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バスケ日本女子代表の目指す「カウンターバスケットボール」とは?

こんにちは、三原です。いつもありがとうございます。

動画で学びたい方はこちらです。音声の聞き流しだけでも学べるようにつくってあります。

 

わたしは現在、東京の安田学園で高校生の男子バスケ部を教えています。

指導者として大事にしているのは、生徒主体の「ボトムアップ理論」です。

  • みんなが主役
  • みんなで成長
  • いきいきした組織

をモットーに、令和時代の部活動モデル校を目指しています。

さて、この記事を書いているのは2023年です。

今年は男子のワールドカップが沖縄で開催されます。

またパリオリンピックも早いもので、来年です。

わたしは女子代表監督の恩塚亨さん、コーチの鈴木良和さんの考え方がすごく好きで、いつも学ばせてもらっています。

その中で今回取り上げるのは、2022年6月に行われた恩塚さんの会見です。

男子監督のトム・ホーバスさんとともに、代表チームの方針について詳しく語っていらっしゃいます。

もちろん男子代表の方針のすばらしいのですが、わたしが強く感銘を受けたのは女子代表・恩塚さんの「カウンターバスケットボール」です。

もとの会見の様子はこちらの動画です。

(恩塚さんのところから開始するように設定してあります)

カウンターバスケットボールという考え方は、今までにないスタイルであり、わたしたち育成年代の悩みを解決するすばらしい哲学です。

1人でも多くのバスケットボール指導者にこの考えが広まればと思い、記事を書かせて頂きました。

ぜひ最後までお読みください。

カウンターバスケットボールとは?

カウンターバスケットボールとは、恩塚さんはこのようにお話しされています。

後出しじゃんけんのようなバスケットボール。

自分たちのプレイに対して、相手チームが対応してきたら、さらにそれの逆をつくようなバスケットボールです。

決められたセットプレーを多用するのではなく、相手のプレイに対して、いつでも最適解を出し続ける。カウンターパンチをくり出す。

それがカウンターバスケットボールです。

詳しく見ていきます。

多くの選手がもつ2つの悩み

恩塚さんがカウンターバスケットボールを行う理由は、多くの選手が次の2つの悩みを持っているからだそうです。

  1. ボールをもって、いつ攻めていいのかわからない
  2. ボールを持ってないとき、どう動いていいかわからない

 

これ、本当にそうだと思いませんか?

わたしはめちゃくちゃ納得したんですよね。

選手のときは「え、今シュートしていいの?」と何度迷ったことでしょう。

また、ボールを持たないときは「この動きであってるのかな?」と思いながらプレーしていました。

それなのに、指導者になってからはこの気持ちを忘れていました。

ある時は選手に「攻めろ!」と言い。

ある時は選手に「攻めるな」と言います。

迷いますよね。

ボールを持っているときにどう動くか、それをパターンで決めて教え込みました。

それで悩みがなくなった選手もいると思いますが、主体性は生まれません。

いつも「これで合っているのかな?」と悩みながら選手はプレーしていました。

恩塚さんは小学生から日本代表まで、本当に多くの選手を指導してきて、結局はこの2つに悩むことが多いと発見したそうです。

アジリティこそ日本の強み

一方で、日本人選手の強みは「アジリティ」ということも見出しました。

アジリティとは「敏捷性」という意味ですが、バスケットボールでいえば「相手の逆をつく能力」ということです。

たとえば、このようなプレイですね。

 

