コーチング

上質なパス、ドリブル、ディフェンスの定義 バスケットボールのファンダメンタルをわかりやすく

こんにちは、三原です。いつもありがとうございます。

動画で学びたい方はこちらです。音声の聞き流しだけでも学べるようにつくってあります。

わたしは現在、東京の安田学園で高校生の男子バスケ部を教えています。

指導者として大事にしているのは、生徒主体の「ボトムアップ理論」です。

  • みんなが主役
  • みんなで成長
  • いきいきした組織

をモットーに、令和時代の部活動モデル校を目指しています。

この記事をお読みのあなたは、こんな悩みをお持ちのことでしょう

  • 選手がなかなかうまくならない
  • 教えたことをできるようにならない
  • 選手のレベルがちがって練習がうまく進まない

昔のわたしもそうでしたが、この記事でお伝えする内容を意識して指導するようになってから、このような悩みはなくなりました。

特にパス、ドリブル、ディフェンスのファンダメンタルについて、選手が主体的に上達する方法についてお話しします。

ぜひ最後までお読みください。

技術の定義が必要

今回の参考文献はこちらです。

わたしの尊敬する鈴木良和さんの本です。

(下の画像はクリックできます)

生徒に考えさせて、主体的にプレイするためには、「よい技術とは何か」という定義が最も大事です。

もしあなたのチームで、選手たちに次の質問をしたら、みんなはなんて答えるでしょうか?

良いパスって、何ですか?

これについていろんな答えが返ってくることでしょう。

強いパス!

速いパス!

取りやすいパス!

いろいろ返ってくると思います。

これで大事なことは、何が正解かではありません。

うちのチームでは「これを正解にしますよ」と決めておくことです。

ここ大事なので、もう一度言います。

うちのチームでは「これを正解にしますよ」と決めておくことです。

つまりは同じ絵を見るということ。

有名なだまし絵です。

見方によっては、若い美女にも見えます。

そして、老婆にも見えます。

あなたはどちらに見えたでしょうか?

バスケでいえば、同じプレイを見ても「いいな」と思うポイントが人によってずれるということです。

なので「良いパスしようぜ」と言ったところで、何が良いパスなのかがみんなバラバラなんです。

これがふつうなんですが、チームでプレーをすることを考えたら、やっぱり同じ絵を見ていた方が良い。

そこで大事なのが「技術の定義」です。

先のだまし絵でいえば、うちのチームではこれを「美女」としてみましょう。と決めておく。

そうすれば「この絵は何ですか?」と聞かれたときに、みんなが迷わず「美女です」と答えられる。

つまりチームで

良いパスとは、こういうことです。

良いドリブルとは、こういうことです。

良いディフェンスとは、こういうことです。

と決めておけば、努力の方向がみんな一緒になるってことです。

練習をしても上達しない。

なかなか指導者の意図が伝わらない。

その理由は練習不足や練習方法ではなく、技術の定義ができていないからかもしれません。

 

これからパス、ドリブル、ディフェンスのファンダメンタルにおけるわたしなりの定義をお伝えします。

鈴木良和さんをはじめ、JBAの指導者講習会などで教わった影響を強く受けています。

この記事を書いている時点で、わたしなりにベストな定義です。

ただこれをあなたにも真似をしてほしくはありません。

あなた自身が考察することに意味があります。

定義は人によって違くて良いからです。

あなたの参考になれば嬉しいです。

良いパスの定義

わたしは良いパスを

時間を奪わないパス

と定義しています。

言い換えると

速くて正確

ということです。

時間を奪わないというのは

  • パスを出すのも、余計なモーションがない
  • キャッチする人も、すぐに次の動作に移れる

ということです。

このパスを見てください。

またパスを出すタイミングも、チャンス局面になったらその瞬間を逃さずパスが出せることが大事です。

チャンスを逃さずにパスを出すプレーはこちら。

投げ方では決してないということです。

チェストパスが基本とか、そういうことではありません。

年代ごとに身につけるスキル段階は、次のように考えています。

良いドリブルの定義

上質なドリブルとは

ボールを奪われない

ペイントアタックできる

という2つです。

ペイントアタックできても、ボールを奪われてはいけません。

また、いろいろなハンドリングスキルがあっても、ペイントアタックにつながらなければ上質とは言えません。

わたしの考える上質なドリブルはこちらです。

ボールを奪われず、ペイントアタックできる。

クロスオーバーとかレッグスルーとか、いろいろあります。

でもそれは手段であり、目的ではありません。

目的は「ボールを奪われず、ペイントアタックできる」です。

すばらしいドリブルは次のようなものもあります。

ドリブルの年代別スキルは、次のようなものです。

 

良いディフェンスの定義

良いディフェンスは

カバーに頼らず、1対1で守り切る

相手を苦しめることができる

この2つです。

相手を苦しめるってのは、「期待値の低いプレーをさせる」ということ。

このようなディフェンスこそ、上質です。

わたしは今まで、良いディフェンスとは「1対2をつくること」と教えてきました。

でもそれは、今となってはちがうかな、と思います。

1対2をつくると、オフェンスが上質ならば必ずチャンスをつくられるからです。

なので今は、1対1で止めきるディフェンスこそが上質という定義をしています。

あまりチームディフェンスに頼りすぎると、この力が育たないです。

指導者がそのあたりも見極めて、育成すべきでしょう。

期待値を上げる、下げるで考えよう

以上となりますが、プレイのファンダメンタルを考えるときに「期待値」というキーワードを理解してください。

期待値とはこちら

オフェンスならばそのプレイが期待値を高めているか?

ディフェンスならば相手の期待値を下げているか?

この観点で技術を定義すれば、選手は主体的に自分でプレーを選択、判断できます。

そして振り返りもできるようになるので、ボトムアップ思考も育つようになりますよ、というお話です。

 

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わたしたちは東京都墨田区にある私立の進学校です。

  • 平日は月・水・木の16時から
  • 土曜日は午後
  • 日曜日は午前か午後のどちらか

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活動内容はこちらのページもご覧ください。

https://coach-mm.com/yasuda/

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ABOUT ME
三原学
1981年、東京都生まれ。早稲田大学大学院卒。学生時代にマネージャーとなり、バスケ指導者を志す。 22歳から高校バスケ指導を始めて、早稲田実業高校ではウインターカップ出場、関東新人大会優勝。現在は母校の安田学園高校で監督を務める。選手が主役のチーム作り「ボトムアップ理論®︎」により、日本の部活動モデル校を目指している。 2024年から早稲田大学男子バスケットボール部のヘッドコーチも務める 日々学んでいる指導体験をブログやYouTube「バスケの大学」で発信して、総フォロワーは30,000人を超える。 日本バスケットボール協会公認A級コーチ、ジュニアエキスパートコーチ。ボトムアップ理論®︎エキスパートコーチ。 月刊バスケットボールにて「まんが戦術事典」を連載中。著書多数。
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