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速攻が出ないチームは優勝できない。ファーストブレイク完全解説

こんにちは、三原です。いつもありがとうございます。

今日の「バスケの大学」のテーマは、速攻、ファーストブレイクです。

わたしは、速攻が出ないチームは優勝できないと考えています。

ただし、選手に「走れ」「早く行け」と伝えるだけでは、速攻をチームの武器にすることはできません。

速攻にも考え方があり、見るべき場所があり、2対1、3対2、4対3、それぞれに具体的な攻め方があります。

今回は、なぜ速攻が必要なのか。速攻にはどのようなメリットとデメリットがあるのか。そして、ファーストブレイクからアーリーオフェンスまで、今日から体育館で使える形でお話しします。

 

※図は一番下にインスタがあります。そこから見てください

速攻はシュートの本数と確率を同時に高める

わたしは安田学園高校で23年間指導し、最近では早稲田大学にも関わらせてもらいました。いろいろなレベル、いろいろなチームを見てきた中で、やはり速攻が出ないチームは優勝できないと思っています。

バスケットボールの試合に勝つための努力は、突き詰めると2つしかありません。

1つは、シュートの本数、つまり攻撃回数を増やすこと。もう1つは、シュートの確率を上げることです。

速攻は、早く攻めることで攻撃回数を増やします。そして、ノーマークのレイアップやゴール下のシュートで終わるため、シュートの確率も上がります。

本数と確率を同時に高められる、最も理想的な攻め方と言っても過言ではありません。

変則的な作戦を使い、格上の相手に1試合だけ勝つことはあるかもしれません。ただし、それで続けて勝つのは難しいです。

長い時間をかけて選手に教えるのであれば、危ういものではなく、確実に結果につながるものを教えたい。そう考えたとき、最も信頼できるのは、強いディフェンスから早い速攻につなげる「堅守速攻」のスタイルです。

速攻には、5つのメリットがあります

  1. まず、ノーマークやゴール下など、最も簡単なシュートを期待できます。シュートが外れても、オフェンスリバウンドを取りやすいです。
  2. 次に、速攻でシュートまで行けなくても、早くセンターラインを越えることで、ハーフコートオフェンスへ良い状態で入れます。
  3. また、常に走ることが相手へのプレッシャーになります。「また走られるかもしれない」と思わせれば、相手はオフェンスリバウンドよりも、ハリバックを優先するようになります。
  4. さらに、普段からファーストブレイクのペースで練習することで、体力や走力がつき、選手全員の能力が向上します。
  5. そして、速攻を中心に試合をすれば、体力の消耗が大きくなります。そのため、選手を交代しながら戦うスタイルになり、多くの選手に出場機会が生まれます。

走るバスケットは、プレーしている選手も楽しいです。控え選手にとっても、自分の出番があることは大きなモチベーションになります。速攻型のチームを作ることで、チームの雰囲気も良くなると思っています。

一方で、デメリットもあります

  1. 速攻中にボールを奪われれば、その瞬間に逆速攻を受けます。プラス2点を取りやすい反面、マイナス2点も取られやすいのが速攻です。
  2. また、インサイドを攻められず、走った直後に外のシュートばかりを打つと、確率が下がります。息が上がった状態で打つトランジションのシュートは、セットオフェンスのシュートよりも難しいからです。
  3. 攻撃回数が増えれば、リバウンドの機会も増えます。そのため、身長が高く、運動能力に優れたチームが有利になりやすい面もあります。

それでも、育成年代では、デメリットを補って余りあるメリットがあると、わたしは考えています。

小学生、中学生、高校生であれば、迷わず速攻の練習を増やし、個人の育成に力を注いでほしいです。

2対1、3対2、4対3で見るべきもの

速攻には、大きく分けて2つあります。

  1. 1つは、相手が戻る前に攻め切るファーストブレイクです。1対0、2対1、3対2など、オフェンスが数的優位の状態でシュートまで行きます。
  2. もう1つは、アーリーオフェンスです。相手は戻っているものの、まだ誰が誰を守るのか、マッチアップが完全に決まっていない状態で攻めます。

アーリーオフェンスをセカンダリーブレイク、ファーストブレイクをプライマリーブレイクと呼ぶこともありますが、ここではファーストブレイクとアーリーオフェンスで統一します。

