こんにちは、三原です。いつもありがとうございます。

今日はバスケットボールのオフェンスについてお話しします。

「どのセットオフェンスを採用したらいいでしょうか?」

指導者の方から、こういう相談をいただくことがあります。

ドリブルドライブモーションがいいのか、フレックスオフェンスがいいのか。5アウトがいいのか、4アウトがいいのか。

いろいろと悩むところだと思います。

しかし、わたしは正直なところ、どのセットオフェンスを選ぶかは、それほど大きな問題ではないと思っています。

なぜなら、どんなオフェンスにも共通する基本的な理論があるからです。

その理論を理解していれば、どのオフェンスでも得点を取ることができます。逆に、その理論を理解していなければ、どんなに優れたセットオフェンスを採用しても、得点力は上がらないと思っています。

オフェンスは「破って、ついて、シュート」

わたしが大切にしているのは、吉井四郎先生の教えです。

「オフェンスとは、破って、ついて、シュートである」

非常にシンプルですが、これがオフェンスの本質だと思っています。

まず「破れ」とは何でしょうか。

ボールを持っている選手とリングを直線で結びます。この線をインラインと言います。

このインライン上にディフェンスがいなければ、破れがある状態です。

つまり、シュートを打ったり、ドライブでリングに向かったりできる状態です。

逆に、インライン上にディフェンスがいれば、まだ破れていない状態です。

これはボールを持っていない選手も同じです。

自分とリングを結んだインライン上にディフェンスがいなければ、そこには破れがあると考えます。

オフェンスの状況は、基本的に次の4つに整理できます。

  1. ボールマンもオフボールマンも破れている
  2. ボールマンだけが破れている
  3. オフボールマンだけが破れている
  4. どちらも破れていない

この4つの状況で何をするべきか。

これを選手が理解することが、セットオフェンスを覚えることよりも先だとわたしは考えています。

破れがあれば1対1、なければ2対2

まず、ボールマンに破れがある場合です。

これは簡単です。そのまま攻めればいいのです。

シュートを打つ。ドライブする。リングに向かう。

ところが試合では、せっかく破れがあるのに、リングを見ないでパスを探してしまう選手がいます。

せっかくのチャンスを見逃して、必要のないパスを出してしまう。そして、そのパスがカットされてしまう。

こういう場面は意外と多いものです。

だから、まず教えるべきことは「ボールを持ったらリングを見る」ということです。

次に、ボールマンには破れがないけれど、オフボールマンに破れがある場合です。

これはパスをすればいい。

ノーマークの味方にパスをすれば、それだけでシュートチャンスが生まれます。

問題は、どちらにも破れがない場合です。

このときは、自分でフェイントを使って抜くという方法もありますが、わたしは2対2のプレーを教えたいと思っています。

方法は大きく2つです。

1つは、パスワークです。

パスを出して動く。フェイントを使ってボールをもらう。バックドアに抜ける。リターンパスを使う。

こうしてディフェンスをずらしていきます。

もう1つは、スクリーンプレーです。

スクリーンを使って、意図的にディフェンスとのずれを作ります。

つまり、わたしが選手に伝えたいのは、

「破れがあれば1対1で攻める。破れがなければ2対2で攻める」

ということです。

この原則を理解するだけで、オフェンスはずいぶん整理されると思います。

一番よくないのは、意味のないドリブル

わたしが指導現場でよく感じるのは、破れがないのにドリブルばかりしてしまう選手が多いということです。

特に、ディフェンスが大きく下がっている場面です。

ディフェンスが下がっていれば、シュートは打ちやすくなりますが、ドライブで抜くことは難しくなります。

それなのに、何とか抜こうとしてドリブルを続けてしまう。

そして、周りの4人は動かずに見ている。

これでは、なかなか良いオフェンスにはなりません。

破れがないのであれば、パスをして動く。あるいはスクリーンを使う。

ボールを持っていない選手も、立ち止まるのではなく、ディフェンスをずらすために動く。

こうした判断ができるようになると、オフェンスは自然と動き始めます。

わたし自身、高校バスケットボールを20年以上指導する中で、フレックスオフェンスも、トライアングルオフェンスも、5アウトも、いろいろな形を試してきました。

しかし、今では以前ほどセットオフェンスの形にこだわっていません。

それよりも、選手が目の前の状況を見て判断できることの方が、はるかに価値があると考えているからです。

もちろん、5人で攻める以上、スペーシングの整理は必要です。

しかし、オフェンスの基本は1対1と2対2にあると思っています。

どのセットオフェンスにしようかと悩んでいる指導者の方は、ぜひ一度、選手たちに問いかけてみてください。

「今、どこに破れがある?」

「破れがないなら、どうやって作る?」

この2つの問いに選手が答えられるようになること。

わたしは、そこからオフェンスを教えていきたいと思っています。

セットオフェンスを覚えることと、バスケットボールの攻め方を理解することは、必ずしも同じではありません。

形を教える前に、原理を教える。

その方が、選手は自分で考えてプレーできるようになると思います。

今日のお話が、何かの参考になれば嬉しく思います。

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ABOUT ME
三原学
1981年、東京都生まれ。早稲田大学大学院卒。学生時代にマネージャーとなり、バスケ指導者を志す。 22歳から高校バスケ指導を始めて、早稲田実業高校ではウインターカップ出場、関東新人大会優勝。現在は母校の安田学園高校で監督を務める。選手が主役のチーム作り「ボトムアップ理論®︎」により、日本の部活動モデル校を目指している。 2024年から早稲田大学男子バスケットボール部のヘッドコーチも務める 日々学んでいる指導体験をブログやYouTube「バスケの大学」で発信して、総フォロワーは30,000人を超える。 日本バスケットボール協会公認A級コーチ、ジュニアエキスパートコーチ。ボトムアップ理論®︎エキスパートコーチ。 月刊バスケットボールにて「まんが戦術事典」を連載中。著書多数。
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