バスケットボールコーチ・三原学のブログ

パックライン・ディフェンス わかりやすく

2019/04/19
 
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三原 学
高校のバスケットボールコーチ。中学高校の教諭。 日本バスケットボール協会公認B級コーチ、およびB級審判員。 東京都を中心にバスケットボールの普及、強化にあたる。 バスケットボール、子育て、教育に役立つ情報をブログで発信。 座右の銘は「即断・即決・即行動」。

こんにちは、三原です。

お読みくださり、感謝しています。

今回は「パックライン・ディフェンス」というお話をさせて頂きます。

「パックライン(pack line)」という名のディフェンス。

あまり耳慣れないかと思います。

一言で言えば、「小さく守るマンツーマンディフェンス」という戦術です。

 

これはアメリカのバージニア大学でヘッドコーチをしているトニー・ベネットさんが考案した変則的なマンツーマンディフェンスです。

私自身は、この考え方を2016年に知りました。

実際に、私は自分のチームでパックラインをメインのディフェンスにして指導したことはありません。

しかし、その考え方はとても面白く感じました。

試合でマンツーマンとゾーンを両方使うように、試合の一部分だけパックラインを行うという戦術は、相手によっては機能すると思いますし、面白いと思います。

 

この文章を書いている2019年4月、バージニア大学が初のNCAAトーナメント優勝を成し遂げました。バージニアの試合をすべて見たわけではありませんが、ハイライトで見る限り、パックラインディフェンスを行っていました。「自分たちは特別な作戦で戦っているんだ!」という気持ちは、選手の士気を高めます。パックラインディフェンスの導入は、おそらくバージニア大学の選手たちの士気高揚になり、戦術的な面のみならず、精神的な面でも大きな武器になったものと思われます。

私自身が知っている範囲ではありますが、今日はその概要を説明したいと思います。

 

【パックラインとは?】

簡単に言えば「3Pラインの1m内側にある仮想線」です。

図のようなイメージになります。

パックラインディフェンスでは、この「パックライン内」だけを小さく守ります。

 

【目的】

小さく守りますので、インサイドのポストプレイやドライブにカバーがしやすいです。

また、1人で無理に守らなくても良いので、ファウルも減らせると思います。

この狙いで、通常はゾーンディフェンスをすることが多いはずです。

しかし、パックラインは「ゾーンのように見えるマンツー」なので、単なるゾーンよりも相手が混乱しやすいという利点があります。

 

【約束事】

  • ボールにはワンアームでつく。
  • ボールの隣はディナイしない。
  • ボールはミドルに誘導する。

これが主な約束です。では、それぞれ詳しく見ていきましょう。

(1)ボールにはワンアームでつく。

パックラインディフェンスでは、仮想線のパックラインより外にはでないのが原則です。しかし、ボールマンは別です。ボールマンがどこにいても、腕一本分の距離(ワンアーム)でマッチアップします。ボールマンも離してしまうと、まったくプレッシャーを与えることができないからです。

(2)ボールの隣はディナイしない。

1がボールを持っていれば、通常は隣の2と3はディナイするものです。しかし、パックラインではドリブルのヘルプを第一優先ですから、ディナイはしません。

イメージとしては、ボールが太陽だとして、ボールマンのディフェンスの影ができた時、その影を踏むような場所までヘルプに寄ります。これを「シャドー」と言い、隣は「シャドーに入れ」という合言葉で指導します。

(3)ボールはミドルに誘導する

通常のマンツーマンディフェンスでは、サイドライン、エンドラインにボールを誘導するためにノーミドルで守ります。しかし、パックラインでは逆で、味方が多くいるミドルにドリブルさせるように方向づけをします。

ただし、次の5か所だけは、ドリブルで通過されてはいけません。

  • 左右の「ブロック
  • 左右の「エルボー
  • プラグ」 フリースローラインの中央

ここを通過されると、良いシュートにつながるので、ここは絶対に止めましょう。これはパックラインに限らないことだと思います。

 

【パックラインの使い分け】

以上がパックラインディフェンスの概要ですが、通常のマンツーマンディフェンスとは相反する考え方で成り立っているディフェンスです。

有限な時間の中で高校生に指導するとき、私は多くのディフェンスを準備するより、1つを徹底した方が良いと思いますし、選手が混乱してしまうのを避けるため、2つのマンツーマンを指導したことはありません。

しかし、考え方として、ゴールを守るパックラインと、ボールを取りに行くディナイと2つのディフェンスを使い分けることは、面白い作戦だと思います。

たとえば、

  • リードされていて追い上げたい
  • 相手のボール運びが弱点だと思う

この時は「ディナイ」のディフェンスをする。

  • リードしているので、相手に時間をかけさせたい。
  • 相手は外のシュートが苦手。
  • ファウルが混んでいる。
  • リバウンドを重視したい。

この時は「パックライン」のディフェンスをする。

これらをベンチからのサインなどで自由自在に使い分けられれば相手は嫌がること間違いなしです。ぜひ参考にしてください。

なお、すべての戦術は基本の上に成り立つと言うことを忘れないようにしましょう。練習では、年齢が低ければ低いほど、1対1の攻防を大切にしてください。

最後までお読みくださり、感謝しています。

三原学でした。

それでは、また。

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三原 学
高校のバスケットボールコーチ。中学高校の教諭。 日本バスケットボール協会公認B級コーチ、およびB級審判員。 東京都を中心にバスケットボールの普及、強化にあたる。 バスケットボール、子育て、教育に役立つ情報をブログで発信。 座右の銘は「即断・即決・即行動」。

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