こんにちは、三原です。いつもありがとうございます。

先日、U15女子を指導されている方から、とても考えさせられる質問をいただきました。

試合中、トップからウイングへのパスをカットされ、そのまま相手の速攻になったそうです。

トップの選手は「もう間に合わない」と判断して、全力では戻らなかった。一方でウイングの選手は、間に合わないかもしれないけれど全力で追いかけた。

すると、ある指導者がこう言ったそうです。

「どうせ間に合わないなら、ダッシュするのは体力の無駄。2点を与えて、次のプレイのために体力を残した方がいい」

たしかに、考え方としては合理的です。

でも、わたしだったらどうするか。

わたしは、

「戻れ!」

と言います。

バスケットボールは「無駄かもしれないプレイ」だらけ

そもそもバスケットボールって、結果だけを見れば「無駄だった」と言えるプレイがたくさんあります。

例えばリバウンド。

シュートが入れば、リバウンドに飛び込んだ動きは結果的には必要ありません。

ルーズボールも同じです。

一生懸命追いかけても、結局相手に取られるかもしれない。

速攻で全力疾走しても、パスが来ないかもしれない。

オフボールで動いても、自分にボールが回ってこないかもしれません。

でも、

「どうせボールが来ないから走らない」

「どうせ取れないからルーズボールを追わない」

「どうせ入るからリバウンドに行かない」

となったら、バスケットボールそのものが成立しなくなってしまいます。

一見すると無駄に思えるプレイを、どれだけ一生懸命できるのか。

そこに試合の勢いや、チームの粘り強さが生まれると、わたしは思っています。

今回の速攻でもそうです。

相手が完全に抜け出していたとしても、後ろから全力で追えば足音が聞こえる。

「来ている」と感じれば、少し慌てるかもしれない。

いつもなら決まるレイアップを落とすかもしれない。

もちろん、そのまま決められることの方が多いでしょう。

でも、0%ではありません。

だから、わたしは追いかけてほしいと思います。

もっと大事なのは「習慣」

ただ、わたしが全力で戻ってほしいと思う一番の理由は、実はその1本を守れるかどうかではありません。

バスケットボールは「習慣のスポーツ」だからです。

試合中は、毎回じっくり考えている時間なんてありません。

ボールを取られた。

相手が走った。

その瞬間に身体が反応する。

日頃から繰り返していることが、試合ではそのまま出ます。

だから、

「この場面はもう間に合わないから戻らなくていい」

という習慣を作ってしまうことが、わたしは少し怖いんです。

では、どこまでなら戻らなくていいのか。

これは間に合わない。

これは間に合う。

これは頑張る。

これは頑張らなくていい。

試合の一瞬一瞬で、そんな判断をしているうちに、本当に走らなければいけない場面まで足を止めるようになるかもしれません。

ルーズボールもそう。

リバウンドもそう。

50対50のボールもそうです。

「取れそうだから行く」のではなく、「まず行く」。

そういう習慣があるチームの方が、わたしは粘り強いと思っています。

だから特に小中高校生には、

「コートの上では全力でやろう」

というシンプルな基準でいいのではないでしょうか。

無駄なハッスルは、本当に無駄なのか

もちろん例外はあると思います。

例えば試合が完全に決着して、残り数秒。

勝っているチームがボールを持っていて、お互いにもうプレイを終えるような状況で、無理にボールを奪いに行く必要はないでしょう。

オフェンス側も、そこでわざわざダメ押しのレイアップに行かない。

これはバスケットボールの中で自然にあることだと思います。

でも、それと「どうせ間に合わないから戻らない」は、少し違うと思うんです。

特に自分たちのミスから速攻を出されたのであれば、なおさらです。

まず戻る。

最後まで追う。

取れないかもしれないルーズボールにも飛び込む。

来ないかもしれないパスのために走る。

入るかもしれないシュートでもリバウンドに行く。

そういう、一見すると無駄に終わるかもしれないプレイの積み重ねが、チームの文化になるのではないでしょうか。

そして、そういうチームは見ている人の心も動かします。

だから、わたしは迷わず言います。

「戻れ!」

結果として間に合わなくてもいい。

でも、全力で戻る選手でいてほしい。

なぜなら、その1本のためだけではなく、その選手とチームの**「次の1本」を作る習慣**になると思うからです。

みなさんはどう考えますか?

「絶対に間に合わない」と分かった速攻でも、選手には全力で戻らせますか?

それとも、体力を温存させますか?

ぜひコメントで教えてください。

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ABOUT ME
三原学
1981年、東京都生まれ。早稲田大学大学院卒。学生時代にマネージャーとなり、バスケ指導者を志す。 22歳から高校バスケ指導を始めて、早稲田実業高校ではウインターカップ出場、関東新人大会優勝。現在は母校の安田学園高校で監督を務める。選手が主役のチーム作り「ボトムアップ理論®︎」により、日本の部活動モデル校を目指している。 2024年から早稲田大学男子バスケットボール部のヘッドコーチも務める 日々学んでいる指導体験をブログやYouTube「バスケの大学」で発信して、総フォロワーは30,000人を超える。 日本バスケットボール協会公認A級コーチ、ジュニアエキスパートコーチ。ボトムアップ理論®︎エキスパートコーチ。 月刊バスケットボールにて「まんが戦術事典」を連載中。著書多数。
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