Voicy&インスタ

見つめる鍋は煮えない 24-8-19 #338

こんにちは、三原です。いつもありがとうございます。

この記事はラジオの原稿です。

この放送は、Voicyでお話ししています。ぜひお聞きください

 

見つめる鍋は煮えない – 焦らず待つことの大切さ

今日は「見つめる鍋は煮えない」というテーマでお話しします。

これは外山滋比古さんの「思考の整理学」という本に出てくる言葉なんですが、私はこの言葉が大好きなんです。

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寝かせることの重要性

まず、「寝かせる」ということの大切さについてお話ししましょう。

私たち指導者は、ついつい早く結果を出したくなってしまいます。

「今日教えたことを、明日には完璧にできるようになってほしい」

そんな風に思ってしまうんですよね。

でも、それって現実的じゃないんです。

人間の成長には時間がかかります。

鍋料理を作るときを想像してみてください。

グツグツと煮えるのを待っている時、あなたはどうしますか?

「早く煮えないかな」

「ちゃんと火が通ってるかな」

そう思って、しょっちゅう蓋を開けて確認していませんか?

実はそれ、逆効果なんです。

蓋を開けるたびに熱が逃げて、煮えるのが遅くなってしまうんですよ。

1日に多くを期待しすぎない

同じことが、指導にも言えます。

1日に多くを期待しすぎると、かえって成長が遅くなってしまうんです。

新しい練習方法を教えたとき、すぐに効果が出ないからといって、

「この方法は違うな」

と思って次の日に別の方法に変えてしまう。

そんなことを繰り返していては、何も定着しません。

大切なのは、継続することです。

同じ練習方法を、しばらく続けてみる。

そして、様子を見守る。

これが重要なんです。

放置することとの違い

ただし、ここで勘違いしないでほしいのが、

「見守る」ということと「放置する」ということは全く違うということです。

何も言わずに、ただ練習させておくだけ。

それでは、成長は望めません。

大切なのは、適切な課題設定と、それを克服するための適切なアプローチです。

私が心がけているのは、

「1日1回だけ言う、それを100日続ける」

ということです。

1日に100回同じことを言うのではなく、

1日1回だけ。でも、それを100日続ける。

このくらいのペースが、ちょうどいいんです。

じわじわと浸透させる

このアプローチを続けていくと、

じわじわと選手たちに浸透していきます。

3週間、3ヶ月、3年。

時間をかけて、確実に結果が出てくるんです。

昔の私は、

「1日に100回言って、2日目には別のことを言う」

そんな感じでした。

でも、それじゃあ効果がないんですよね。

「何度言ったらわかるんだ!」

そんな風に1日中言い続けても、

翌日には全く違うことを言っていては、

選手たちは何を大事にすればいいのか、わからなくなってしまいます。

バランスの取れた指導を

結局のところ、大切なのはバランスなんです。

寝かせておきつつ、しっかりと要求を続ける。

このバランスが取れていると、選手たちはぐんぐん成長していきます。

「見つめる鍋は煮えない」

この言葉を胸に、焦らず、でもしっかりと指導を続けていく。

そんな姿勢が、私たち指導者には求められているんじゃないでしょうか。

今日のお話、いかがでしたか?

バスケットボールの技術的な話だけでなく、

子育てや教育、コーチングにも通じる内容だったと思います。

少しでも参考になれば嬉しいです。

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ABOUT ME
三原学
1981年、東京都生まれ。早稲田大学大学院卒。学生時代にマネージャーとなり、バスケ指導者を志す。 22歳から高校バスケ指導を始めて、早稲田実業高校ではウインターカップ出場、関東新人大会優勝。現在は母校の安田学園高校で監督を務める。選手が主役のチーム作り「ボトムアップ理論®︎」により、日本の部活動モデル校を目指している。 2024年から早稲田大学男子バスケットボール部のヘッドコーチも務める 日々学んでいる指導体験をブログやYouTube「バスケの大学」で発信して、総フォロワーは30,000人を超える。 日本バスケットボール協会公認A級コーチ、ジュニアエキスパートコーチ。ボトムアップ理論®︎エキスパートコーチ。 月刊バスケットボールにて「まんが戦術事典」を連載中。著書多数。
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