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セットオフェンスを難しくしないために、最初に決めたいこと

こんにちは、三原です。いつもありがとうございます。

セットオフェンスを教えるときに、3アウト2インがいいのか、4アウト1インがいいのか、5アウトがいいのか。ここで悩む指導者は多いと思います。

わたし自身も、これまでいろいろな形を試してきました。うまくいったこともありますし、頭の中だけで考えすぎて、選手をかえって迷わせてしまったこともあります。

結論から言うと、セットオフェンスは難しく考えすぎなくていいと思っています。まず大事なのは、「ディフェンスは1人で2人を守れない」という大原則です。

この土台がないまま、形だけを覚えさせようとすると、選手も指導者も苦しくなります。

立ち位置を決める理由は、1対1をしやすくするため

なぜ最初に立ち位置を決めるのか。

それは、選手を型にはめるためではありません。1対1をしやすくするためです。

たとえば、ボールマンと隣の選手の距離が近すぎると、相手ディフェンスは1人で2人を守れてしまいます。ドライブに行ってもすぐヘルプに来られる。パスを出しても、近いからすぐに戻られてしまう。

これではオフェンスが苦しくなります。

だから、まずはおよそ5mくらいの距離を保つ。そうすると、ディフェンスは簡単に1人で2人を守れません。ボールマンを止めに来れば、隣が空く。隣を守れば、ドライブが空く。

この状況をつくるために、最初の立ち位置を決めるのです。

3アウト2インでも、4アウト1インでも、5アウトでも、名前が大事なのではありません。大事なのは、選手が自分の得意な場所で1対1をしやすくなっているかどうかです。

選手の得意技から、形は自然に決まる

では、どの形にすればいいのか。

わたしは、選手を大きく3つに分けて考えるとよいと思っています。

インサイドの攻めが得意な選手。アウトサイドの攻めが得意な選手。どちらもできる選手。この人数を見て、チームの形を決めるのです。

インサイドで強い選手が2人いるなら、3アウト2インが合うかもしれません。インサイドが1人なら、4アウト1インが自然かもしれません。全員が外でプレーした方がよいなら、5アウトもあります。

ただし、小学生や中学生の場合は、あまり早く役割を決めすぎない方がいいと思っています。まだ可能性がたくさんあります。「あなたはインサイドだけ」「あなたは外だけ」と決めつけるより、5アウトから始めて、いろいろな場所でプレーさせるのもよいでしょう。

高校生くらいになると、自分の得意な形が少しずつ見えてきます。その段階で、チームとしてどう組み合わせるかを考えていく。わたしはそのように考えています。

良いオフェンスは、3つの状態をくり返している

攻め方を細かく図で決めすぎるより、わたしは選手にこう伝えたいと思っています。

  • 1対2をつくる。
  • クローズアウトをつくる。
  • ミスマッチをつくる。

良いオフェンスは、この3つがぐるぐる回っています。

たとえば、ポストで勝てる選手がボールをもらう。これはミスマッチです。そこにヘルプが来る。すると1対2ができます。そこで無理に打たず、空いた味方にパスを出す。するとクローズアウトが生まれます。

オンボールスクリーンでも同じです。スクリーンで一瞬2人を引きつける。相手がスイッチすればミスマッチができる。そこを攻めるとヘルプが来る。パスを出すとクローズアウトになる。

こうやって、すべてのパス、ドリブル、スクリーン、カットに意味がある状態をつくりたいのです。

「次はこの場所に動きなさい」と細かく決める前に、この動きは何をつくるためなのかを考える。1対2なのか、クローズアウトなのか、ミスマッチなのか。

選手がそこを理解すると、セットオフェンスはずっとシンプルになります。

指導者がやるべきことは、難しい形を覚えさせることではありません。選手が自分たちで判断できる土台をつくることです。

まずは練習中に、選手へこう聞いてみてください。

「今、ディフェンスは1人で2人を守れていないか?」
「今の動きは、1対2をつくれていたか?」
「クローズアウトは生まれたか?」

この問いがあるだけで、オフェンスの見え方は変わります。

セットオフェンスは、複雑にしようと思えばいくらでも複雑になります。でも、本当に大事なことは意外とシンプルです。

良いスペーシングを取る。
得意な場所で1対1をする。
ヘルプが来たら、空いた味方を使う。

このくり返しです。

わたしも、まだまだ現場で悩みながら教えています。ただ、悩んだときほど原則に戻る。そこを大事にしたいと思っています。

 

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ABOUT ME
三原学
1981年、東京都生まれ。早稲田大学大学院卒。学生時代にマネージャーとなり、バスケ指導者を志す。 22歳から高校バスケ指導を始めて、早稲田実業高校ではウインターカップ出場、関東新人大会優勝。現在は母校の安田学園高校で監督を務める。選手が主役のチーム作り「ボトムアップ理論®︎」により、日本の部活動モデル校を目指している。 2024年から早稲田大学男子バスケットボール部のヘッドコーチも務める 日々学んでいる指導体験をブログやYouTube「バスケの大学」で発信して、総フォロワーは30,000人を超える。 日本バスケットボール協会公認A級コーチ、ジュニアエキスパートコーチ。ボトムアップ理論®︎エキスパートコーチ。 月刊バスケットボールにて「まんが戦術事典」を連載中。著書多数。
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