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ミスが減らないチームほど、戦術より先に見直したいこと 26-7-23

こんにちは、三原です。いつもありがとうございます。

試合になると、すぐにボールを失ってしまう。

パスミスが多い。

選手の動きが、どこかぎこちない。

得点が伸びず、1対1でも相手を抜けない。

そんな悩みを持つ指導者の方は多いと思います。

そして、こういうときによく言われるのが、

「やっぱり基礎が大事だ」

という言葉です。

では、バスケットボールにおける基礎とは、具体的に何なのでしょうか。

今日は、わたしが考える基礎と、ボールを失わないためにおすすめしたい練習についてお話しします。

戦術は部屋の模様替え、基礎は建物の土台

どんな立派な建物にも、地面の下にはしっかりとした基礎が打ち込まれています。

大きな木にも、地面の下には強く張った根があります。

バスケットボールも同じです。

オフェンスのシステムやディフェンスの戦術、流行しているスキルなどは、わたしの感覚では「部屋の模様替え」です。

今日は机をこちらに置く。明日は棚の位置を変える。

マンツーマンを使う。ゾーンを使う。新しいセットオフェンスを取り入れる。

こうした変更は、いつでもできます。見た目も大きく変わるので、効果があるように感じやすいものです。

しかし、建物そのものの強さを決めるのは、模様替えではありません。

土台や柱、建物の構造です。

わたしたちは、どうしても新しい戦術や華やかなスキルに目を奪われます。しかし、選手が伸び悩んでいるときほど、もっと深いところにある基礎を見直す必要があります。

わたしが考えるオフェンスの基礎は、大きく2つです。

1つ目は、ボールキープ力。

ディフェンスに強く寄られても、ボールを失わない力です。

2つ目は、1対1で相手を抜く力。

ボールを守るだけでは得点になりません。ボールを持ちながら余裕をつくり、相手を打ち破る力も必要です。

言い換えれば、シュート以外のオフェンス技術のすべてです。

キャッチ、ストップ、ピボット、パス、ドリブル。

これらを、ディフェンスがいる状況で正しく行えることが基礎だと、わたしは考えています。

強さの秘訣は「脚力」にある

わたしが基礎について考えるうえで、大きな影響を受けた言葉があります。

吉井四郎先生の、

「強さの秘訣は脚力にある」

という言葉です。

ここでいう脚力とは、単に速く走る力や、高く跳ぶ力ではありません。

急に止まる。

急に動き出す。

方向を変える。

床を強く蹴り、次の動作へ素早く移る。

バスケットボールの経験を重ねた選手ほど、この急ストップと急ダッシュの力が高まっていくと、吉井先生は考えました。

バスケットボールの競り合いは、ほんのわずかな差で結果が変わります。

ボールに触れるか、触れないか。

ディフェンスを振り切れるか、振り切れないか。

相手を抜けるか、止められるか。

0.1秒の差でも、結果は正反対になります。

だからこそ、練習は技術の形を覚えるだけではなく、脚力を高めるように計画する必要があります。

そのために、わたしが最初に教えたいのがトリプルスレットポジションです。

ボールをあごの下にキープする。

腰を落としながら、上半身は起こす。

足を広めに構える。

そこからシュート、パス、ドリブルのどれでもできる姿勢をつくります。

ディフェンスから見れば、次に何をするかわからない選手は怖いものです。

反対に、ドリブルをする前から下を向く。パスを出す前から体が伸び上がる。

これでは次のプレーが相手に伝わってしまいます。

まずは、ジャンプストップをして、トリプルスレットの姿勢をつくる。

単純な練習ですが、ここを丁寧にくり返すことが、ボールを失わない選手を育てる土台になります。

ボールを失わないための3つの練習

わたしがおすすめしたい練習は、主に3つあります。

1つ目は、サイドキックドリルです。

約1.5メートルの幅をつくり、左右へ力強く移動します。

右へ動くときは左足で床を蹴り、左へ動くときは右足で床を蹴る。

ただ左右に跳ねるのではありません。

着地した足の親指の付け根に体重を乗せ、キュッと止まり、すぐに反対方向へ蹴り返します。

30秒を2セットから3セット行うだけでも、脚力の強化につながります。

2つ目は、シェービングドリルです。

ボールをキャッチする。

ストップする。

ピボットを踏む。

ドリブルで移動する。

再びストップし、ピボットをしてパスを出す。

シュート以外のボールキープ技術が、すべて入っている練習です。

  1. 前向きで止まって前回り。
  2. 前向きで止まって後ろ回り。
  3. 後ろ向きで止まって前回り。
  4. 後ろ向きで止まって後ろ回り。

この4種類を練習します。

実際の試合では、ディフェンスの位置によって使うターンが変わります。

特にリバースターンは、自分の体を使ってボールを守れるので、プレッシャーが強い場面で有効です。

まずはディフェンスなしで正しい動きを覚え、慣れてきたらディフェンスをつけてください。

激しいプレッシャーの中でボールをキャッチし、ピボットで守り、ドリブルで相手を抜き、最後は安全にパスを出す。

この練習をくり返すことで、試合中のミスは確実に減っていくと思います。

 

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3つ目は、ドリブルなしの2対2です。

ディフェンスは激しくプレッシャーをかけます。

オフェンスはドリブルを使えません。

トリプルスレットの姿勢を崩さず、ピボットでボールを守り、味方とパスをつなぎます。

おすすめは、コートをあえて狭くすることです。

制限区域の中だけで行う。

または、フルコートを縦半分にして行う。

狭い場所ではディフェンスが有利になり、ボールを失いやすくなります。

その厳しい状況で、ボールを確実につなぐ。

これが試合で使える基礎になります。

制限区域内で行う場合は、「5回以上パスをしてからシュート」というルールを加えるとよいでしょう。

最初のパスですぐにシュートを打つのではなく、何度もポジションを取り直しながら、ボールを守り続ける練習になるからです。

ミスが減らないとき、新しい戦術を探したくなる気持ちはよくわかります。

わたし自身も、うまくいかないときほど新しい方法に目移りしてきました。

しかし、そんなときこそ見直したいのは、ボールを失わない姿勢、ストップ、ピボット、脚力です。

新しいオフェンスを覚える前に、正しく止まれているか。

ディフェンスに寄られても、落ち着いてボールを守れているか。

明日の練習で、ぜひ確認してみてください。

基礎は地味です。

しかし、時間をかけて丁寧に積み上げた基礎は、簡単には崩れません。

 

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三原学
1981年、東京都生まれ。早稲田大学大学院卒。学生時代にマネージャーとなり、バスケ指導者を志す。 22歳から高校バスケ指導を始めて、早稲田実業高校ではウインターカップ出場、関東新人大会優勝。現在は母校の安田学園高校で監督を務める。選手が主役のチーム作り「ボトムアップ理論®︎」により、日本の部活動モデル校を目指している。 2024年から早稲田大学男子バスケットボール部のヘッドコーチも務める 日々学んでいる指導体験をブログやYouTube「バスケの大学」で発信して、総フォロワーは30,000人を超える。 日本バスケットボール協会公認A級コーチ、ジュニアエキスパートコーチ。ボトムアップ理論®︎エキスパートコーチ。 月刊バスケットボールにて「まんが戦術事典」を連載中。著書多数。
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