こんにちは、三原です。いつもありがとうございます。

今回は、中学女子の保護者の方からいただいた質問です。

「5アウトや4アウトで、娘はコーナーにいることが多いです。本当にコートの隅にいて、ディフェンスの影に隠れているように見えます。もう少し高い位置にいた方がいいのでは?と思うのですが、コーナーにいる意味がわからず、モヤモヤして見ています」

チームの戦術によってもちろん違いはありますが、わたしは「コーナーにいること自体が、チームへの大きな貢献になっている」と考えています。

コーナーにいるだけで、コートは広くなる

バスケットボールは5対5ですが、人数が少ないほどスペースが広くなり、オフェンスは攻めやすくなります。

3対3の方が5対5より広い。2対2ならさらに広い。

そこで、オフェンスの1人をコーナーの深い位置に置きます。

すると、その選手を守るディフェンスもコーナー方向に引っ張られます。

つまり、その2人をいったんプレーの中心から外すことで、実質的に中央を4対4、あるいは3対3のような広い状況にできるわけです。

コーナーの選手がボールに触っていなくても、その選手がいることで真ん中が広がり、ガードのドライブやスクリーンプレーがやりやすくなります。

たとえばガードがドライブしたとき、コーナーのディフェンスがカバーに出れば、コーナーはノーマークです。

そこでパスを受けて3ポイントを決める。

反対に「この選手には打たせられない」とディフェンスがコーナーから離れなければ、ガードがそのままレイアップに行けます。

つまり、ボールを触らず、動いていないように見えても、そこに立っているだけでディフェンスを引きつけているんです。

「ディフェンスの影に隠れているように見える」というのは、ある意味では作戦がうまくいっているとも言えます。

ただ立つだけではなく、バックカットを狙う

とはいえ、「本当にずっと立っているだけでいいの?」と思う気持ちもよくわかります。

もちろん、動くチャンスはあります。

その1つがバックカットです。

ガードがドライブしたとき、コーナーを守っているディフェンスが早めにカバーに寄ってくることがあります。

その瞬間、コーナーの選手がディフェンスの背中側をすっと抜けてゴールに向かう。

これがとても効果的です。

バックカットを何度か見せると、ディフェンスは簡単にコーナーから離れられなくなります。

すると今度は、ガードのドライブが空いてきます。

「バックカットを警戒すればドライブされる。でもドライブを助けに行けばバックカットされる」

そんな状態を作れると、オフェンスはかなり楽になります。

だからコーナーでは、ただ休んでいるのではなく、「いつバックカットするか」を常に狙いながらスポットしておくことが大事です。

わたしはコーナーから45度へ上がる動きも教えます

わたし自身が高校生を教えるときは、「ずっとコーナーにいなさい」とはあまり言いません。

速攻では、まず深いコーナーまで走ることを教えます。

ガードがそのままレイアップに行けるようにコートを広げる。そしてディフェンスが寄れば、コーナーでシュートを狙うためです。

ただ、セットオフェンスになったら、そこから45度の位置へ上がってくる「リフト」も使います。

わたしは、ドリブルばかりのオフェンスより、パスがつながっていくオフェンスが好きです。

コーナーから45度へ上がれば、ガードからパスを受けられる。

そのパスだけでディフェンスが少しずれ、クローズアウトを攻められるかもしれない。

さらにポストへパスが入り、そこからカットが生まれるかもしれない。

こうしてオフェンスが次々につながっていきます。

ですから、コーナーにいる選手が磨きたい技術は、まずスポットアップのシュート。

そしてバックカットのタイミング。

さらに、45度へリフトしてからの1対1やパスです。

コーナーにいると、どうしても「何もしていない」ように見えるかもしれません。

でも、実際にはその選手がいることでスペースが生まれ、味方が攻めやすくなっていることがあります。

ボールを持っている選手だけがオフェンスを作っているわけではありません。

オフボールの選手がどこに立ち、どのタイミングで動くか。

そこに注目して試合を見ると、バスケットボールはもっとおもしろくなると思います。

ぜひ、コーナーにいる選手の「見えない貢献」にも注目してみてください。


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ありがとうございました。それでは、また。

ABOUT ME
三原学
1981年、東京都生まれ。早稲田大学大学院卒。学生時代にマネージャーとなり、バスケ指導者を志す。 22歳から高校バスケ指導を始めて、早稲田実業高校ではウインターカップ出場、関東新人大会優勝。現在は母校の安田学園高校で監督を務める。選手が主役のチーム作り「ボトムアップ理論®︎」により、日本の部活動モデル校を目指している。 2024年から早稲田大学男子バスケットボール部のヘッドコーチも務める 日々学んでいる指導体験をブログやYouTube「バスケの大学」で発信して、総フォロワーは30,000人を超える。 日本バスケットボール協会公認A級コーチ、ジュニアエキスパートコーチ。ボトムアップ理論®︎エキスパートコーチ。 月刊バスケットボールにて「まんが戦術事典」を連載中。著書多数。
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