こんにちは、三原です。
わたしたちの好きなバスケットボールは、いつどのように作られたのか、知ってますか?
競技の歴史を知ることで、愛着が湧き、ますますバスケットボールが好きになるはずです。
学校体育の授業の教材としても、活用してくださればと思い、この記事を書きました。
歴史なので諸説ありますし、細かなところは解釈も違うかもしれませんが、「わかりやすく」ということを優先して書いています。
YouTubeでも解説しています。ぜひこちらもご覧くださいませ。
1891年にネイスミス博士がつくった
バスケットボールは、1891年、アメリカのマサチューセッツ州スプリングフィールドで生まれました。この方です。
https://twitter.com/Hoophall/status/1324714993573531648?s=20
ネイスミス博士は、YMCAという学校で体育教師をしていました。
ある日、学生からの一言で、バスケットボールを作るきっかけを得ます。
どのようにして博士は、世界への贈り物を作ったのでしょうか。
冬でもできるラグビーを
当時、体育の授業に一番人気があったのはラグビーでした。
しかし、マサチューセッツ州は冬になると大雪で、外で授業ができない日が多いんです。
代わりに体育館でやるのは、マット運動とか跳び箱。
今も昔も、体育の授業は球技が人気なので、学生からはこんな声が出始めました。
- 先生、またマットですか?
- もう飽きちゃった。ラグビーやりたいよ。
- ねえ先生、体育館でもできるラグビー作ってよ!
こう言われたネイスミス博士は「たしかに!」と思いたち、作ってみる決心をしました。
ラグビーよりケガをなくそう
ラグビーはおもしろいスボーツです。
- 走る楽しさ
- ボールをつなぐ楽しさ
- 攻守の切り替えの楽しさ
こんな楽しさをそのままにしつつ、博士はある考えを持ちました。
ラグビーはケガが多い。授業でやるからには、楽しさはそのままに、ケガをしないルールにしよう
なんとも優しい先生じゃないですか。
そこで博士は「ラグビーのどの場面でケガが多いのか」を分析しました。
すると、はっきりわかったことは「タックルするからケガをする」ということです。
じゃあ、タックルが必要のないルールにしよう
博士の試行錯誤は始まりました。
ゴールが空中にあればいい
タックルをするのはなぜかというと
- ボールを持った人が走るから
- ゴールが平面にあるから
この2つだと博士は考えました。
ボールを持った人が突っ込んでくるから、タックルする必要があります。
そして、ハンドボールやサッカーなどもそうですが、ゴールが平面にあるから、その周辺でぶつかり合いが激しくなるんです。
この2つの要素を排除するために、博士はこう考えたのです。
ボールを持った人は走るのを禁止しよう。
そして、ゴールは空中にあればいいんだ。
現在でもシュートを描くために美しい放物線を描くバスケットボールの魅力は、こうして生まれたんです。
3つの奇跡
ボールを持った人が走るのを禁止するのはかんたんです。
ルールをそう決めればいいんですから。
問題は、どうゴールを空中におくか?でした。
「うーん、どうしよう」と悩みながら体育館を見渡す博士。
ここで3つの奇跡が重なり、バスケットボールは産声をあげます。
- 倉庫に桃のカゴがあった
- ちょうどいい大きさのサッカーボールがあった
- ランニングギャラリーの高さが305cm(10フィート)だった
たまたま倉庫にあった桃のカゴを見て、博士はひらめきます。
これはいい、これをゴールにしよう!
しかもちょうどいい大きさのサッカーボールもあるじゃないか!
さて、問題はどうやって「空中」につけようか。。。
Dr. James Naismith, the inventor of basketball, with his wife and the original peach basket he used for the first hoops game played at the Springfield, MA YMCA in 1891 pic.twitter.com/UeeGyu9QwM
— Bubble Gum Comics (@VinSportsNutz) November 18, 2017
カゴとボールを手に、博士は体育館の天井を見渡します。
そこで「あっ!!」と思いつくのです。
ランニングギャラリーにカゴをつけよう!
ちょうどいい高さだし!
