2026年バスケ戦術

マンツーマンは実は4種類ある

こんにちは、三原です。いつもありがとうございます。

今日は、マンツーマンディフェンスの種類についてお話しします。

「ディフェンスは、マンツーマンかゾーンか」

このくらいの分け方で考えている方は多いと思います。

しかし、マンツーマンの中にも、いくつかの考え方があります。わたしは、大きく4種類に分けて考えています。

この違いを知っておくと、選手に対して、ただ「頑張って守ろう」と伝えるだけではなくなります。

相手の特徴や試合の状況に合わせて、守り方を変えられるようになるからです。

 

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なぜディフェンスに時間をかけるのか

ディフェンスは、オフェンスに比べて好不調の波が少ないものです。

シュートには、どうしても入る日と入らない日があります。会場のリングや照明、ボールの感触などにも影響されます。

一方で、ディフェンスは練習してきたことを試合で発揮しやすいです。

さらに、ディフェンス練習によって体力や脚力が高まれば、ドライブの鋭さやストップの安定など、オフェンスにも良い影響が出ます。

初心者が多いチームや、得点力に自信がないチームでも、ディフェンスを鍛えることで試合をつくることができます。

自分たちが多く得点できないのであれば、相手の得点も減らす。

これは、どのカテゴリーのチームでも取り組めることです。

そして、わたしは試合の主導権はディフェンスからしか握れないと考えています。

オフェンスは、相手の守り方によって、準備してきたことが出せない場合があります。

たとえば、プレス運びをたくさん練習しても、相手がプレスをしなければ、その練習を発揮する場面はありません。

しかし、

「今日はプレスをする」
「今日はサイドへ追い込む」

というディフェンスの作戦は、自分たちから仕掛けることができます。

だからこそ、ディフェンスにはチームの意思が表れるのです。

マンツーマンディフェンスの4種類

1つ目は、アサインマンツーマンです。

自分のマークマンを最後まで責任を持って守り、原則としてヘルプをしません。

ルールは、とてもシンプルです。

「自分のマークマンに得点させない」

相手のシュート力やドライブ力に応じて、近く守るか、少し離れて守るかも個人で判断します。

マークマンが入れ替わりにくいため、ボックスアウトする相手がわかりやすく、リバウンドに強いという特徴があります。

一方で、スクリーンやカッティングには弱くなります。

2つ目は、ファンディフェンスです。

サイドラインとエンドラインを味方にして、ボールを外側へ追い込んでいきます。

ラインは踏めばアウトになります。言い換えれば、絶対に抜かれることのないディフェンダーです。

抜かれる方向を限定できるため、ボールに強くプレッシャーをかけられます。

身長が低くても、運動量と連係で守れるディフェンスなので、世界中で広く使われている考え方だと思います。

ただし、ヘルプとローテーションが必要になるため、声や判断が欠かせません。

マークマンが入れ替わりやすく、リバウンドの相手を見失う可能性もあります。

3つ目は、ファネルディフェンスです。

ファンディフェンスとは反対に、ドリブルを中央へ誘導します。

中央へ入ってきたボールマンに対して、隣の選手がヘルプに入れば、少ない人数で守ることができます。

全員が大きくローテーションしなくてもよいことが、ファネルディフェンスの特徴です。

ただし、外のシュートが空きやすくなります。

また、ゴール下に優れたブロックショットの選手がいないと、成立しにくい面もあります。

4つ目は、クロックディフェンスです。

時計回りにドリブルさせる考え方で、多くの右利きの選手を左側へ誘導します。

右サイドでは中央へ、左サイドではベースライン側へ行かせる形になります。

「相手を利き手と逆へ行かせる」

この仕事が明確なので、小学生にも伝えやすい守り方です。

左利きの選手に対しては、反対方向へ誘導するなど、相手に応じて変えてもよいでしょう。

どの年代に、何を教えるのか

わたしがU12を指導するなら、まずはクロックワイズから始めます。

自分のマークマンを利き手と逆へ行かせる。

このわかりやすい責任を持たせることで、1対1で守る楽しさを覚えてもらいたいからです。

最初から複雑なヘルプやローテーションを教えすぎると、選手が自分の責任を見失うことがあります。

U15になり、チーム全体が見えるようになってきたら、わたしはファンディフェンスを教えます。

サイドラインやエンドラインへ追い込み、ボールにプレッシャーをかける守り方です。

わたし自身も、長年このディフェンスを指導してきました。

また、ボールの隣を守る選手には、パスコースを消す「ディナイ」と、ドライブへのヘルプを優先する「パックライン」という2つの選択があります。

ディナイはパスを防ぎやすい一方で、ドライブされたときのヘルプが遅れます。

パックラインはドライブへのヘルプが早くなる一方で、パスは通されやすくなります。

どちらにも良さがあります。

理想は、相手や試合状況に応じて使い分けられることです。

ただ、日頃の練習では、より運動量が必要なディナイを多く練習することをおすすめします。

普段から厳しく当たっているチームが、試合中に少し下がることはできます。

しかし、普段から下がっているチームが、試合中に急に強く当たることは難しいからです。

マンツーマンは、ただ1人が1人を守るだけではありません。

どちらへ行かせるのか。誰が助けるのか。パスを消すのか、ドライブを止めるのか。

チームの考え方をそろえることで、ディフェンスは根性論ではなく、技術と作戦になります。

まずは、自分たちのマンツーマンが4種類のどれに近いのか、整理するところから始めてみてください。

そのうえで、相手や年代に合った守り方を選び、練習で共通理解をつくる。

ディフェンスを変えることは、試合の流れを自分たちから変えることにつながります。

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ABOUT ME
三原学
1981年、東京都生まれ。早稲田大学大学院卒。学生時代にマネージャーとなり、バスケ指導者を志す。 22歳から高校バスケ指導を始めて、早稲田実業高校ではウインターカップ出場、関東新人大会優勝。現在は母校の安田学園高校で監督を務める。選手が主役のチーム作り「ボトムアップ理論®︎」により、日本の部活動モデル校を目指している。 2024年から早稲田大学男子バスケットボール部のヘッドコーチも務める 日々学んでいる指導体験をブログやYouTube「バスケの大学」で発信して、総フォロワーは30,000人を超える。 日本バスケットボール協会公認A級コーチ、ジュニアエキスパートコーチ。ボトムアップ理論®︎エキスパートコーチ。 月刊バスケットボールにて「まんが戦術事典」を連載中。著書多数。
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