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エースの条件とは? 24-11-29 #437

こんにちは、三原です。いつもありがとうございます。

この記事はラジオの原稿です。

この放送は、Voicyでお話ししています。ぜひお聞きください

 

エースとは誰なのか? 最後のフリースローを任せられる選手が本当のエース

バスケットボールの指導者の方から、よくこんな質問をいただきます。

「エースの条件って何ですか?」

単純な質問のようで、いざ答えようとすると難しいものです。

今日はこのテーマについて、私なりの考えをお伝えしたいと思います。

フリースローを任せられる選手がエース

エースの条件を一言で言うと、「フリースローを安心して任せられる選手」です。

残り1秒、1点ビハインドで2本のフリースローが与えられた場面を想像してください。

1本決めれば同点で延長戦、2本決めれば逆転勝ち。 外せば負け。

この究極の場面で、誰にフリースローを託しますか?

単にシュート力があるとか、得点力があるとかではありません。

「この選手なら大丈夫」と、心から信頼できる選手。 それがエースなのです。

エースは技術以上に人間性

では、なぜその選手を信頼できるのでしょうか?

それは日頃の行いにあります。

  • 練習を休まない
  • 誰よりも練習に打ち込んでいる
  • 遅刻をしない
  • 勉強も真面目
  • いつも明るく振る舞う
  • チームメイトのことを考えている

このような人間性を持った選手だからこそ、最後のシュートを任せられるのです。

逆に言えば、技術はあっても以下のような選手は信頼できません:

  • 練習をよく休む
  • 練習中に手を抜く
  • 遅刻が多い
  • 先生がいない時の態度が悪い
  • チームメイトとの関係が良くない

このような選手には、いくら得点力があっても最後のシュートは任せられないでしょう。

エースは役割ではない

ここで誤解してほしくないのは、エースは「得点を取る役割の人」ではないということです。

1試合20点、30点取る選手がいたとしても、それは「役割」でしかありません。

  • ボールを運んでくれる人がいて
  • パスを出してくれる人がいて
  • スクリーンをかけてくれる人がいて

その結果として得点できているのです。

「俺が凄いから点が入る」というのは大きな勘違い。 チームメイトへの感謝の気持ちを持てる人こそが、本当のエースなのです。

エースは1人とは限らない

ここまでの話を聞いて、気づいた方もいるかもしれません。

エースは必ずしも1人である必要はないのです。

日常生活も含めて、

  • 誰に言われなくても自分のやるべきことをやる
  • 周りにいい影響を与える
  • チームメイトから信頼される

このような選手は、チームに複数いてもいいはずです。

むしろ、私たち指導者の仕事は「エースを増やすこと」かもしれません。

最後に託せる選手を育てる

最後にもう一度整理します。

エースとは:

  • 単にシュートがうまい選手ではない
  • 得点源になれる選手でもない
  • チームの「顔」でもない

そうではなく、

「最後の1秒で、このシュートを任せても後悔しない」

と思える選手、それがエースなのです。

そのために大切なのは、日々の積み重ね。

技術面での向上はもちろんですが、それ以上に人間性を磨くことが重要です。

私たち指導者は、そんなエースを1人でも多く育てていけたらいいですね。

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三原学
1981年、東京都生まれ。早稲田大学大学院卒。学生時代にマネージャーとなり、バスケ指導者を志す。 22歳から高校バスケ指導を始めて、早稲田実業高校ではウインターカップ出場、関東新人大会優勝。現在は母校の安田学園高校で監督を務める。選手が主役のチーム作り「ボトムアップ理論®︎」により、日本の部活動モデル校を目指している。 2024年から早稲田大学男子バスケットボール部のヘッドコーチも務める 日々学んでいる指導体験をブログやYouTube「バスケの大学」で発信して、総フォロワーは30,000人を超える。 日本バスケットボール協会公認A級コーチ、ジュニアエキスパートコーチ。ボトムアップ理論®︎エキスパートコーチ。 月刊バスケットボールにて「まんが戦術事典」を連載中。著書多数。
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