こんにちは、三原です。
アフタータイムアウト(ATO)という言葉、聞いたことありますか?
「タイムアウト明け、1回目のオフェンス」という意味です。
アフタータイムアウト(ATO)って言い方をしますが、タイムアウト明けはサインを出さずに、無言でセットプレイを行うチャンスなんです。リーグ戦で何回も試合してると、サインを出すだけでプレイがバレる。でもATOならバレないメリットがあります。美しいジャズのATOです。pic.twitter.com/1JaaKXOfZm
— 三原まなぶ🏀バスケの大学 (@coach_manabu) August 18, 2020
セットオフェンスを、ノーコールでプレイできるメリットがあるのがこのATO。
NBAとかの世界では、かなり重視されているのですが、わたしが活動している高校生のカテゴリーでは、そんなにATOは大切にされてません。
たぶん、ミニバスや中学生も、こんなことは考えてない人が多いんじゃないかな。
そう思って、ブログにまとめておきます。
YouTubeでも解説をしています。
音声だけでも学べるようになっているので、ぜひどうぞ。
サインを出すとバレる
ATOの考え方の大前提は、
慣れてないオフェンスはミスしやすい
ということです。
自分たちのオフェンスは、毎日毎日練習している形で、試合でもしょっちゅうプレイしているフォーメーションをやる方が、迷いもなくてミスがないわけですね。
だから「次はこれで行こう」という全員の意思統一をして、しかもそのオフェンスがみんな慣れているプレイならば、一番いいってことです。
ということで、NBAとかではサインを出すことが多いんですね。
Bud signals for “41 Rub” the Giannis/Guard ballscreen (https://t.co/iBGnmISk1D) so the Raptors counter with Gasol/Lowry switching off the ball and preventing easy advantage for Giannis. pic.twitter.com/zWkc1mIqHB
— Half Court Hoops (@HalfCourtHoops) May 16, 2019
でもどうでしょう。ここで一つ問題があります。
自分たちが毎回やっているオフェンスってことは、相手も毎回見てるんです。
しかも手でサインを出したりすれば、「ああ、またあれね」となって、相手にもバレバレなんです。
本当は慣れてるプレイだけをやりたい。
意思を統一するため、サインで確認したい。
でもそうするとバレて、かんたんにディフェンスされちゃう。
というジレンマが生まれるわけですね。
そこでアフタータイムアウト
そこで、アフタータイムアウトです。
タイムアウトをとる場面は、いろいろあるでしょうが、最後の数秒間にこう話すんです。
そしてコートに出て、プレイ再開。
実際にプレイを始めるときは、サインをしたり、プレイの名前をコールをしたりしないから、バレないんです。
- 自分たちはわかっている
- 相手にはバレてない
という理想的なオフェンスができる。それがATOの魅力です。
ATOの実例
わたしが好きなツイッターアカウント「HalfCourtHoops」では、ATOのセットがたくさん紹介されています。
ATOで検索すると、わんさか出てきます。いくつか貼っておきますね。
このアカウントはホントすごいですよ。ぜひフォローをおすすめします。
We can’t see the beginning because why would we need to (thanks, TNT), but it looked like this was the variation they ran against Denver previously: pic.twitter.com/IuWbt7jM20
— Half Court Hoops (@HalfCourtHoops) June 8, 2021
Phoenix Suns | ATO Quick Rip pic.twitter.com/erZpsuQtei
— Half Court Hoops (@HalfCourtHoops) June 12, 2021
Philadelphia 76ers | ATO Slice Split Rip pic.twitter.com/ipMQphkK9R
— Half Court Hoops (@HalfCourtHoops) May 23, 2021
10回くらいのATOが勝敗をわける
相手にバレず、こっちは息を合わせてプレイできるATO。じゃあ試合中に何回くらいあるんでしょうか?
わたしは自分の経験上、10回くらいあると思っています。
まず、各クォーターの始まり。これは必ずできますね。
「最初のオフェンスはこれで行こう」と話をしておけばいいんですから。
クォーターが始まる前は、タイムアウトではありませんが、タイムアウトみたいなものですよね。だからATO扱いにします。
1から4クォーターの開始で、4回は確定。
あとは自分たちと相手がタイムアウトを何回取るかによりますね。
現在(2021年)で、日本のルールだとタイムアウトは最大5回。
自分たちも5回とる。相手も5回とる。
こうなるとタイムアウトは合計10回です。
そしてクォーターの始めが4回。
ということは合わせてATOは14回が最大です。
ただ、タイムアウトをフルで使い切ることは多くないと思うので、だいたい3回ずつくらいをお互いに取るとしましょう。
そうするとタイムアウトが両チームで6回。
クォーターの開始と合わせると、10回あります。
だいたいこれくらいの回数が、ATOのチャンスになるんです。
10回のオフェンスがすべて決まったら・・・
ということで、この10回のオフェンスをなんとなくやるのか。それともきっちりと決めておいて、プレイを成功させるのか。えらい違いです。
極端な話、それだけで20点ちがいます。
そりゃ勝ち負けに影響しますでしょ?だからATOは大事なんです。
接戦時ほどタイムアウトの回数は多くなりますから、
これがめちゃくちゃ大事になるってことです。
さらに強いチームであれば、タイムアウトじゃなくても、ちょっとした時間に集まって会話をすることもします。
ハドルを組むって、大事です。
誰でもミスはするし、シュートをはずす。そのたびに、自分の胸に手をあてて悪かったってするし、仲間はその選手に声かけする。判定に納得いかない選手がいれば、肩にぽんと手を置き、うまくいかなければ、すぐさまハドルを組む。一つの試合で、これだけドラマ繰り広げて立て直す。それがブレックス。 pic.twitter.com/02vjPRUMI0
— イマココ。 (@iixTOLSroKWpOkh) May 30, 2021
ウィルは既に山形で欠かせない選手になってました🏀 2日間で48得点。スリー7本。私の中では今節のMVP👑
少しおこりんぼ🐙なところはあるけれど、ウィルが声をかけてハドル組むシーンや両手を広げて観客を煽るシーンが見れてとっても嬉しい気持ちになりました😊😊 Nice game 🏀 pic.twitter.com/C1pcNbgcjD
— りほちゃん (@m07t01) November 13, 2017
こういう習慣があれば、たとえば相手にフリースローが与えられた時とかにちょこっと集まってハドルを組み「次はあれやろうぜ」とか言えます。
こうなるとさらにオフェンスの成功率は増すでしょう。
相手ボールのときにタイムアウトを取るな
1つだけ注意点があるとすれば、タイムアウトを取るときは、できるだけマイボールのときに取りましょうってことです。
相手ボールのときにタイムアウトを取ると、相手にATOのチャンスをプレゼントしちゃうことになります。
もちろん、ディフェンスからスタートの時にも「この後のオフェンスはこれね」と決めておくことは可能ですが、一度ディフェンスをはさむと、忘れやすくなったりしがちです。
だからマイボールのときにタイムアウト。これが基本ですね。
試合の流れとかもあると思うんですが、できるだけ相手ボールのときにタイムアウトを取らないようにしたいものです。もったいないからね。
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