こんにちは、三原です。いつもありがとうございます。
この記事はラジオの原稿です。
この放送は、Voicyでお話ししています。ぜひお聞きください
ブロック練習とランダム練習 – 平日練習が難しいチームへのヒント
中学バスケ部のコーチから、こんな相談をいただきました。
「平日は仕事で行けず、休日のみの指導となっています。
平日練習では特に中1が練習の目的をあまり理解できず、
伝えても改善されずにだらけた練習になってしまうそうです…」
この悩みは、きっと多くの指導者が抱えているものだと思います。
「伝える」ことの難しさ
結論から言うと、コーチが行かない平日練習で「伝える」というのは、ほぼ不可能だと考えています。
キャプテンを通じて練習内容やポイントを伝えても、コーチの真意が100%伝わることはまずありません。
特に中学生の場合、初心者の子が多いため、新しい練習方法を覚えることだけでも時間がかかってしまいます。
毎日違う練習メニューを与えると、練習そのものの効率が非常に悪くなってしまうのです。
ブロック練習とランダム練習の違い
ここで「ブロック練習」と「ランダム練習」という概念について説明したいと思います。
正確には「ブロック学習」「ランダム学習」と呼ばれるものですが、簡単に言うと:
・ブロック練習:同じ練習を塊として毎日繰り返す ・ランダム練習:様々な練習を日替わりで行う
という違いがあります。
意外な研究結果
面白いことに、この2つの練習方法には以下のような特徴があります:
ブロック練習は: ・練習中はうまくなった感じがする ・しかし長期的には忘れやすい
一方、ランダム練習は: ・練習中は混乱が起きやすい ・しかし長期的な記憶は残りやすい
理想と現実のバランス
理想を言えば、コーチは毎日コートに行って、練習メニューを適度に変化させながら指導するのがベストです。
しかし、今回のように平日指導が難しい場合は、あえてブロック練習を活用する方が現実的です。
具体的には: ・週末に新しい練習メニューを1つだけ伝える ・それを1週間続けてもらう ・次の週末に上達度を確認する ・十分な成果が出ていれば次のステップに進む ・まだ課題が残っていれば、同じ目的で違うドリルを提示する
という流れです。
平日練習のあり方
中学生の平日練習は、実際には週2回程度、休日は土日のどちらかという頻度が多いと思います。
このような環境では、むしろ毎日同じ練習を繰り返す方が、コーチ不在でも成果が出やすいでしょう。
理想的ではないかもしれませんが、現実的な解決策として、1週間単位でのブロック練習をお勧めします。
ブロック練習で基礎を固め、週末にコーチが確認して次のステップを示す。
このサイクルを繰り返すことで、限られた環境でも着実な成長を促すことができるはずです。
最後に一言付け加えると、「練習の前後で目的を確認する時間を設ける」というのは、あまり良い方法ではありません。
バスケットボールは流れるように進む競技です。立ち止まって考える時間はゲーム中にもありません。
練習も同様に、なるべく流れを止めずに行う方が効果的だと考えています。
いかがでしたでしょうか。
平日練習の悩みを抱える指導者の方々に、少しでもヒントになれば幸いです。
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