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スタメンの決め方 24-11-11 #420

こんにちは、三原です。いつもありがとうございます。

この記事はラジオの原稿です。

この放送は、Voicyでお話ししています。ぜひお聞きください

 

スタメンの決め方 〜ベストメンバーをスタメンにしない理由〜

今日は「スタメンの決め方」についてお話しします。

結論から言うと、ベストメンバーをスタメンにしないのが理想です。 意外に思われるかもしれませんが、ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです。

NBAレイカーズから学ぶスターター論

最近、NBAのレイカーズの試合を見ていて考えさせられることがありました。

デアンジェロ・ラッセルというオールスター級の選手を、突如ベンチに下げたんです。

フィラデルフィア76ersとの試合で、116-106で勝利。この勝利で連敗を2でストップさせました。

一見すると「なんでこんな大事な試合でラッセルをベンチに?」と思いますよね。

でも、JJレディックヘッドコーチの説明が印象的でした。

「単にラッセルが悪いという話ではない。ポジションのバランスを考えて、セカンドユニットの得点力を上げるため」

オースティン・リーブスとレブロン・ジェームズという、すでに2人のボールハンドラーがいる中で、ラッセルというハンドラーをベンチに置くことで、よりバランスの取れた陣容になる。

これは本当に納得できる判断でした。

スタメン≠ベストメンバーという考え方

ここで私が言いたいのは「スタメン5人=ベストな5人」ではないということです。

むしろ、頼れる選手はベンチに置いておいた方がいい。

そう私は考えています。

なぜなら、バスケットボールの試合は40分という長丁場だからです。

この40分を戦い抜くには、ベンチの底上げが必要不可欠です。

特に後半の終盤、いわゆるクランチタイム。ここで勝負を決めるには、ベンチの選手の力が重要になってきます。

理想のスタメンの組み方

では、どうやってスタメンを組むのか。

私の場合は、こんな感じです。

・ボールハンドラー2人
・シューター2人(ドライブ得意な人と3P得意な人)
・ビッグマン1人

これが基本形です。

ただし、これは絶対ではありません。

・ハンドラー1人
・シューター2人
・ビッグマン2人

というパターンもありです。

大事なのは「自分のチームのスタイルにあったポジションバランス」です。

最近のバスケットボールは、全員がシュートを打てて、全員がドリブルできる、いわゆるポジションレスが主流です。

でも、それは一部のトップレベルだけの話。

むしろ高校生や中学生のレベルでは、明確なポジション分けをした方が、選手も動きやすいし、チームとしても機能しやすい。

そう私は考えています。

なぜ頼れる選手をベンチに置くのか

頼れる選手とは:

・3Pがチームで1番

・ディフェンスがチームで1番

・勝負強い

・メンタルが強い

・球際の強さがある

・重要な場面で外さない

こういう選手です。

そして、こういう選手をベンチに置く理由は大きく2つあります。

1つは「必要なタイミングで投入できる」から。

試合の流れを読んで、「ここぞ」というときに投入できる。これは大きな武器になります。

もう1つは「ベンチの底上げになる」から。

ベンチメンバーの中に、頼れる選手がいることで、チーム全体の底上げになります。練習でも、試合でも。

逆に、調子の波がある選手はスタメンの方がいい。

最初から出て、その日の調子を確認できる。それによって、その後の采配も変えやすくなります。

選手との対話が不可欠

ただし、ここで1つ大きな問題があります。

選手は誰でもスタメンで出たがります。

これは当たり前の心理です。

「スタメンに入れない=自分は必要とされていない」

と感じてしまう選手も多いでしょう。

なので、大事なのは「対話」です。

私がよく選手に話すのは:

「スタートの5人に価値があるんじゃない」 「ラスト5分にコートにいることが一番価値がある」

ということです。

前半は様子見の時間。

でも、クランチタイムで使える選手になってほしい。

ベンチスタートでも、最後の5分で勝負を決められる選手の方が、チームにとっては価値があるはずです。

この考えを、普段から選手に伝えることが大切です。

まとめ:バランスとコミュニケーション

このように、スタメンの決め方は単純に「強い選手を並べる」ではありません。

・ポジションバランス ・チーム全体の底上げ ・選手との対話 ・試合の40分を見据えた采配 ・クランチタイムを意識した人選

これらを総合的に考えながら決めていく必要があります。

完璧な答えはないと思います。

チームの状況も、選手の性格も、みんな違います。

だからこそ、指導者として「自分の信じる形」を持つことが大切です。

今回お話しした内容が、少しでもあなたのヒントになれば嬉しいです。

コーチングにスペシャルレシピはありませんが、一緒に考えていけたらと思います。

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三原学
1981年、東京都生まれ。早稲田大学大学院卒。学生時代にマネージャーとなり、バスケ指導者を志す。 22歳から高校バスケ指導を始めて、早稲田実業高校ではウインターカップ出場、関東新人大会優勝。現在は母校の安田学園高校で監督を務める。選手が主役のチーム作り「ボトムアップ理論®︎」により、日本の部活動モデル校を目指している。 2024年から早稲田大学男子バスケットボール部のヘッドコーチも務める 日々学んでいる指導体験をブログやYouTube「バスケの大学」で発信して、総フォロワーは30,000人を超える。 日本バスケットボール協会公認A級コーチ、ジュニアエキスパートコーチ。ボトムアップ理論®︎エキスパートコーチ。 月刊バスケットボールにて「まんが戦術事典」を連載中。著書多数。
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