こんにちは、三原です。
前回は、基本的なオフボールスクリーンをお話ししました。
そして今回は、ちょっと複雑なオフボールスクリーンです。
「複雑な」というのは、そのプレイが難しいというより、「トップレベルのチームがやっているプレイ」って感じで捉えてください。
NBAとかをみると、こういったスクリーンが数多くあり、その考え方を知るだけでもおもしろいはずです。
この話はYouTubeでもしています。
そっちの方がわかりやすいかもしれません。音声だけでも学べるのでぜひどうぞ。
ちなみにこの文章は、YouTubeのレジュメです。
複雑なスクリーンはこの6つ
今回の記事でお伝えするのは、この6つです。
- アイバーソンカット
- コーバー
- ハンマー
- エレベーター
- ウェッジ
- ジッパー
ではでは、1つずつ見ていきましょう!
アイバーソンカット
往年の名選手、アレンアイバーソンがよく使っていたカットプレイです。
バトラー大 🏀ユーロハイロー
・アイバーソンカット
・ピック&ロール
・ハイローポストピックで得点するのではなく、エントリーに使うプレイです。パスの角度を変えてハイローにパスをつなぐ。ピックすると同時に周りが連動すると、幅広いオフェンスができます☺️
— 三原まなぶ🏀バスケの大学 (@coach_manabu) May 10, 2020
2がアイバーソン(のようなエース選手)で、4と5がスタガードスクリーンをかけます。
こうすると、2のディフェンスは必ず遅れて2を追いかけることになります。
パスをウイングで受けたときはノーマーク。そのままシュートもできますし、目の前に大きくスペースがあるので、1対1もかんたんです。
点取り屋さんのガードがいるチームは、ぜひどうぞ!
コーバー
アトランタホークスで活躍したシューター、カイル・コーバーがよくやっていたプレイです。
カイルコーバーの美しすぎるシュートフォーム🏀
・親指、小指でボールをガッチリつかむ
・右腕はリングに向かって一直線
・フォロースルーを伸ばす
・左手は添えるだけ
・手首を返して人差し指からボールを放つ
・リングを長く見る
・ボールにバックスピンがかかる— 三原まなぶ🏀バスケの大学 (@coach_manabu) May 9, 2020
シューターをコーナーに置き、そこにダウンスクリーン。
ディフェンスを振り切ってシュート。というプレイです。
コーバーがNBAで活躍するまでは、シューターがコーナーにいてそこにダウンスクリーンというプレイは、あまりなかったように思います。
ダウンスクリーンといえば、センター同士がハイポストからローポストにかける。そんなプレイが多かったです。
ですが、この「コーバー」のプレイによって、シューターに広いスペースを与えるため、コーナーにおいて置くという発想が定着しました。
また、ディフェンスがコーバーを止めようとフェイスガードしたときには、ぐるっとカールカットして、コーバーがスクリーナーになることもよくやってました。
2がコーバー(のようなシューター)で、ぐるっとカールして、4にスクリーンをかけてます。
これがかなり効きます。4にアウトサイドシュート力があれば「わかっていても止められない」というプレイになり、脅威です。
小さいけど、シュートはうまい。そんなチームはぜひどうぞ!
ハンマー
ジノビリやパーカーがガードを務めてた時代のサンアントニオスパーズがよくやってました。
スパーズ ジノビリのハンマーパス🏀
・ベースラインドライブ
・逆サイドでフレアスクリーン
・コーナーにパスモーションオフェンスで逆サイドのフレアスクリーンは有効ですね。ディフェンスが広がるのでコートが広く使えます。
— 三原まなぶ🏀バスケの大学 (@coach_manabu) May 7, 2020
- ベースラインドライブ
- 逆サイドでフレアースクリーン
- コーナーがノーマーク
というプレイです。
1を放っておけばレイアップされちゃうし、カバーに行けばコーナーにパスされる。
とても計画的なプレイです。
また、スクリーナーの4がスリップするのも、けっこう使えます。
タイミングが命のプレイで、ちょっと難しいですが、ぜひチャレンジしてください。
エレベーター
文字通り、エレベーターのドアが閉まるようなプレイです。
センターがトップにいる「ディレイ」から、ふつうはサイドピックに行くんですが、そう見せかけてのエレベーター。ブレイザーズはいつもオフェンスがおもしろいイメージがあります🏀
pic.twitter.com/s3TxFPXIb4— 三原まなぶ🏀バスケの大学 (@coach_manabu) May 13, 2021
スローインでよく使われますが、3ポイントシューターをフリーにするために行われます。
4と5がエレベーターのドアなんですが、動きながらディフェンスにぶつかるとオフェンスファウルになります。それは気をつけましょう。
ウェッジ
これはセンターへのバックスクリーンです。
センター2をローポストアップさせるためのプレイですね。
ふつうUCLAカットはガードが飛び込むプレイですが、ヨキッチみたいにセンターがボール運びができるなら、ポジションを逆転させるのも面白いですね。パワープレイもできるし、寄ったらアシストもさばける。かなりレレベルの高いプレイです。pic.twitter.com/uiofQAmj5K
— 三原まなぶ🏀バスケの大学 (@coach_manabu) April 26, 2021
ウェッジからそのままピックに行くのもアリです。
似たようなプレイにUCLAカットがありますが、それはガードが飛び込むもの。
ウェッジはセンターが飛び込みます。
ローポストでパワープレイが得意なチームは、使えますよ。
ジッパー
最後はジッパー。
ジッパーとは日本語でいう「チャック」です。
チャックの開け閉めみたいな、上下の動きのダウンスクリーンですね。
優勝した年のセルティックス サイドプレイ
・ジッパースクリーン
・シザース
・もう一度ダウンスクリーンパスの得意なロンドにボールを持たせて、シューターのレイアレンに2回の時間差スクリーン。すべてのセットプレイで大事なのは形だけでなく「適材適所」です。pic.twitter.com/hSVRfb87cC
— 三原まなぶ🏀バスケの大学 (@coach_manabu) May 15, 2020
1がポイントガードで、安全に良い位置でパスを受けるのに最適です。
ガードに能力のあるチームは、ジッパーを使ってみてください。
「何のために」が大切
ということで、いろいろ紹介しましたが、ただやっても意味がありません。
大事なのは「何のために」という気持ちです。
チームの特徴に合わせて、プレイを選んでいくのは楽しいものです。
ぜひ選手の特徴が生きるようなスクリーンプレイをしてみてください!
記事を最後までお読みくださり、感謝しています!
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