オフェンス

バスケットボールのゲームモデル【③チャンス局面】

こんにちは、三原です。いつもありがとうございます。

わたしは現在、東京の安田学園で高校生の男子バスケ部を教えています。

指導者として大事にしているのは、生徒主体の「ボトムアップ理論」です。

  • みんなが主役
  • みんなで成長
  • いきいきした組織

をモットーに、令和時代の部活動モデル校を目指しています。

 

さて、わたしは今まで、いろいろな年代の、いろいろなレベルの選手と接してきました。

そして、本当に多くの選手たちが、必ずや持つ悩みは、これでした。

ボールをもって、いつ攻めたらいいのかわからない

あなたもきっとそんな経験がありますよね?

また、指導者の方ならば「攻めろ!」と生徒にゲキを飛ばしたことはあるはずです。

しかし、指導者こそ意外と「いつ攻めるべきか」をわかっていなかったりします。

わたしも20代のころはそうでした。

そしていつも「攻めろ!攻めろ!」とばかり言っていました。

そんな過去の自分に向けて、この記事を書きます。

あなたの参考になれば嬉しいです。

動画の解説はこちらです。

 

チャンスとはゲームの中心

JBAが提唱しているゲームモデルがあります。

これはバスケの1回の攻防(24秒)を5つの場面に分ける考え方です。

次のプレイの動画がわかりやすいですね。

チャンスを攻めたら、ディフェンスが崩れたので、得点できたシーン。

もうひとつは、個人スキルをいかんなく発揮して、チャンスものにしたシーン。

バスケの効果的な指導、そして上達には、5つのゲームモデルを理解するのがとっても大事です。

その5つの中で、ど真ん中にあるのが「チャンス局面」です。

つまり、チャンスとは何かがわかると、バスケがわかると言っても過言ではありません。

チャンスがど真ん中です。

チャンスには3つある

では、チャンス局面を詳しく見ていきましょう。

原理原則は「機会を生かしきる」です。

その機会とは3つ。

  1. ノーマーク
  2. クローズアウト
  3. ミスマッチ

詳しく見ていきます。

①ノーマーク

ノーマークは、自分とゴールの間に誰もいないことです。

チームで決められた動きがあっても、ノーマークができたらそのチャンスを生かします。

これはノーマークを生かした例です。

いくらディフェンスが強い相手でも、マークマンを見失っていたり、コミュニケーションのミスがあったりします。

ディフェンスの自滅で、特に何もしなくても多くのノーマークが見るかるものです。

プロの世界になると、一瞬のスキも逃しません。

こういう視点を持った選手を育てたいですね。

②クローズアウト

クローズアウトは、マークマンが遠くにいる状況です。

クローズアウトは後追いなのでかんたんにドリブルで抜けます。

スクリーンやパスワークで、できたクローズアウトは見逃さずに攻めます。

③ミスマッチ

最後はミスマッチ。

  • 身長差があって、ゴール下が有利
  • スピード差があって、平面で有利

こういうところは、必ず攻めます。

ミスマッチはスクリーンをして、相手がスイッチしてきたら発生しやすいです。

スイッチされたらあきらめるのではなく、むしろわざとスイッチさせてミスマッチを攻める。

そのくらいたくましくチャンスを生かしましょう。

以下はスイッチでできたミスマッチを攻めた例です。

まずはサイズ、次にスピードのミスマッチを攻める

ひとつ覚えておいてほしいのは、順番です。

  1. まずはサイズのミスマッチ
  2. 次にスピードのミスマッチ

この順で狙いましょう。

理由は、サイズのミスマッチの方がカバーされやすいからです。

インサイドにポストアップすることでサイズのミスマッチを攻めます。

それは周囲からカバーされやすいのです。

一方でスピードのミスマッチは、少し時間がたっても優位性が変わりません。

サイズ、スピードの順で狙いましょう。

パスを1往復させるブーメランパスでも、スピード差は攻められます。

チャンスを見つける視点を育てよう

逆にNGは、チャンスを見ようとしないことです。

これとか、ゴール下でシュートできた気がします。

サイズのミスマッチを見逃すともったいないですね。

 

選手は、チャンスを生かしきる視点でプレイしましょう。

そして指導者は、動き方とかフォーメーションとかより、チャンスを見つけられる選手を育てましょう。

適切なフィードバックで、選手の視点は育ちます。

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ABOUT ME
三原学
1981年、東京都生まれ。早稲田大学大学院卒。学生時代にマネージャーとなり、バスケ指導者を志す。 22歳から高校バスケ指導を始めて、早稲田実業高校ではウインターカップ出場、関東新人大会優勝。現在は母校の安田学園高校で監督を務める。選手が主役のチーム作り「ボトムアップ理論®︎」により、日本の部活動モデル校を目指している。 2024年から早稲田大学男子バスケットボール部のヘッドコーチも務める 日々学んでいる指導体験をブログやYouTube「バスケの大学」で発信して、総フォロワーは30,000人を超える。 日本バスケットボール協会公認A級コーチ、ジュニアエキスパートコーチ。ボトムアップ理論®︎エキスパートコーチ。 月刊バスケットボールにて「まんが戦術事典」を連載中。著書多数。
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