作られたら、守れないでしょ?
オフェンスの状況判断は4つに分けて考えましょう。
1️⃣ディスアドバンテージ
トラップされてる
2️⃣ニュートラル
1対1
3️⃣スモールアドバンテージ
1つのクローズアウト
4️⃣ビッグアドバンテージ
連続クローズアウト動画のような4️⃣ビッグアドバンテージを作るのが理想的なオフェンスです。 pic.twitter.com/ANOXhOzTNA
— 三原まなぶ🏀バスケの大学 (@coach_manabu) April 25, 2020
1対1で抜かれないのが最強
そして、アドバンテージを消すのに一番いいのは、1対1で抜かれないことです。
そんな当たり前なことを。。。って思わないでください。
あえてこう書いたのは理由があります。
それは、ローテーションの練習ばかりすると、1対1が必ず弱くなるからです。
これは本当によくある落とし穴で、チームで守ろうとすればするほど、1対1が弱くなります。
- 抜かれてもいいや
- カバーが来るのが遅い
- 自分のせいじゃない
みたいな会話が生まれると、黄色信号です。
本来、1対1を補うためのローテーションなのに、それによって個々が弱くなったら本末転倒ですよね。
ということで、あえてここは強調したいわけです。
もうちょっと具体的に説明します。
X1がドリブルであっさり抜かれました。
X2がカバーに出ます。
1回目のクローズアウト発生ですね。
すると、コーナーの2がノーマークになっちゃうので、パスが出されました。
それに慌ててX3が出ていきます。
2回目のクローズアウト発生です。
すると今度は3が完全にノーマークになっちゃいます。
このように、連続でクローズアウトを作られちゃうことを「アドバンテージ」っていうんですが、この連鎖を断ち切るには、どこをがんばるべきでしょう?
一番いいのは、やっぱり1対1で抜かれないってことなんです。
ディフェンスは左右の動きに強く、前後の動きに弱いです。
なので、なるべくクローズアウトを発生させず、1対1で守り切る気持ちを持ちましょう。
これがないと、強いチームディフェンスは不可能です。
ローテーションの3原則
という1対1の大切さを理解した上で、次にローテーションの話です。
現在、世界中のディフェンスで、もっとも多く行われてる原則が次の3つですね。
- ボールサイドコーナーはステイ
- ローマンが出る
- カバーダウン
1つずつ見ていきましょう。
①ボールサイドコーナーはステイ
この状況でドライブされたこととします。
誰がカバー出ますか?
これ、x2が出たくなるんですね。
一番近くにいますから。
でも、これをやっちゃいけないんです。
なぜなら、コーナーがガラ空きになっちゃうからです。
コーナーは、もっとも確率の高いアウトサイドシュートです。
見てわかるように、このあと誰も2をクローズアウトすることはできません。
そしてそもそも、コーナーの3ポイントラインは、トップよりもリングに近いんです。
NBAなんかでも、コーナーからの3ポイントが多いでしょ?
それはこんな理由があるんですね。
だからx2がカバーに行っちゃいけません。
②ローマンが出る
なので原則の1つめは「ボールサイドのコーナーはステイ」です。
じゃあ、誰がカバーに出るのか?
それが原則の2つめ「ローマンが出る」です。
ローマンってのは、リングに一番近い人(下にいる人)ってことです。
この図だとx3ですね。
- ボールサイドコーナーのx2がステイ
- ローマンのx3がカバー
という2つを徹底すると、きちんとパスコースをつぶせるのがわかりますね。
ほーら、困った。
1は完全に苦しいです。
パッと見ると、3がノーマークですね。
でも、囲まれながら長い距離のパスは難しいので、そこにはなかなか出せません。
③カバーダウン
相手オフェンスが弱ければ、ここまででミスるでしょう。
ただ、もうちょいレベルが上がると、3が合わせに動いてきます。
こうやって3に合わせられると、厳しいですね。
うーん、ナイスプレイ!
ということで、これを止めるには?
そうです。x4がカバーダウンです。
「カバーのカバー」ってことです。
こうすることで、相手にかんたんなシュートチャンスは一切なくなります。
そして1のドリブルが止まったら、声をかけあって、それぞれのマークマンに戻りましょう。
というCMで見るマクドナルドよろしく、ステキなコミュニケーションをしましょう。
はい、アドバンテージは完全に消えました。
めでたし、めでたし。
緊急事態の「スクランブル」
とはいえ、遠くの3にナイスパスを通されることもあります。
こんなときは「スクランブル」で対処しましょう。
ごちゃごちゃって意味です。
まずは3にパスされちゃいました。
こうなったら、自分のマークマンに戻っている場合ではありません。
スクランブルのルールはたった1つ。
『ボールに近い人が出る!』
これだけです。
とりあえず、3に一番近いのはx4ですよね。
だからx4が全力でクローズアウト。
こうすると、当然4がノーマークになっちゃいます。
そしたら一番近い人であるx1がクローズアウト。
という「でる、でて」の声出しが重要です。
このようにスクランブルで乗り切るわけですが、これだとアドバンテージを消すのが難しくなります。
ということで、話は戻りますが、あくまで1対1で抜かれないのが最強という前提を忘れないようにしましょう。
ありがとうございました。がんばってください!
記事を最後までお読みくださり、感謝しています!
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