コーチを始めたら気をつけたい5つの失敗|24年間のバスケ指導で学んだこと
こんにちは、三原です。いつもありがとうございます。
今日は、コーチを始めたばかりの方に向けて、わたし自身の失敗談をお話しします。
わたしは高校バスケットボールを中心に、24年間指導を続けてきました。最近では大学生の指導にも関わっています。
振り返ってみると、若い頃はずいぶん遠回りをしてきました。今なら絶対にやらないような指導も、当時は良かれと思ってやっていたのです。
ちなみに、ここでいう「若いコーチ」とは年齢のことではありません。50歳でも60歳でも、コーチを始めたばかりなら若いコーチです。選手経験の有無も関係ありません。
今日は、そんなコーチの方に気をつけてほしい5つの失敗を紹介します。
この5つに共通するのは、「無駄なことに時間をかけない」という考え方です。
学生スポーツの時間は限られています。選手たちの1日は2度と戻ってきません。
本当はそれほど必要ではないことを、さも重要なことのように教えてしまう。これは指導者が最も気をつけなければいけないことだと思っています。
1.教えすぎる、喋りすぎるという失敗
① 教えるスピードが早すぎる
これは、わたし自身の最大の失敗でした。
わたしは昔からバスケットボールの勉強が好きで、比較的知識を持っている方だったと思います。
だからこそ、あれもこれも教えたくなるのです。
新しいオフェンスを導入して、ある程度できたら次の戦術へ。ディフェンスも少し形になったら、別のやり方へ。
しかし、これでは選手に何も定着しません。
選手からすると「三原先生は結局何をやりたいのだろう?」となっていたと思います。
特に気をつけたいのが、練習試合で負けた後です。
これまで取り組んできたことが通用しないと、すべてを捨てて新しいことを始めたくなります。
でも、それでは今まで積み重ねてきたものが無駄になってしまいます。
例えばフリースローは、小学生でもプロ選手でも練習しますよね。
基本とは、できたら終わりではありません。繰り返して、考えなくても自然にできるようになるまで続けるものです。
新しいことを教える勇気よりも、同じことを繰り返す勇気。
若い頃のわたしに、最も伝えたいことです。
② コーチが喋りすぎる
これも、わたしがよくやっていた失敗です。
丁寧に説明しているつもりでも、選手はずっと立って話を聞いているだけ。
練習時間の3分の1や半分をコーチが喋っていたら、どうでしょうか。
選手が実際に体を動かす時間は、どんどん少なくなります。
わたしが好きなコーチK(マイク・シャシェフスキー)の著書には、こんな言葉が紹介されています。
「聞けば忘れる。見れば覚える。やれば理解する」
もちろん、説明が必要な場面もあります。
しかし、バスケットボールの練習は、実際にプレーしてこそ身につくものです。
説明はできるだけ短くする。そして、どんどんプレーさせる。
その中で必要な修正を加えていく。
コーチが喋っている時間を減らすことは、選手の練習時間を増やすことでもあるのです。
2.練習の効率を下げてしまう2つの失敗
③ 専門用語を使わない
これは少し意外かもしれません。
わたしは、バスケットボールの専門用語を積極的に教えた方がいいと思っています。
以前は、専門用語を使うと選手には難しいのではないかと考えていました。
しかし、これは間違いでした。
例えば、わたしのチームでは「ノーズチェスト」という言葉を使います。
自分の鼻が相手の胸の高さに来るように、低い姿勢で守るという意味です。
試合中に選手の姿勢が高くなってきたら「ノーズチェスト!」と声をかけます。
それだけで選手は、何を修正すればいいのか理解できます。
これを毎回「もっと膝を曲げて、相手の胸の高さまで顔を下げて……」と説明していたら時間がかかります。
ハイポスト、ダイブ、ドリフト、ノーミドル、ボックスアウト。
こうした用語は、選手とコーチの共通言語になります。
小学生でも新しい言葉は覚えられます。むしろ、子どもほど新しい言葉を吸収する力があると思います。
専門用語を知れば、コミュニケーションは短く、正確になります。
結果として、先ほど紹介した「コーチが喋りすぎる」という失敗も防ぐことができるのです。
④ 練習の並び順まで計画しない
みなさんは練習メニューを作るとき、どこまで細かく計画していますか?
