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ボールを持たないとき、どう動く? バスケットボールのゲームモデル④ ブレイク局面

こんにちは、三原です。いつもありがとうございます。

わたしは現在、東京の安田学園で高校生の男子バスケ部を教えています。

指導者として大事にしているのは、生徒主体の「ボトムアップ理論」です。

  • みんなが主役
  • みんなで成長
  • いきいきした組織

をモットーに、令和時代の部活動モデル校を目指しています。

さて、この記事は「ボールを持たない選手の動き」をわかりやすく解決します。

この記事の参考文献はこちらです。

日本代表の恩塚亨さんの影響を強く受けております。

さて、わたしは今まで、中学高校、大学といろんな選手を指導してきました。

そして本当に多くの選手が持つ悩みがこの2つです。

  1. ボールをもって、自分が攻めていいの?
  2. ボールを持ってないとき、どう動けばいいの?

1つめの解決策としては、チャンスを理解することです。

それについては、この記事をご覧ください。

バスケットボールのゲームモデル【③チャンス局面】こんにちは、三原です。いつもありがとうございます。 わたしは現在、東京の安田学園で高校生の男子バスケ部を教えています。 指導...

そして今回は、2つめの悩み。

ボールを持ってないとき、どう動けばいいの?

おそらくすべてのコーチ、選手が持つ悩みを、この記事で解決します。

動画でも解説しています。

音声だけでもそれなりにわかるように作ってあります。聞き流しでもぜひどうぞ。

悩み解決は、チャンスとブレイクの理解

まず、あらためてこちらのツイートをどうぞ。

そうなんです。ほとんどの人が持つ悩みが、

  • いつ攻めたらいいのか?
  • どう動けばいいのか?

の2つです。

そしてこれを整理するには

  • チャンス局面「ディフェンスのずれを攻める」
  • ブレイク局面「ヘルプさせにくくする」

という2つを理解すれば、解決するんです。

1つずつ見ていくと、まずはチャンス

チャンス局面はこの3つ

そして今日の本題はこのブレイク局面。

ボールマンが攻めるのに対して、ヘルプをしにくいポジションを取る。

またはヘルプをされたら、逆に「ヘルプしたからやられちゃった」という代償を払わせる。

これが原則です。

わたしのチームで、実際の映像はこちらです。

 

1ギャップと2ギャップ

ここで大事になるのは、1ギャップと2ギャップの理解です。

ふつう、味方同士の距離は4~5mくらいになります。

これを1ギャップと呼びます。

1ギャップはパスやスクリーンなどがしやすいですが、ボールマンが1対1をするには隣が近くて、抜きにくいです。

一方で、倍の距離である8mを取るのが2ギャップ。

パスをするには遠いですが、隣までの距離があるので、1対1がしやすくなります。

つまり、下のツイートでまとめた通り、

  • ボールマンにチャンスなし→1ギャップ
  • ボールマンにチャンスあり→2ギャップ

にしてあげるのが、サポートの基本です。

 

ブレイク局面はとても大事な原則

ここから詳しくブレイク局面をみていきますが、これはフォーメーションではなく、世界共通の原則です。

いろんなチームによって、作戦はあるでしょう。

  • ポストプレイ中心
  • スクリーン中心
  • スクリーンを使わない

どんな作戦でもいいんです。

それはゲームモデルでいう「クリエイト局面」であって、そのチャンスをつくる切り口でしかない。

チャンスをつくれば、そのあとはすべて同じになります。

 

つまり、U12だろうが、高校生だろうが、オリンピックだろうが、チャンスを獲ったらその後はすべて同じ。

国や性別、年代など一切関係ない、原理原則なのです

あなたの教え子が何年たっても役に立つ知識。

それがブレイク局面の整理です。

また、強いチームと弱いチームの分かれ目も、ブレイク局面の整理ができるかどうかにかかっています。

どれほど重要か、おわかりいただけましたでしょうか。

 

