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忘れられたバスケ技術「ピボット」 24-11-28 #436

こんにちは、三原です。いつもありがとうございます。

この記事はラジオの原稿です。

この放送は、Voicyでお話ししています。ぜひお聞きください

 

忘れられたバスケットボール技術「ピボット」〜時代の流れとともに失われつつある大切な基礎技術〜

時代とともにバスケットボールの技術は進化し続けています。

でも、その進化の中で忘れ去られようとしている技術があるんです。

それが「ピボット」です。

今日は、この忘れられつつあるけれど、実はとても重要な技術についてお話ししたいと思います。

リスナーさんから、こんな質問いただきました

三原先生が思う「美しい選手って誰ですか?」

この問いに答えていきます

バスケットボールの本質は「ボディバランス」と「フットワーク」

バスケットボールの本質って何だと思いますか?

有名なコーチ、ピート・ニューウェルさんの言葉を借りると、それは「ボディバランス」と「フットワーク」なんです。

ピートさんは、こんなことを言っています。

「バスケは5対5のスポーツ。ボールが自分に回ってくるのは10回に1回。でも10回中10回使う技術がある。それがフットワークだ」

なるほど、その通りですよね。

シュートもパスもドリブルも大事ですが、それらはボールを持っているときにしかできない技術です。

でもフットワークは、ボールの有無に関係なく常に必要な技術なんです。

ローマン・ウィンズ 〜 低い姿勢の人が勝つ

2023年の夏、ロサンゼルス・レイカーズのアシスタントコーチだったフィル・ハンディさんが来日されました。

その3日間のクリニックで、フィルさんが何度も強調されていたのが「Low Man Wins」(ローマン・ウィンズ)。

「低い姿勢の人が勝つ」という意味です。

身長が高いことは、もちろんバスケットでは有利です。

でも、それ以上に重要なのが低い姿勢を保てるかどうか。

これは100年前から変わらない真理なんです。

時代とともに失われゆくピボット技術

さて、本題のピボットについてです。

ピボットというのは、片足を軸にして、もう片方の足を自在に動かす技術のことです。

昔はこの技術が当たり前でした。

でも今は、ほとんど見かけなくなってきています。

なぜでしょうか?

それは、ドリブル主体のバスケットボールが主流になってきたからです。

確かにドリブルは重要です。

ドリブル練習をすれば、自然と姿勢も低くなりますし、ボディバランスも良くなります。

でも、ドリブルだけでは補えない部分が、ピボットにはあるんです。

なぜピボットが大切なのか

ピボットができると、様々なフェイントプレーが可能になります。

例えば:

・シュートと見せかけてドリブル

・パスと見せかけてシュート

・ドリブルと見せかけてパス

これらすべての基礎となるのが、ピボットなんです。

特にポストプレーでは、ただ身長や体格で押すだけでなく、ピボットを使った緻密な技術が必要になってきます。

私が美しいと感じる選手の代表例を2人あげるとすれば:

・ジェームス・ウォージー(レイカーズ)

・ケビン・マクヘイル(セルティックス)

この2人は1980年代から90年代に活躍した選手ですが、素晴らしいピボットワークを見せてくれました。

バスケットボールの美しさは、ただ身体能力が高いことだけではありません。

ボディバランスとフットワークが完璧で、自分の思い通りに体を動かせる。

それこそが本当の意味での美しさだと、私は思うのです。

いかがでしたでしょうか。

YouTubeなどで、ウォージーやマクヘイルのハイライト映像を見てみてください。

きっと、今では見られない美しいバスケットボールに出会えるはずです。

そして、もし指導者の方がこの記事を読んでくださっているなら、ぜひピボットの練習を取り入れてみてください。

必ず、選手の大きな武器になるはずです。

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三原学
1981年、東京都生まれ。早稲田大学大学院卒。学生時代にマネージャーとなり、バスケ指導者を志す。 22歳から高校バスケ指導を始めて、早稲田実業高校ではウインターカップ出場、関東新人大会優勝。現在は母校の安田学園高校で監督を務める。選手が主役のチーム作り「ボトムアップ理論®︎」により、日本の部活動モデル校を目指している。 2024年から早稲田大学男子バスケットボール部のヘッドコーチも務める 日々学んでいる指導体験をブログやYouTube「バスケの大学」で発信して、総フォロワーは30,000人を超える。 日本バスケットボール協会公認A級コーチ、ジュニアエキスパートコーチ。ボトムアップ理論®︎エキスパートコーチ。 月刊バスケットボールにて「まんが戦術事典」を連載中。著書多数。
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