こんにちは、三原です。いつもありがとうございます。
この記事はラジオの原稿です。
この放送は、Voicyでお話ししています。ぜひお聞きください
わたしの人生を変えた1冊 ~倉石先生のオフェンシブバスケットボール~
今日は少し個人的な話をさせてください。
わたしの人生を変えた1冊について、お話ししたいと思います。
読書は今でもわたしの大切な習慣です。
週に1冊は必ず本を読むようにしていて、年間で50冊から100冊は読むように心がけています。
その中でも、人生を変えた1冊と言われれば、迷わず倉石平先生の「オフェンシブバスケットボール」を挙げます。
図書館での思い出の夏
高校3年生の夏のことでした。
5月24日のインターハイ予選、東京都2回戦で負けてしまいました。
インターハイに出場するつもりで練習していたので、こんなに早く終わってしまうとは思ってもいませんでした。
やることがなくなり、友達と大学見学に行ったりするうちに、早稲田大学に行きたいという思いが強くなっていきました。
「夏を制するものは受験を制する」
そんな言葉を胸に、毎日必死で受験勉強をしていました。
でも家で勉強していると、どうしても集中力が切れてきます。
そこで環境を変えようと、自転車を飛ばして近くの図書館に通うようになりました。
1時間勉強したら10分休憩。
その休憩時間に、ふらふらと本棚を見て回るのが日課でした。
心の支えとなった1冊
そんなある日、手に取った1冊の本。
それが、ベースボールマガジン社から出版されていた倉石平先生の「オフェンシブバスケットボール」でした。
当時、バスケの動きを学ぶのは簡単ではありませんでした。
YouTubeもなく、DVDも普及していない時代。
でもこの本には、連続写真がたくさん使われていました。
パラパラとページをめくるだけで、プレーの流れが頭に入ってきます。
「ああ、スクリーンってこうやってかけるんだな」 「シュートフォームはこうなんだな」
高校3年生の私にとって、新しい発見の連続でした。
そして本の最後の著者紹介で、倉石先生が早稲田大学の先生だと知りました。
その瞬間から、この本は受験勉強の心の支えになりました。
疲れて机に向かう気力が失せそうになると、この本を開きます。
写真を眺めているだけで、バスケへの情熱が湧いてきて。
「早稲田に行って、倉石先生に会いたい」
そんな夢が、勉強のモチベーションになりました。
夢は現実に
無事に早稲田大学に合格。
1年生のときは倉石先生にお会いする機会はありませんでしたが、3年生のときにアドバイザーとして来ていただきました。
4年生になると、倉石先生は早稲田の教員に。
わたしはマネージャーとして、直接指導を受けることができました。
それ以来、ずっと指導関係を継続させていただき、今ではわたし自身も早稲田のチームに関わる立場になりました。
あの受験生の夏、図書館で出会った1冊の本が、こんな形で実を結ぶとは。
本は心の支え
今では多くの本から影響を受けています。
赤羽雄二さんの『0秒思考』は、指導者としての判断力を養ってくれました。
吉井四郎さんの『私の信じるバスケットボール』は、バスケットボールの本質を教えてくれました。
でも、人生を変えた1冊と言われれば、間違いなく倉石先生の「オフェンシブバスケットボール」です。
時代は変わり、電子書籍も普及してきました。
便利な時代になりましたが、わたしはできるだけ紙の本を選びます。
なぜなら、本そのものが心の支えになるからです。
本棚に並んだ背表紙を見るだけで、内容を思い出せる。
あの受験生の夏のように、本が心の支えになる。
そんな効果が、紙の本にはあります。
偶然の出会いを大切に
大きな本屋さんや図書館で本棚を見て回ると、思わぬ本との出会いがあります。
ネットで検索して本を買うのは、自分の好きな本、知っている本しか出会えません。
ネットの「おすすめ」は、結局自分の興味の範囲内のものばかり。
でも本屋さんをぶらぶらしていると、まったく違う分野の本が目に入ってきます。
それが新しい発見につながり、視野を広げてくれます。
だからわたしは今でも、大きな本屋さんをぶらぶら歩くことを大切にしています。
先日、早稲田の近くの本屋さんが閉店してしまい、とても寂しい思いをしました。
本屋さんが減っていく時代だからこそ、実際に本屋さんに足を運び、紙の本を手に取る。
そんな体験を、みなさんにもおすすめしたいと思います。
終わりに
あの夏の日、図書館で出会った1冊の本。
それは単なるバスケの技術書ではありませんでした。
受験勉強の支えとなり、夢への道しるべとなり、そして人生を変えてくれました。
今、指導者として多くの生徒たちと関わる中で、本との出会いの大切さを実感しています。
みなさんの「思い出の1冊」は、どんな本ですか?
もしよかったら教えてください。
今日の参考文献
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ありがとうございます。
三原学でした。それでは、また。
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