「ランニングシュートを10分」「リバウンド練習を15分」
ここまでは決めていると思います。
しかし、実はそれだけでは不十分です。
何列に並ぶのか。誰がボールを持つのか。ボールは何個必要なのか。終わった選手はどこへ移動するのか。
こうした部分まで決めておく必要があります。
例えば、ドリルの途中で選手がどこに並べばいいかわからなくなると、それだけで時間が止まります。
人数が均等に分かれていなければ、練習回数にも差が出ます。
さらに、ボールを拾う選手と次のプレーを始める選手が交錯すれば、怪我につながる可能性もあります。
わたしのチームでは、マネージャーが次の練習を先回りして準備してくれることもあり、とても助かっています。
細かい準備ができていると、練習の切り替えがスムーズになるのです。
UCLAを何度も全米優勝に導いたジョン・ウッデンは、練習初日に靴下の履き方から指導したという話で有名です。
それほど細かいところまで気を配っていたのですね。
ドリルの内容だけでなく、選手が迷わず、効率よく、安全に練習できる環境まで設計する。
これも指導者の仕事だと思っています。
3.最も学ぶべき教材を見逃してしまう失敗
⑤ 自分のチームの試合を見ない
最後の失敗は、自分たちの試合から十分に学ばないことです。
これも本当に反省しています。
若い頃のわたしは、NBAや強豪大学の試合ばかり見ていました。
「あのプレーはいいな」「このオフェンスをうちにも取り入れよう」
もちろん、他のチームから勉強することは素晴らしいことです。
しかし、最も研究すべきなのは、自分のチームの試合ではないでしょうか。
特に負けた試合です。
正直に言うと、昔のわたしは負けた試合を見るのが嫌でした。
がっかりするし、イライラするからです。
自分の指導がうまくいかなかった現実を、もう1度見せられるような気持ちになるのですね。
でも、そこにこそ改善のヒントがあります。
なぜ失点したのか。なぜシュートが打てなかったのか。どんな判断が良かったのか。
そして、うまくいったプレーについても、なぜできたのかを分析する必要があります。
偶然できたプレーを、意図的に繰り返せるようにすることが練習の目的だからです。
場合によっては選手と映像を見ながら話し合います。
「この時、何を考えていたの?」
選手の考えを聞くことで、こちらが気づいていなかったことも見えてきます。
今では、試合だけでなく日頃の練習も撮影しています。
自分たちの現実を見ないまま、外から新しい戦術を持ってきても、なかなかうまくいきません。
最も優れた教材は、自分のチームの中にある。
わたしはそう考えています。
まとめ|何を教えたかより、何が身についたか
今回は、24年間の指導経験から、コーチを始めたばかりの方に気をつけてほしい5つの失敗を紹介しました。
- 教えるスピードが早すぎる
- コーチが喋りすぎる
- 専門用語を使わない
- 練習の並び順まで計画しない
- 自分のチームの試合を見ない
振り返ってみると、どれも指導者が一生懸命だからこそ起こる失敗だと思います。
たくさん教えたい。丁寧に説明したい。新しい戦術を取り入れたい。
その気持ちは決して悪くありません。
しかし、指導者の仕事は、自分が持っている知識をすべて選手に伝えることではありません。
何を教えたかよりも、選手に何が身についたか。
こちらを基準に考えるべきだと思います。
そして、選手たちの限られた時間を、できるだけ有効に使うことです。
わたしも、まだまだ勉強中です。
24年間指導してきても、毎日のように失敗があります。
ただ、昔と比べれば、何を優先して何を捨てるべきか、少しずつわかってきた気がします。
ぜひ、わたしの失敗を踏み台にして、みなさんの指導に役立てていただければ幸いです。
===
最後までお読みくださり感謝しています。無料メルマガはこちらです。2日に1回、コーチングについてのアドバイスをお届けします
https://my78p.com/p/r/UFu5h7sW
ここまで読んだら「声のメルマガ」Voicyをどうぞ。ブログとは別内容のラジオをほぼ毎日更新しています。
https://voicy.jp/channel/4018
ありがとうございました。それでは、また。
記事を最後までお読みくださり、感謝しています!
このブログをお読みのあなたは、きっとバスケの悩み、特にチームづくりのことでいろいろと悩んでいることでしょう。
そんなあなたはぜひ「バスケの大学メルマガ」をのぞいてみてください。
同じように指導に悩み、解決してきたわたしが、チームづくりのノウハウをお伝えします。
最初の1通目で「練習メニューの作り方」という特典動画もプレゼントしてます。