ディフェンスがドライブに対してヘルプしてきた。

そのまま苦しいシュートをするのは、アジリティがありません。

それに対して、オフボールがダイブして合わせた。

ヘルプに行ったディフェンスは裏を突かれた形になります。

このように、相手の逆をつく能力こそがアジリティであり、日本の強みはここにあると見出したそうです。

サポートコーチ時代から、東京オリンピックの銀メダルまで、長年世界の舞台を経験してきた恩塚さんならではの視点ですね。

最適解がワクワクした気持ちの源

となると、日本の強みであるアジリティを生かして、多くの選手が悩む

  1. ボールを持って、いつ攻めていいのかわからない
  2. ボールを持たないとき、どう動いていいかわからない

を解決することはできないか?となります。

これに対する答えが「カウンターバスケットボール」です。

  1. 相手がこうしてきた
  2. じゃあ自分たちはこうする
  3. それに相手はこうしてきた
  4. だから次はこうする

というように、ジャンケンの後出しのようにアジリティを発揮し続けることができれば、選手は悩まずに済みます。

それどころか、自分で判断し、自己決定のプレイだからこそ、ワクワクした気持ちでバスケットボールに取り組めるはずです。

迷いのないプレイは、思い切りのよいダイナミックな走りになり、ますます日本の強みであるアジリティに磨きがかかります。

この好循環を生み出すために、恩塚さんが示すのが「ゲームモデル」です。

ジャンケンでいう「グー・チョキ・パー」のように、

このときはこれを出せば勝ち

という最適解を選手が理解すれば、永遠にアジリティを発揮できる。

その最適解こそがゲームモデルである。

そういう考えなわけですね。

ゲームモデルについてはわたしもJBAで学び、自分のチームでもその指導をしています。

ゲームモデルは簡単に言うと、24秒を意味のある区切りで考えることです。

以下のツイートをご覧ください。

動画でプレイの例はこちらです。

 

特に大切なのは「チャンス局面」で攻めることと、「ブレイク局面」でサポートすることです。

チャンスを生かし、それをみんなで協力する。

これがゲームモデルの中でとても大事なところです。

 

チャンス局面、ブレイク局面については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひお読みください。

バスケットボールのゲームモデル【③チャンス局面】こんにちは、三原です。いつもありがとうございます。 わたしは現在、東京の安田学園で高校生の男子バスケ部を教えています。 指導...
ボールを持たないとき、どう動く? バスケットボールのゲームモデル④ ブレイク局面こんにちは、三原です。いつもありがとうございます。 わたしは現在、東京の安田学園で高校生の男子バスケ部を教えています。 指導...

「バスケで日本を元気に」のロールモデル

まとめます。

日本の強みは「アジリティ」である。

俊敏性と、相手の逆をつく能力は、世界でもトップクラスだ。

しかし、ほとんど多くの選手が悩むのは

  1. ボールをもって、いつ攻めていいのかわからない
  2. ボールを持ってないとき、どう動いていいかわからない

この2つである。

となれば、アジリティを発揮して、悩みを解決するチーム作りをすればいい。

それは選手が「ゲームモデル」を理解して、言われたから攻めるのではなく、自分の中にプレーの最適解を持つこと。

自分で判断し、決定する場面を多く持つこと。

そうすれば、選手はワクワクした気持ちになり、ますます強みであるアジリティが発揮できる。

このプロセスで金メダルを獲得する。

こういうことです。

わたしが本当に素晴らしいと思ったのは、恩塚さんのビジョンが金メダル獲得を超えているからです。

多くの選手が悩み、多くの指導者が悩んでいる問題。

それを解決するコーチング方法を見出し、それを実践すれば、日本や世界のバスケ界が変わるはず。

そのロールモデルとして女子代表は活動して、結果として金メダルを取る。

この理念こそが本当に素晴らしいと思います。

わたしやあなたの悩みを、日本代表の活躍で解決しようとしてくれているのです。

「バスケで日本を元気に」というJBAのスローガンですが、最適解を教えてワクワクした気持ちを持たせる恩塚さんのコーチングは、まさに日本中を元気にするビジョンです。

これからも目が離せません。心から応援したいと思います。

 

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三原学
1981年、東京都生まれ。早稲田大学大学院卒。学生時代にマネージャーとなり、バスケ指導者を志す。 22歳から高校バスケ指導を始めて、早稲田実業高校ではウインターカップ出場、関東新人大会優勝。現在は母校の安田学園高校で監督を務める。選手が主役のチーム作り「ボトムアップ理論®︎」により、日本の部活動モデル校を目指している。 2024年から早稲田大学男子バスケットボール部のヘッドコーチも務める 日々学んでいる指導体験をブログやYouTube「バスケの大学」で発信して、総フォロワーは30,000人を超える。 日本バスケットボール協会公認A級コーチ、ジュニアエキスパートコーチ。ボトムアップ理論®︎エキスパートコーチ。 月刊バスケットボールにて「まんが戦術事典」を連載中。著書多数。
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