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わたしの思い出の1冊 24-11-9 #418

こんにちは、三原です。いつもありがとうございます。

この記事はラジオの原稿です。

この放送は、Voicyでお話ししています。ぜひお聞きください

 

わたしの人生を変えた1冊 ~倉石先生のオフェンシブバスケットボール~

今日は少し個人的な話をさせてください。

わたしの人生を変えた1冊について、お話ししたいと思います。

読書は今でもわたしの大切な習慣です。

週に1冊は必ず本を読むようにしていて、年間で50冊から100冊は読むように心がけています。

その中でも、人生を変えた1冊と言われれば、迷わず倉石平先生の「オフェンシブバスケットボール」を挙げます。

図書館での思い出の夏

高校3年生の夏のことでした。

5月24日のインターハイ予選、東京都2回戦で負けてしまいました。

インターハイに出場するつもりで練習していたので、こんなに早く終わってしまうとは思ってもいませんでした。

やることがなくなり、友達と大学見学に行ったりするうちに、早稲田大学に行きたいという思いが強くなっていきました。

「夏を制するものは受験を制する」

そんな言葉を胸に、毎日必死で受験勉強をしていました。

でも家で勉強していると、どうしても集中力が切れてきます。

そこで環境を変えようと、自転車を飛ばして近くの図書館に通うようになりました。

1時間勉強したら10分休憩。

その休憩時間に、ふらふらと本棚を見て回るのが日課でした。

心の支えとなった1冊

そんなある日、手に取った1冊の本。

それが、ベースボールマガジン社から出版されていた倉石平先生の「オフェンシブバスケットボール」でした。

当時、バスケの動きを学ぶのは簡単ではありませんでした。

YouTubeもなく、DVDも普及していない時代。

でもこの本には、連続写真がたくさん使われていました。

パラパラとページをめくるだけで、プレーの流れが頭に入ってきます。

「ああ、スクリーンってこうやってかけるんだな」 「シュートフォームはこうなんだな」

高校3年生の私にとって、新しい発見の連続でした。

そして本の最後の著者紹介で、倉石先生が早稲田大学の先生だと知りました。

その瞬間から、この本は受験勉強の心の支えになりました。

疲れて机に向かう気力が失せそうになると、この本を開きます。

写真を眺めているだけで、バスケへの情熱が湧いてきて。

「早稲田に行って、倉石先生に会いたい」

そんな夢が、勉強のモチベーションになりました。

夢は現実に

無事に早稲田大学に合格。

1年生のときは倉石先生にお会いする機会はありませんでしたが、3年生のときにアドバイザーとして来ていただきました。

4年生になると、倉石先生は早稲田の教員に。

わたしはマネージャーとして、直接指導を受けることができました。

それ以来、ずっと指導関係を継続させていただき、今ではわたし自身も早稲田のチームに関わる立場になりました。

あの受験生の夏、図書館で出会った1冊の本が、こんな形で実を結ぶとは。

本は心の支え

今では多くの本から影響を受けています。

赤羽雄二さんの『0秒思考』は、指導者としての判断力を養ってくれました。

吉井四郎さんの『私の信じるバスケットボール』は、バスケットボールの本質を教えてくれました。

でも、人生を変えた1冊と言われれば、間違いなく倉石先生の「オフェンシブバスケットボール」です。

時代は変わり、電子書籍も普及してきました。

便利な時代になりましたが、わたしはできるだけ紙の本を選びます。

なぜなら、本そのものが心の支えになるからです。

本棚に並んだ背表紙を見るだけで、内容を思い出せる。

あの受験生の夏のように、本が心の支えになる。

そんな効果が、紙の本にはあります。

偶然の出会いを大切に

大きな本屋さんや図書館で本棚を見て回ると、思わぬ本との出会いがあります。

ネットで検索して本を買うのは、自分の好きな本、知っている本しか出会えません。

ネットの「おすすめ」は、結局自分の興味の範囲内のものばかり。

でも本屋さんをぶらぶらしていると、まったく違う分野の本が目に入ってきます。

それが新しい発見につながり、視野を広げてくれます。

だからわたしは今でも、大きな本屋さんをぶらぶら歩くことを大切にしています。

先日、早稲田の近くの本屋さんが閉店してしまい、とても寂しい思いをしました。

本屋さんが減っていく時代だからこそ、実際に本屋さんに足を運び、紙の本を手に取る。

そんな体験を、みなさんにもおすすめしたいと思います。

終わりに

あの夏の日、図書館で出会った1冊の本。

それは単なるバスケの技術書ではありませんでした。

受験勉強の支えとなり、夢への道しるべとなり、そして人生を変えてくれました。

今、指導者として多くの生徒たちと関わる中で、本との出会いの大切さを実感しています。

みなさんの「思い出の1冊」は、どんな本ですか?

もしよかったら教えてください。

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ABOUT ME
三原学
1981年、東京都生まれ。早稲田大学大学院卒。学生時代にマネージャーとなり、バスケ指導者を志す。 22歳から高校バスケ指導を始めて、早稲田実業高校ではウインターカップ出場、関東新人大会優勝。現在は母校の安田学園高校で監督を務める。選手が主役のチーム作り「ボトムアップ理論®︎」により、日本の部活動モデル校を目指している。 2024年から早稲田大学男子バスケットボール部のヘッドコーチも務める 日々学んでいる指導体験をブログやYouTube「バスケの大学」で発信して、総フォロワーは30,000人を超える。 日本バスケットボール協会公認A級コーチ、ジュニアエキスパートコーチ。ボトムアップ理論®︎エキスパートコーチ。 月刊バスケットボールにて「まんが戦術事典」を連載中。著書多数。
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