ブレイク局面の整理

ブレイク局面は、

  • ブレイク1
  • ブレイク2
  • ブレイク3
  • ブレイク4

と名前をつけて整理します。

ドライブした先に、何人の味方がいるかによって、整理するのです。

ブレイク1

ドライブ先に1人です。

2ギャップになります。

  1. ボールマンが攻められたらステイ
  2. パスが来たらコーナーから3ポイント
  3. ドリブルが止められたら、セカンドダイブ

です。

2つのダイブ

ダイブができるかどうかで、攻撃の厚みが決まります。

理解したのは2つのダイブ。

  • ドリブルと同時がファースト
  • ドリブルが終わるときがセカンド

です。

そして、ダイブの意味も言語化しましょう。

ドリブルが行けない場所に「代わりに行ってあげる」です。

ブレイク2 ミドルドライブ

続いて、ドライブ先に2人のブレイク2。

まずは内側へのミドルドライブにサポートする方法です。

ドリブルが高い位置で抜けなければ、45度のセカンドダイブ。

深い位置まで行ってシュートできなければ、コーナーのセカンドダイブです。

ダイブ&リフト

ブレイク2に限らず、「ダイブしたら、リフト」という原則を覚えておきましょう。

「パンにはバター」みたいなものです。

この場合、リフトした3がクローズアウトのチャンスになることがとても多いです。

ダンカーダイブ

ダイブの場所として、ドライブにかぶらないような微調整も必要です。

リングに直線的なドライブであれば、リングに向かうふつうのダイブでOKです。

しかし、下の図の赤線のように、ふらんだドライブだと重なっちゃいます。

こんなときはダンカースポット(フリースローレーンの角)にダイブすると、ちょうどいいです。

覚えておきましょう。

ブレイク2 ベースラインドライブ

今度はベースラインドライブです。

これはカバーダウン(X2の動き)を見るのが重要です。

カバーダウンがあれば、45度からダイブ。

カバーダウンなければ、そのままステイです。

 

このように、見るべきところを教えておけば、横断歩道を渡るように、選手が自分で判断できます。この感覚が大事です。

ブレイク3

続いて、ブレイク3。

ブレイク2までは、スペースが広いので、必ずしもダイブしなくてもクローズアウトがつくれます。

しかし、ブレイク3はお互いの距離が近い。

だから誰かが必ずダイブしないと、せまくてクローズアウトが発生しません。

イメージは下の図の「トライアングル」を埋めることです。

そしてこのダイブは、ファーストダイブになります。

早めのダイブです。

誰がダイブするのかは、「リバウドに一番強い人がダイブ」というルールをおすすめします。

ただし、混乱しそうならば、教える最初の段階は「真ん中がダイブ」とかにしてもいいでしょう。

なお、ブレイク3ではミドルドライブ、ベースラインドライブともに、同じ動きになります。

ブレイク3イン

「ブレイク2+ポスト」という形です。

これを「ブレイク3イン」と呼びます。

いわゆるサークルムーブで、ポストがドライブをサポートします。

よくある動きですね。

ブレイク4

ブレイク3+ポスト、という考えで、今までの応用です。

5はサークルカット、それ以外の3人はブレイク3のファーストダイブです。

練習方法① クローズアウト1対1

練習方法の紹介です。

シンプルですが、クローズアウトのチャンスをとる1対1です。

これができないと、ブレイク局面は発生しません。

練習方法② ドリブルドライブ1対1

これもシンプルな1対1です。

  • スピードで抜くのか
  • サイズの差でゴリゴリやるのか

これを判断する練習です。

チャンスを生かします。

練習方法③ サポート4対4

これがブレイク局面で最高のドリルです。

恩塚さんが考案したドリルになります。

ゴール下のコーチが早いパスを投げたら、クローズアウトのチャンスありです。

転がした遅いパスを投げたら、チャンスなし。

チャンスがあれば、2ギャップにする。

チャンスがなければ、1ギャップにする。

その後はドライブによって、ブレイク1・2・3の動きになります。

チャンスなしのときは、パスを展開します。

オンボールスクリーンをするときは

「パス・スクリーン」より「パス・パス・スクリーン」がいいです。

その方がディフェンスが守りにくくなります。

人とボールが動くのは本当にいいのか?

よく「動け」とか「パスを回せ」とかコーチは言います。

それは本当でしょうか。

わたしの考えはこちらです。

やり方よりも、あり方。

チャンスを生かし、サポートした結果として、人とボールが動いている。

この感覚が大事だと思います。

参考文献

わたしの尊敬する、日本代表の恩塚さん、鈴木さんの教材を参考にさせてもらいました。

恩塚亨さんの記事は、ぜひともお読みください。以下のリンクをどうぞ。

そして、鈴木良和さんはこちらの動画で指導風景が見られます。

もうこれ以外何もいらないんじゃないかな?ってくらいわかりやすいです。

 

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ありがとうございました。三原学でした。それでは、また。

ABOUT ME
三原学
1981年、東京都生まれ。早稲田大学大学院卒。学生時代にマネージャーとなり、バスケ指導者を志す。 22歳から高校バスケ指導を始めて、早稲田実業高校ではウインターカップ出場、関東新人大会優勝。現在は母校の安田学園高校で監督を務める。選手が主役のチーム作り「ボトムアップ理論®︎」により、日本の部活動モデル校を目指している。 2024年から早稲田大学男子バスケットボール部のヘッドコーチも務める 日々学んでいる指導体験をブログやYouTube「バスケの大学」で発信して、総フォロワーは30,000人を超える。 日本バスケットボール協会公認A級コーチ、ジュニアエキスパートコーチ。ボトムアップ理論®︎エキスパートコーチ。 月刊バスケットボールにて「まんが戦術事典」を連載中。著書多数。
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