戦術講座

ハーフコートの大切さ 【バスケ戦術講座 第9回】

こんにちは、三原です。

バスケットボールの試合で勝ちたければ、ハーフコートのオフェンス、ディフェンスがとっても重要です。

多くのチームが「堅守速攻」をキーワードにして、走って勝つことを目指します。

もちろん、それも大事なんですが、ハーフコートの方がもっと大事です。

  • プレイが安定しない
  • ミスが減らない
  • 接戦で試合に勝てない

もしあなたのチームが思い当たるなら、ぜひ最後までこの記事をお読みください。

きっと何かのヒントになるはずです。

YouTubeでも解説しています。

わたしの動画は、音声だけでも学ぶことができえるように作ってあります。何かをしながら、聞き流しでぜひどうぞ。

ハーフコートは80%以上

なぜハーフコートが重要なのか。

それはズバリ、ハーフコートの攻防の方が回数が多いからです。

「堅守速攻」を目指したところで、速攻はどのくらい出せるでしょうか?

わたしの経験上、どんなに多く出せても全体の20%ですね。

というか、20%も速攻が出れば、その試合はかなり楽勝です。

5回に1回が速攻ですからね。

なので上限が20%です。接戦になれば5%とかになっちゃうかもです。

つまり、本当に勝ちたい接戦なら、ほぼすべてがハーフコートの攻防になるってことです。

これを重要視しないと勝てないのは、わかりますよね。

複雑なハーフは計画すべき

そして、ハーフコートオフェンスは、そもそもが複雑だってことです。

速攻のスタイルは、だいたいどのチームも一緒です。

  • ボールマンが真ん中
  • サイドレーンを広がって走る
  • リムランナーが1人走る

というのがよくあるトランジションの形ですね。

絶対にこうじゃなきゃいけないってわけではありませんが、ほとんどのシステムはこの走るコースに似るはずです。

速攻というのは、単純なんです。

一方で、ハーフコートのオフェンスは、どのチームも同じではありません。

例えば、ポジションにしても、全然違うはず。

  • センターを2人おいて、インサイド勝負
  • 4アウト1インで、スペースを広くとる
  • 5アウトで、スクリーンを連続させる

こんなふうに、目的もプレイも、まったく別のものがあります。

1つ1つもプレイもまた複雑です。

カット、スクリーン、ピックなど、本当にいろんなプレイが考えられるし、それを止めるためのディフェンス方法もまた多彩です。

無計画では、ハーフコートの攻防はまったく成り立たないのです。

「とにかく走れば勝つ」というチームは、プレイが雑になり、ミスが増えて、接戦に勝つことができません。

オフェンスは守りを、ディフェンスは攻めを考える

さて、重要性がわかったとこで、もう少し掘り下げますね。

  • オフェンスでは守りを
  • ディフェンスでは攻めを

それぞれ考えましょう。

パッと見て、逆のように思いますよね?

オフェンスでは、セフティを決めとこう

わかりやすい例として、ハイピックのプレイを思い浮かべてください。

これです。

オフェンスを指導するだけなら、1と5、そして3くらいだけで完結するはずです。

  1. 1はドリブル
  2. 5はスクリーンして、ゴールにダイブ
  3. ディフェンスがインサイドに寄っていたら、3にもパスできる

このくらいのことを教えておけば、ハイピック&ロールのプレイ自体はOKなはずです。

しかし、バスケットボールは切り替えのスポーツ。

オフェンスの次は、必ずディフェンスです。シュートで終わりではなく、シュートをした後こそ大事なんです。

つまり、セフティーをちゃんと決めておかないと、相手に速攻を出されちゃいます。

この場合なら、両コーナーの3と4は、オフェンスリバウンドに行かずに、セフティに戻るべきです。

 

また、1がドリブルで突破した後、どこにもパスが出せないことがあります。

そんなときのために、安全にパスを返せるところに2を置いておくことも大事になります。これもセフティです。

つまり、ハーフコートオフェンスの指導は、誰が攻めるかだけじゃなく、誰が攻めないかを決めておくのが大事なんです。

意外と見落としがちなので、覚えておきましょう!

ディフェンスは攻めを考える

先ほどと同じく、ハイピックのプレイで、今度はディフェンスを考えます。

守るだけなら、X1とX5の指導だけすれば良さそうです。

でもこれに加えて、「死角からボールを取れる人」の指導をすると、さらに効果的なディフェンスになります。

具体的には、このプレイならX3が死角になるので、パスをスティールするチャンスがあります。

こんな感じで、プレイに直接関係ないところに、ディフェンスのチャンスがあります。

ここもしっかりと指導しておきたいポイントですね。

オフボールの活躍こそ重要

ということで、お分かりのように「ボールに直接関係ない人ほど、大事」というのが、バスケットボールのおもしろいところです。

ボールマンがすべてではなく、オフボールが活躍するチームは、プレイが多彩になります。

仮に選手の能力が劣っていたとしても、オフボールの質は練習ですぐに高められます。

ハーフコートオフェンスの指導では、ぜひオフボールに注目し、大切にしましょう。

ABOUT ME
三原学
1981年、東京都生まれ。早稲田大学大学院卒。学生時代にマネージャーとなり、バスケ指導者を志す。 22歳から高校バスケ指導を始めて、早稲田実業高校ではウインターカップ出場、関東新人大会優勝。現在は母校の安田学園高校で監督を務める。選手が主役のチーム作り「ボトムアップ理論®︎」により、日本の部活動モデル校を目指している。 2024年から早稲田大学男子バスケットボール部のヘッドコーチも務める 日々学んでいる指導体験をブログやYouTube「バスケの大学」で発信して、総フォロワーは30,000人を超える。 日本バスケットボール協会公認A級コーチ、ジュニアエキスパートコーチ。ボトムアップ理論®︎エキスパートコーチ。 月刊バスケットボールにて「まんが戦術事典」を連載中。著書多数。
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