戦術講座

プレスブレイク プレスディフェンスされたときボールを運ぶ方法 【バスケ戦術講座 第7回】

こんにちは、三原です。

前回、プレスディフェンスのことを解説しました。

試合で負けているとき、もう一度勝負をかける必要があるから、プレスは必ず練習しておこう。そんな話をしましたね。

ということは、逆にいうと、プレスを運べないと負けるってことです。

なのでプレス運びは、めちゃくちゃ大事です。

ぜひこの考え方で練習してみてください。

必ずプレス運びが得意になるはずです。

YouTubeでも解説しています。

音声だけでも理解できますので、ぜひ聞き流しでもしてください。

 

オールコートをハーフコートに見立てろ

一番大切な考え方を最初に言います。

プレスを運ぶときは、オールコートをハーフコートに見立てましょう!

とどのつまり、こういうことです。

  • センターラインをフリースローラインだと思う
  • センターサークルをフリースローサークルだと思う
  • その下を、制限区域だと思う

これだけでも、プレス運びの考え方は変わるはずです。

フラッシュポストを使え

ハーフコートオフェンスで、ウイングにパスエントリーしようとした。

でもそこにディフェンスがディナイした。

どうしますか?

きっと、ハイポストにフラッシュして、パスをつなぐことでしょう。

で、バックドアに走り込みますよね。

よくある「うら」のプレイです。

バウンドパスが通って、ナイッシュー!!ですね。

これとまったく同じように、プレスを運べばいいんです。

まず、オールコートをハーフコートに見立てます。

パスが2に入ったら、逆サイドのポストから「ハイポスト(に見立てたセンターサークル)」にフラッシュです。

ここにパスが入らなければ、2から「1→3」へとパスを飛ばしましょう。

そして逆サイドの4がフラッシュします。

ハイポストに入ったら、これもハーフコートオフェンスと同じです。

バックドアに抜けましょう。

また、5は「ハイローポスト」のように、さらにつなぎに上がってもいいでしょう。

こんな形で、ハイポストフラッシュを使っていけばプレスは運べるはずです。

ゾーンでもマンツーでも、同じで大丈夫です。

プレスはライン際にボールを追い込むのが目的なので、コートの真ん中にパスをつながれると崩壊します。

なので、ハーフコートオフェンスと同じように、ハイポストフラッシュを使いましょう。

ホームランパス

もうひとつの運びが、ホームランパスです。

パスインから思いっ切りディナイされて、スローインもままならない。

こんなときは下からバックスクリーンします。

そこにビヨーンとロングパスを投げます。

ディフェンスががんばればがんばるほど、これは引っかかります!

あ、いま気づきましたが、1がドリブルしちゃってます。。。

これもちろん、パスです。

波線じゃなく、点線です。

スローインの人がこんなドリブルをし始めたら、ギャグですねww

プレイの本質は伝わったことと思うので、ご容赦くださいませ。

1-4に並ぶのも有効

ホームランパスのやり方として、もうひとつあるのは、1-4に並ぶことです。

こうすると、ディフェンスがまじめにマッチアップしたら、うらがガラ空きですよね。

知らん顔して走り込んで、ホームランパスです。とりゃ!!

1-4に並ぶメリットは、相手のプレスがマンツーマンなのか、ゾーンなのかよくわからないとき、見分けることができるんです。

1-4に並んで、4人全員にディフェンスがついてきたら「マンツー」です。

逆にゾーンであれば、両サイドのオフェンス(2と3)には誰もディフェンスがつかないはずです。

これを見分けるために、1-4に一度立ってみるのは良い方法です。

プリンストン大学の勝ちパターンから学ぼう

以上が、プレス運びのやり方です。

最後に、エピソードを1つ。

有名なプリンストン大学です。

プリンストン大学といえば、バックドアが世界一うまいチームとして有名ですよね。

プリンストンは学業成績が非常に優秀な大学なので、スポーツ推薦のリクルートで選手を集めることができません。

運動能力がそんなにないチームなわけですよ。

だから対戦相手は、プレスではめて弱いものいじめをしようとやってきます。

ところがどっこい、プリンストンはめちゃくちゃプレス運びがうまいんですよ!

だから突破されてレイアップに行かれちゃう。

じゃあ「中を固めよう!」と下がると、バシャバシャと3ポイントを決めちゃう。

じゃあ「打たせるな!」とふくらめば、がんがんとバックドアを決めちゃう。

すべてを後手に回す力があるんですね。

能力に劣っても、こんなふうにパス回しとボール運びは練習すればうまくなります。

わたしも、自分のチームをプリンストンのように魅力あるチームにしたいですね。

それでは、また!

ABOUT ME
三原学
1981年、東京都生まれ。早稲田大学大学院卒。学生時代にマネージャーとなり、バスケ指導者を志す。 22歳から高校バスケ指導を始めて、早稲田実業高校ではウインターカップ出場、関東新人大会優勝。現在は母校の安田学園高校で監督を務める。選手が主役のチーム作り「ボトムアップ理論®︎」により、日本の部活動モデル校を目指している。 2024年から早稲田大学男子バスケットボール部のヘッドコーチも務める 日々学んでいる指導体験をブログやYouTube「バスケの大学」で発信して、総フォロワーは30,000人を超える。 日本バスケットボール協会公認A級コーチ、ジュニアエキスパートコーチ。ボトムアップ理論®︎エキスパートコーチ。 月刊バスケットボールにて「まんが戦術事典」を連載中。著書多数。
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