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「負けはすべて私の責任です」と言えますか? 【バスケの大学・三原学】

こんにちは、三原です。いつもありがとうございます。

この記事はラジオの原稿です。

※音声で聞きたい方はこちら

「負けはすべて私の責任です」と言えるか?

こんにちは、三原です。
今日のテーマは、「負けはすべて私の責任です」と言えるかどうか、について。

この話をしようと思ったのは、Voicyのコメント欄に「指導者が負けたのはすべて私の責任です」と言うことに違和感がある、という声があったからです。

確かに、試合に負けた後に「すべては私の責任です」と言う監督やコーチは多いです。
私もこれまでに何度もそう言ったことがありますし、実際にそう思ったこともあります。

でも、この言葉を本当に深く考えてみると、なかなか重たいものがありますよね。


「負けは指導者の責任」って、本当なのか?

バスケットボールに限らず、スポーツの世界では「成長はすべて選手自身の責任」という考え方もあります。
結局は本人次第で、努力した人が伸びるし、そうでない人は伸びない。
だから、指導者が「負けたのは私の責任」と言ってしまうと、選手の成長に対する意識を弱めるのでは?という指摘もあります。

それは確かに一理あります。

でも、だからと言って「負けは選手の責任」と言うのは、違うと思うんですよね。
チームスポーツである以上、指導者の責任は大きい。
だからこそ、負けをすべて自分の責任とするのは、指導者として立派な姿勢だとも言えます。


スラムダンクに見る「負けは監督の責任」

このテーマを考えるとき、やっぱり 『スラムダンク』 の陵南高校・田岡監督の姿が思い浮かびます。

全国大会を懸けた神奈川県予選で、陵南は湘北に敗れました。
試合後、田岡監督はインタビューでこう言います。

「敗因はこの私。陵南の選手たちは最高のプレイをした」

そして、「桜木と小暮を軽視していた」と、相手の実力を見誤った自分の采配ミスを認めています。

この言葉がすごいのは、本当に選手たちが最高のプレイをしたからこそ、田岡監督が責任を負える ということ。
選手たちは全力を尽くし、監督の示した戦術通りに戦いました。
でも、それでも負けたのは、監督の読み違えがあったから。

だから、指導者として「負けは自分の責任だ」と言い切れるんですよね。

このシーンを見ても、「負けは指導者の責任」という言葉は決して軽いものではなく、それを本当に言えるようになるには、相応の準備と努力が必要だと感じます。


「終わりを描くことから始めよう」

ここで、私の好きな本『7つの習慣』の話をしましょう。
この本には「終わりを思い描くことから始めよう」という習慣があります。

たとえば、自分のお葬式を想像してみる。
そのときに、どんな人がどんな表情で集まってくれるか?
どんな言葉を残してくれるのか?

そう考えることで、自分がどう生きるべきかが見えてくる、という考え方です。

では、スポーツにおける「終わり」は何か?
それは「引退の瞬間」です。

ほとんどの選手は、最後の試合で負けて引退します。
そのとき、指導者として「負けはすべて私の責任です」と言えるかどうか。
これが、指導者の覚悟を試される場面なのかもしれません。


「負けは私の責任」と言える指導者になるために

この言葉を本気で言うためには、次のようなことをしっかりとやっておく必要があります。

  • ビジョンを示す
    「こうすれば勝てる」という明確なビジョンを選手に伝える。

  • 具体的な練習を行う
    そのビジョンを達成するために、具体的な練習計画を立て、実践する。

  • 選手との合意形成
    選手が納得し、自分の意志で練習に取り組むようにする。

  • 試合で迷いなくプレイできる状態を作る
    練習の成果を、試合で100%発揮できるよう準備する。

これらすべてをやり切った上で、それでも負けたならば、指導者は「負けはすべて私の責任です」と胸を張って言えるはずです。


まとめ:本当に責任を取るとは?

「負けは私の責任です」という言葉を軽々しく言うのではなく、本当にその責任を負うための準備をし続ける。
そういう指導者になりたいし、そういう指導者こそが、本当にチームを成長させるのではないかと思います。

田岡監督のように、選手が最高のプレイをした上で「負けは私の責任」と言える指導者になる。
そのために、今日も明日も、指導者として全力で準備し続ける。

みなさんはどう考えますか?

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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三原学
1981年、東京都生まれ。早稲田大学大学院卒。学生時代にマネージャーとなり、バスケ指導者を志す。 22歳から高校バスケ指導を始めて、早稲田実業高校ではウインターカップ出場、関東新人大会優勝。現在は母校の安田学園高校で監督を務める。選手が主役のチーム作り「ボトムアップ理論®︎」により、日本の部活動モデル校を目指している。 2024年から早稲田大学男子バスケットボール部のヘッドコーチも務める 日々学んでいる指導体験をブログやYouTube「バスケの大学」で発信して、総フォロワーは30,000人を超える。 日本バスケットボール協会公認A級コーチ、ジュニアエキスパートコーチ。ボトムアップ理論®︎エキスパートコーチ。 月刊バスケットボールにて「まんが戦術事典」を連載中。著書多数。
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