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ボールのないところを見ると、指導が変わる【コーチも保護者も】

こんにちは、三原です。いつもありがとうございます。

今日のテーマは、

「ボールの逆側を見ましょう」

というお話です。 オフェンス指導の話なのですが、保護者の方にも役に立つメッセージを入れています。ぜひ最後まで読んでみてください。

「三線が見える人が一流」という教え

わたしには尊敬する指導者の方がいます。星澤純一先生です。 星澤先生から、昔こんなことを教わりました。

「指導者は三線(さんせん)が見える人が一流なんだよ」

三線って、何のことだと思いますか?

三線とは、ボールの隣の、さらに隣のこと。 つまり、ボールから一番遠いところ、「ボールの逆側」ですね。

ここが見えるかどうかで、指導者としての質はまったく変わってくる。 これがずっと、わたしの心に残っています。

そしてこれは、指導者だけの話ではありません。 保護者の方がこの視点を持つだけで、お子さんは本当に変わっていきます。

具体例:「3番のレイアップ」をどこまで見られるか?

ちょっと場面を思い浮かべてみてください。 試合中、3番の選手がドリブルで切り込んで、レイアップを決めました。

このとき、ふつうはこう見ますよね。

  • 入ったら「ナイス!」
  • 外したら「次は決めようね」
  • 「ディフェンスの逆の手で打ったほうがいいよ」
  • 「ステップはこっちのほうがいいよ」

もちろん、これも大事なことです。 でも、ここしか見えていないと、残りの4人がどこにいたかは、ずっと見えないままなんですね。

そこで、視野を少し広げてみます。

ひとつ奥を見る:「なぜ抜けたのか?」

「なぜ、この3番はドリブルで抜けたのだろう?」と考えてみる。 すると見えてくるのは、もらい方が良かったということ。

遠くから走り込むようにボールを受けたから、ディフェンスが一歩遅れた。だから簡単に抜けた。 ここが、ひとつ奥の景色です。

さらに奥を見る:「なぜ走り込めたのか?」

「では、なぜ走り込めるスペースがあったのだろう?」と、もうひとつ奥を見る。 そこには、5番の選手がスクリーンをかけて壁になっていた動きがあるんです。

ここまで見えると、声のかけ方が変わります。

  • 5番の選手に「ナイススクリーン! あなたのおかげで3番が抜けたよ
  • 1番の選手に「あなたのおかげで3番にパスが通ったんだよ」

ボールに触っていない選手を、堂々と褒められるようになるんですね。

もうひとつ奥:「残りの2人は?」

そしてさらに、ボールから離れた残りの2人。 この2人がきちんとスペーシングを取って広がっていたから、ディフェンスがゴール下でごちゃごちゃせず、3番がレイアップに行けた。

つまり、全員がこのプレーに貢献しているということが見えてくる。 これが「三線が見える」ということです。

なぜ「奥を見る」と、選手はうまくなるのか

ここまで見えるようになると、指導者にとって修正点が明確になります。

「なんとなく今のはうまくいった」 「なんでごちゃごちゃしたのか、よくわからない」

これだと、選手に何を直してほしいかが伝わりません。 でも、

  • 「今のはスクリーンが良かったね」
  • 「今のはあなたのスペーシングが甘かったよ」

と具体的に言えると、選手は迷わなくなります。 迷わなくなれば、当然うまくなっていくんですね。

そして保護者の方。 お子さんの試合を一緒に振り返るとき、オフボールが見えると、わが子を褒める場面がぐっと増えます

  • 「シュートは外れちゃったけど、ここの動きは良かったよ」
  • 「ここで、いいスクリーンかけてたよね」
  • 「あなたがちゃんと広がっていたから、なんとかちゃんが行けたんだよ」

こうやってオフボールの選手を褒めることができると、子どもはますますやる気になります。 知識の面でも、モチベーションの面でも、迷いがなくなって伸びていく。

指導者がフィードバックを明確にする。 保護者がボールのないところを見て、褒める場面を増やす。

このふたつが揃うと、選手は本当に伸びます。

プレーに「名前」がつくと、もっと見えるようになる

最後にもうひとつ大事なことを。 今までの「3番が走り込んで、5番がスクリーンをかけた」というプレー、これにはちゃんと名前がついています。

「5番がダウンスクリーンをして、3番がカールした」

こう呼ぶんですね。

プレーに名前がつくと、試合を見ながら瞬時に「あ、今カールしたな」「ダウンスクリーンだな」と頭の中で整理ができます。 名前を知ることは、見える解像度を一段上げるということなのです

 

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まとめ

  • 「ボールの逆側」(三線)が見える人が一流の指導者
  • ひとつ奥、さらに奥を見ると、修正点と褒めポイントがはっきりする
  • 保護者がオフボールを見られると、わが子を褒める場面が増える
  • プレーに名前がつくと、もっと見えるようになる

ぜひ、「ピンダウンしてカールしているな」「スペーシングが広いな」と、 「ボールのないところ」を見る習慣を一緒に広げていきましょう。

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ABOUT ME
三原学
1981年、東京都生まれ。早稲田大学大学院卒。学生時代にマネージャーとなり、バスケ指導者を志す。 22歳から高校バスケ指導を始めて、早稲田実業高校ではウインターカップ出場、関東新人大会優勝。現在は母校の安田学園高校で監督を務める。選手が主役のチーム作り「ボトムアップ理論®︎」により、日本の部活動モデル校を目指している。 2024年から早稲田大学男子バスケットボール部のヘッドコーチも務める 日々学んでいる指導体験をブログやYouTube「バスケの大学」で発信して、総フォロワーは30,000人を超える。 日本バスケットボール協会公認A級コーチ、ジュニアエキスパートコーチ。ボトムアップ理論®︎エキスパートコーチ。 月刊バスケットボールにて「まんが戦術事典」を連載中。著書多数。
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