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レギュラーを作らずチームを作れ 24-12-2 #440

こんにちは、三原です。いつもありがとうございます。

この記事はラジオの原稿です。

この放送は、Voicyでお話ししています。ぜひお聞きください

 

レギュラーを作らずチームを作る 〜中心から遠い人の熱量が鍵〜

チーム作りについて、一つの言葉を大切にしています。

それは「レギュラーを作らずチームを作れ」という言葉です。

10数年前、どなたかの本で出会った言葉なのですが、今でも指導の核となっている考え方です。

今日はこのテーマについて、私なりの考えを述べさせていただきます。

部員が多ければ多いほど難しいチーム作り

20人、30人、40人と部員が多くなればなるほど、チーム運営は大変になります。

なぜなら、全員を満足させながら、試合に出るメンバーは限られるからです。

選手であれば誰もが試合に出たいし、自分の活躍でチームを勝たせたいと思うはずです。

これは健全な気持ちであり、この競争によって選手は成長していきます。

しかし指導者からすると、試合で使うメンバーは限られてきます。

そうなると「どうせ試合に出る選手は決まっているのだから、その選手たちだけを鍛えよう」と考えがちです。

効率を求めてはいけない人間関係

たとえば部員が20人いて、実際に試合で使えるのが7人程度だとします。

その7人により多くの時間を費やし、チームを強くしていく。

理屈で言えば、チームが強くなって勝てば全員がハッピーなはずです。

一見、合理的な考えのように思えます。

しかし、人間関係において効率を求めてはいけません。

「あなたは試合に出ませんよ。だから私はあなたのことを見ません」

このような態度を取ると、チームはうまくいきません。

これは私の経験からの学びです。

中心から遠い人の熱量が大切

良いチームとは、中心から遠い人の熱量が高いチームだと思っています。

バスケットボールでいえば、1番の中心はボールを持っている人です。

その周りに味方の4人がいて、さらにその周りにベンチの選手がいて、その外側にベンチに入れない部員がいて、さらにその外側に保護者がいる…

このように輪が広がっていくイメージです。

ボールを持っている人だけが熱くなって、周りの4人が冷めているようなチームは良くありません。

先発5人だけが熱くなって、ベンチが冷めているのも良くありません。

ベンチメンバーだけが熱くなって、応援席が冷めているのも良くありません。

部員だけが熱くて、関係者が冷めているのも良くありません。

中心から遠い人の熱量が高いチームこそが、良いチームなのです。

バランスを取ることの難しさ

とはいえ、ここは本当に難しいところです。

「みんなで仲良くしましょう」というわけにもいきません。

競争の世界であり、勝負の世界なのです。

例えば試合前、みんな均等に練習をして、ボールに触る時間も一緒で、メンバーもごちゃ混ぜ…

このようなやり方を続けると、レギュラーの選手からは不満が出てきます。

「試合前は試合メンバーでの練習をしたい」 「レギュラーとしての責任があるから、しっかり試合に向けた練習がしたい」

このような声は、当然のものだと思います。

みんな均等・みんな仲良しでもダメだし、かといってレギュラーだけに振り切ってもダメ。

選手の様子を見ながら、加減していくしかありません。

感謝の気持ちを忘れずに

もう一つ大切なことがあります。

それは学生スタッフへの感謝を示し続けることです。

ボールの中心から最も遠い部員は、マネージャーやトレーナー、学生コーチなどのスタッフたちです。

チームのトップである指導者が、彼らの日頃の仕事に感謝の言葉を伝えることは、とても重要です。

選手たちはそういう姿を見ています。

お互いに感謝の気持ちが芽生え、それがチームの文化として根付いていく。

「あなたたちスタッフの働きがあって、選手が頑張れている」

このような言葉は、日頃から頻繁に伝えるようにしています。

20代の頃の私は、レギュラー5人だけを見ていれば良いと思っていた時期がありました。

しかし、それは間違いでした。

部員が多ければ多いほど「レギュラーを作らずチームを作る」ことの難しさを感じます。

それでも「中心から遠い人の熱量が高いチーム」を目指して、私は今日も指導をしています。

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ABOUT ME
三原学
1981年、東京都生まれ。早稲田大学大学院卒。学生時代にマネージャーとなり、バスケ指導者を志す。 22歳から高校バスケ指導を始めて、早稲田実業高校ではウインターカップ出場、関東新人大会優勝。現在は母校の安田学園高校で監督を務める。選手が主役のチーム作り「ボトムアップ理論®︎」により、日本の部活動モデル校を目指している。 2024年から早稲田大学男子バスケットボール部のヘッドコーチも務める 日々学んでいる指導体験をブログやYouTube「バスケの大学」で発信して、総フォロワーは30,000人を超える。 日本バスケットボール協会公認A級コーチ、ジュニアエキスパートコーチ。ボトムアップ理論®︎エキスパートコーチ。 月刊バスケットボールにて「まんが戦術事典」を連載中。著書多数。
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