Voicy&インスタ

結果のために過程をぶらす 24-10-27 #406

こんにちは、三原です。いつもありがとうございます。

この記事はラジオの原稿です。

この放送は、Voicyでお話ししています。ぜひお聞きください

 

自分の色を出すことへの執着が、チームを弱くする

憧れていた「○○バスケット」という呼び名

私は若い頃、自分の色を出すことに執着していました。

「三原バスケット」と呼ばれるような、オリジナルの戦術を作りたい。

そんな思いで指導をしていました。

たとえば「うちは3アウト2インでポストプレー」とか。 「速攻は絶対に3人で」とか。

それこそ、365日変わらない練習メニュー。 どんな選手が来ても、このバスケットをやる。

なんとなく、それがかっこいいと思っていたんです。

変化することを恐れていた

今になって思えば、それは「変化を恐れていた」からかもしれません。

自分の信念を曲げることは、弱さの表れだと思っていました。

でも、とある出会いがその考えを変えてくれました。

元金沢総合高校の星沢先生との出会いです。

星沢先生はこうおっしゃいました。

「自分の指導方法が一貫している人は、続けて勝たせることができない」

この言葉は本当に衝撃的でした。

自分を疑う勇気

指導者として自分の方針を持つことは大切です。

でも、それと「頑固」は違う。

時には自分を疑う勇気も必要なんです。

たとえば、毎年選手は変わります。 ルールも変わります。 バスケット界のトレンドも変化していきます。

その中で、自分のやり方を変えないということは、実は「逃げ」なのかもしれません。

自分を変える努力を放棄しているだけなのかもしれません。

変えてはいけないものと、変えるべきもの

ここで誤解してほしくないのは、すべてを変えろと言っているわけではありません。

私の恩師である倉石平さんを例に挙げましょう。

倉石さんのバスケットは「ディフェンスを重視する」「走る」「パスワーク」という大きな括りは、数十年変わっていません。

でも、その中身は毎年アップデートされています。

つまり、変えてはいけないものと、変えるべきものがある。

それを見極めることが大切なんです。

本当の意味での「ぶれない指導」

そう考えると、本当の意味での「ぶれない指導」が見えてきます。

それは「プロセスをぶらして、結果をぶらさない」ということ。

目の前の選手に合わせて、選手の想像性や決断力を大切にする。

戦術で個性を消さない。

その時々の最善を尽くす。

でも、目指す結果は決して変えない。

私はYouTubeで情報発信を始めて5年が経ちます。

昔の動画を見返すと「今はそう思わないな」ということがたくさんあります。

それは恥ずかしいことではなく、むしろ誇れることだと思うようになりました。

なぜなら、それは私が成長している証だからです。

指導者の現状維持は衰退である。

この言葉を胸に、これからも自分をアップデートし続けていきたいと思います。

今日の参考文献

 

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ABOUT ME
三原学
1981年、東京都生まれ。早稲田大学大学院卒。学生時代にマネージャーとなり、バスケ指導者を志す。 22歳から高校バスケ指導を始めて、早稲田実業高校ではウインターカップ出場、関東新人大会優勝。現在は母校の安田学園高校で監督を務める。選手が主役のチーム作り「ボトムアップ理論®︎」により、日本の部活動モデル校を目指している。 2024年から早稲田大学男子バスケットボール部のヘッドコーチも務める 日々学んでいる指導体験をブログやYouTube「バスケの大学」で発信して、総フォロワーは30,000人を超える。 日本バスケットボール協会公認A級コーチ、ジュニアエキスパートコーチ。ボトムアップ理論®︎エキスパートコーチ。 月刊バスケットボールにて「まんが戦術事典」を連載中。著書多数。
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