こんにちは、三原です。いつもありがとうございます。

高校2年生の女子選手、しかもキャプテンをしている方から、とても真剣な質問をいただきました。

「考えながらバスケができるようになりたいです。練習後には毎回、何がダメだったのか、どうすればよかったのかを記録しています。それでも試合中の判断が曖昧です。コーチからも『もっと考えろ』と言われました。どうすれば、もっと深く考えられるようになりますか?」

文章から、本気でうまくなりたいという気持ちが伝わってきました。

わたしから伝えたいことは2つあります。

まず「何を求められているか」を確認する

いくら一生懸命考えていても、自分が頑張っている方向と、チームから求められていることがズレていたら、コーチからは「もっと考えて」と言われてしまうかもしれません。

以前、ある役者さんから「いい役者は3つの真ん中にいる」と聞いたことがあります。

  • 自分がやりたいこと
  • 相手の反応
  • 脚本に合っていること

この3つです。

これはバスケットボール選手も同じだと思っています。

例えば、自分は「もっと点を取りたい」と思って、毎朝シュート練習をしている。でもチームから期待されているのは、スクリーンをかけたり、味方を生かしたりする役割かもしれません。

シュート練習を頑張ること自体は悪くありません。ただ、求められているものと違えば、努力の方向がズレてしまいます。

だから、まずコーチに聞いてみてください。

「わたしには、何を求めていますか?」
「どういうプレーをしてほしいですか?」

ここを明確にすることが最初です。

そして指導者側も、選手からそう聞かれたときに、

「それは自分で考えなさい」

で終わらせてはいけないと、わたしは思っています。

主体性とは、何も教えないことではありません。

選手が考えるための土台を示すことも、指導者の役割です。

「反省する」だけでは思考は深まらない

質問者さんは、毎回練習ノートを書いているそうです。これはぜひ続けてほしいです。

ただ、

「今日はリバウンドを取れなかった。次は頑張る」

だけでは、なかなか行動は変わりません。

そこでおすすめしたいのが、

「下」
「横」
「上」

の3方向に考えることです。

例えば「リバウンドを取れなかった」という出来事があったとします。

まず「下」に掘ります。

  • なぜ取れなかった?
  • ボールをつかめなかった
  • なぜつかめなかった?
  • ジャンプが遅れた
  • なぜ遅れた?
  • 一瞬、別のところを見ていた

こうやって「なぜ?」を3〜5回繰り返すと、最初は「リバウンドが取れなかった」という問題だったものが、実は「ボールから目を離してしまう」という別の問題だったことに気づくかもしれません。

次は「横」です。

「似たようなことはなかったかな?」

と考えます。

そういえば前の試合でも、マークマンばかり見ていてヘルプが遅れた。

オフェンスでも、味方を見ていて飛んできたパスに気づくのが遅れた。

そうすると、

「もしかすると、わたしはボールを見る時間が少ないのかもしれない」

という自分の傾向が見えてきます。

そして最後が「上」です。

「じゃあ、どうする?」

ここまで考えて初めて、次の行動につながります。

「今週は、ボールから目を離さないことをテーマに練習してみよう」

これなら具体的です。

そして1週間やってみて、また振り返る。

この繰り返しで、少しずつ「考える力」は深くなっていくと思います。

「もっと考えろ」ではなく、考え方を知る

わたし自身は、赤羽雄二さんの『ゼロ秒思考』を参考に、A4用紙へ毎日メモを書いています。

頭の中だけで考えていると、同じところをぐるぐる回ってしまいます。

でも紙に書くと、

  • なぜ?
  • 似たことは?
  • じゃあどうする?

と、思考を前に進めやすくなります。

今回質問をくれた高校生は、すでに練習後に自分から振り返りを書いています。

だから、その習慣をやめる必要はまったくありません。

むしろ、そこに少しだけ「考え方」を加えてみてください。

「もっと考えろ」と言われても、何をどう考えるのかわからなければ困ります。

だからこそ、

  1. まず「自分に何が求められているのか」を確認する
  2. 「なぜ?」と掘る
  3. 「似たことは?」と横に広げる
  4. 「じゃあどうする?」と次の行動に変える

これを続けていけば、練習ノートは単なる反省日記ではなく、次のプレーを変えるためのノートになっていくと思います。

残された高校生活の時間は限られているかもしれません。

でも、考え方が変われば、練習の1日1日の濃さは変えられます。

応援しています。


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ABOUT ME
三原学
1981年、東京都生まれ。早稲田大学大学院卒。学生時代にマネージャーとなり、バスケ指導者を志す。 22歳から高校バスケ指導を始めて、早稲田実業高校ではウインターカップ出場、関東新人大会優勝。現在は母校の安田学園高校で監督を務める。選手が主役のチーム作り「ボトムアップ理論®︎」により、日本の部活動モデル校を目指している。 2024年から早稲田大学男子バスケットボール部のヘッドコーチも務める 日々学んでいる指導体験をブログやYouTube「バスケの大学」で発信して、総フォロワーは30,000人を超える。 日本バスケットボール協会公認A級コーチ、ジュニアエキスパートコーチ。ボトムアップ理論®︎エキスパートコーチ。 月刊バスケットボールにて「まんが戦術事典」を連載中。著書多数。
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