まず、2対1です。

ボールを持った選手は、自分とリングを結んだ線上にディフェンスがいるかを見ます。この線をインラインと言います。

インライン上にディフェンスがいなければ、そのままドリブルで攻める。ディフェンスがいれば、味方にパスを出す。まずは、このシンプルな判断基準を持たせてください。

このとき、ドリブルは2人の内側の手で行うことをおすすめします。

内側の手でドリブルすれば、そのままの動作からパスを出せます。パスと見せてドリブルするフェイントも使いやすくなります。

ディフェンスが下がり、レイアップを守った場合は、エルボーやフリースローライン付近のジャンプシュートを打つ場面が増えます。

本当はレイアップに行きたい。しかし、良いディフェンスほどレイアップを消し、ジャンプシュートを打たせようとします。

だからこそ、エルボー付近のジャンプシュートを確実に決める練習も必要です。

そして、パスを出した選手は、必ずオフェンスリバウンドへ行ってください。ディフェンスはボールマンにつくため、反対側の選手はリバウンドで圧倒的に有利になります。

続いて、3対2です。

ボールマンが中央を運び、残りの2人はサイドラインを走ります。

ボールマンが最初に見るのは、後ろにいるディフェンスです。そのディフェンスが左右どちらに寄っているかを確認し、守る距離が長くなるサイドへパスを出します。

両サイドの選手には、制限区域のブロックとリングを結んだ45度のラインを意識させてください。

このライン上からであれば、レイアップでもジャンプシュートでも、バックボードを使いやすくなります。

ディフェンスが左右に偏らず、きれいに並んでいる場合は、無理に詰めません。両サイドがディープコーナーまで広がり、シュートの得意な選手へパスを出します。

パスを受けた選手は、空いていればシュート。クローズアウトが来て抜けそうなら、カウンタードライブです。

ドライブに対して上のディフェンスがカバーダウンしたら、最初にパスを出したガードがエルボー付近へミートします。

強い相手になればなるほど、このエルボー付近のジャンプシュートを打たされます。少し嫌な距離ですが、ここを確実に決められれば、大きな得点になります。

4対3になると、3人のディフェンスが戻っているため、ドリブルやパスだけで簡単にレイアップへ行くのは難しくなります。

そこで、1人はリングに向かって真っすぐ走るリムランナーを作ります。

ポイントガードが中央を運び、2人がウイングを走る。そして、リバウンドを取らなかったビッグマンがリムランナーになります。

安田学園では、4番がリバウンドを取ったら5番が走り、5番がリバウンドを取ったら4番が走る、という約束にしています。

リムランナーはガードとコースが重ならないように走り、エルボー付近からリングへカットします。

直接パスが入れば、そのままゴール下のシュートです。パスが入らなくても、ポストアップしてボールを要求します。

リムランナーが走れば、ディフェンスはゴール下へ収縮します。その結果、アウトサイドも空きます。

アーリーオフェンスでもインサイドを攻め続ける

リムランナーが入ってくる4対3あたりから、ファーストブレイクはアーリーオフェンスへつながっていきます。

相手が5人戻っていても、まだマッチアップが整っていなければ、そのまま攻め切ります。

チームによっては、リムランナーを外へ広げて5アウトを作る方法もあります。

最近では、5番の選手がリムランせず、トップへ遅れて入ってくる「ディレイ」の形もよく見られます。器用なセンターがトップでボールを持ち、ハンドオフなどにつなげる形です。

ただ、わたし個人としては、たとえ背が小さくても、得点力が高くなくても、リムランナーは走らせた方がいいと思っています。

わたしは、ファーストブレイクでもセットオフェンスでも、できるだけゴール下のシュートを増やした方が勝つと考えているからです。

最初のリムランナーにボールが入らなければ、最後に走ってきたトレーラーが、2人目のリムランナーとしてゴール下へ飛び込みます。

わたしは、この動きを「ポスト・ポスト」と呼んでいます。

最初のポストにボールが入らなくても、2人目が波状攻撃のように飛び込むと、ゴール下に穴が開くことがあります。

ポスト・ポストに対してディフェンスが収縮したら、逆サイドのシューターがチャンスです。

シューターはその場で立ち止まるのではなく、少し上がりながら正面を向いてミートします。そうすれば、良い状態でトランジションの3ポイントを打てます。

そのシュートにクローズアウトが来れば、リムランナーがシールして、もう1度インサイドへボールを入れます。

インサイドからアウトサイドへ。そして、再びインサイドへ攻める形です。

リムランナーにボールが入らない場合、トレーラーは外へ広がります。そこでボールを受けたら、まずハイローを狙います。

ガードにスピードがあり、トレーラーが外のシュートを打てる場合は、ドラッグスクリーンを使ってもいいです。

ガードがドリブルを続けながらスクリーンを使い、ペイントを攻める。トレーラーは外へポップし、シュートを狙います。

また、ガードがウイングへパスをした後、そのままリングへカットする形も有効です。

カットによって空いた場所へトレーラーが入り、ハイポストでボールを受けます。そこからドライブやハイローを狙えます。

カットしたガードは、中途半端な場所で止まらず、逆サイドのコーナーまで広がってください。

トレーラーへボールが入らない場合や、ボールを受けても攻め手がなくなった場合は、逆サイドへボールを動かします。

ボールがトップへ戻ったら、ポストマン同士がダウンスクリーンをして入れ替わる。わたしのチームでは、このようなルールにしています。

ディフェンスのマッチアップがまだ曖昧な状態で行うスクリーンは、非常に効果があります。

ファーストブレイクで決め切れなくても、そこで止まらない。

リムラン、ポストアップ、ポスト・ポスト、ハイロー、ドラッグスクリーン、ダウンスクリーンと、連続してインサイドを攻め続ける。

これが、わたしの好きなアーリーオフェンスです。

ぜひ、「速攻が出ないチームは優勝できない」を合言葉にして、堅守速攻の強いチームを作ってください。

ただ「走れ」と伝えるのではなく、何を見て、どのように判断し、次にどこへ動くのかまで教える。

そこまで整理することで、速攻はチームの武器になると、わたしは考えています。

 

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ABOUT ME
三原学
1981年、東京都生まれ。早稲田大学大学院卒。学生時代にマネージャーとなり、バスケ指導者を志す。 22歳から高校バスケ指導を始めて、早稲田実業高校ではウインターカップ出場、関東新人大会優勝。現在は母校の安田学園高校で監督を務める。選手が主役のチーム作り「ボトムアップ理論®︎」により、日本の部活動モデル校を目指している。 2024年から早稲田大学男子バスケットボール部のヘッドコーチも務める 日々学んでいる指導体験をブログやYouTube「バスケの大学」で発信して、総フォロワーは30,000人を超える。 日本バスケットボール協会公認A級コーチ、ジュニアエキスパートコーチ。ボトムアップ理論®︎エキスパートコーチ。 月刊バスケットボールにて「まんが戦術事典」を連載中。著書多数。
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