#OTD. 1891: James Naismith referees his first basketball game. https://t.co/GAiflMoxFG pic.twitter.com/3SvQXYeqxA
— CanadaNY (@CanadaNY) December 21, 2015
すばらしいのは305cmというのが、当時のランニングギャラリーの高さであって、それが現在でもそのままってとこですね。
偶然決まった305cmが、激動の歴史を乗り越えて、今も受け継がれているってストーリーが、わたしには奇跡としか思えません。
名前は「バスケット」ね
学生にこのゲームを説明し、さっそく授業でやってみることに。
めちゃくちゃ盛り上がったそうです。
当時の様子を描いたスケッチはこちら。
Happy 122th birthday Basketball!! first game took place at YMCA 122 years ago!! #Twolves #NBA #basketball pic.twitter.com/6pklTU8QT0
— Mitsu (@mitsuaki) December 21, 2013
学生は本当に楽しんで、博士に感謝を伝えました。
- ラグビーより楽しいよ!
- 先生、ありがとう!
- ところで、このスポーツ、なんて名前?
いやー、名前まで考えてなかったよ。って感じで博士は困りましたが、
じゃあ「バスケットボール」にしよう!
「カゴ」だからバスケットね。
こうして、バスケットボールはYMCAを中心に世界に広がりました。
学生からは博士の名前をとって「ネイスミスボール」という名前にしようと意見もあったそうですが、「恥ずかしいから、やめよう」と断ったそうです。
これもまた、博士の人柄が見えるステキなエピソードですね。
ルールの変遷
最初に行ったときは、ルールは13条ありました。
ポイントだけわかりやすくすると
- ボールをカゴに入れたら得点
- ボールを持ったら動けない
- お互いに接触しちゃダメ
ということです。
人数や競技時間は試行錯誤の末、今の形になってますが、ここでは、その他のおもしろいルールの変遷をいくつか紹介します。
バックボード
最初はランニングギャラリーにカゴがついてるだけだったので、観客が手を伸ばせば、ギャラリーからシュートをブロックしちゃえました。
そんなずるいことをできないように、バックボードは取りつけられたそうです。
バックボードがあるからこそシュートの技術は発展したわけで、これもある意味で奇跡ですね。
ドリブル
ボールを持った人は動けません。
パスかシュートかしか許されないルールでした。
その中で、ずる賢い人がボールを
- ちょっと投げて
- いっしょに走って
- 自分でキャッチ
という技をやり始めました。
先生ー!あれズルですよ!
なんとかしてくださいよ!
でも一方で、こういう意見もありました。
いや、これはこれでおもしろい!
ちゃんとルールとして認めよう!
こうして、ドリブルが生まれました。
ドリブルがなければ、現在のようなバスケの楽しさはなかったでしょう。
ゴールをネットにした
桃のカゴは木でできてます。
ボールが入ると「ガボっ」とハマります。
今では信じられないですが、
- シュートが入ったら
- いちいち棒で突っついて出して
- ジャンプボールで再開
こうやってたそうです。
このツイートの動画、めちゃ貴重じゃないすか?
https://twitter.com/PorchBoyTony/status/1052077071931912192?s=20
いちいち棒で突っついて出す。
当たり前ですが、めんどくさいです。
なので、カゴのフチだけ残して、下はネットにしました。
こうすることでボールが通過するわけですね。
通過すれば、いちいちジャンプボールもしなくいいよね?となります。
現在のようなトランジションが生まれました。
わたしとしてはここが一番大きなポイントだったと思います。
このようにしてバスケットボール最大に魅力である
- 混ざるスポーツ
- 切り替えのスポーツ
という2大要素が、見事に形になったわけです。
https://twitter.com/coach_manabu/status/1297985015477727233?s=20
国際化の歴史
これだけおもしろいバスケットボールが世界に広まるのは、時間の問題でした。
広まれば大会を行おうとなるのは自然な流れでして、地域同士や国同士の試合をやろうとなります。
しかし、多くの国や地域でルールがずいぶんと違ったそうで、それを合わせる必要がありました。
FIBAは1932年にできる
そこで国際バスケットボール連盟、通称「FIBA(フィーバ)」が誕生です。
1932年、ヨーロッパでのことでした。
FIBAは今でも、国際バスケットボールの普及、発展に努めています。
オリンピックは1936年から
国際大会といえば、当然オリンピックですよね。
オリンピックは1936年のベルリン大会から、男子バスケットボールが正式種目になりました。
女子は1976年のモントリオール大会で正式種目に。
オリンピックのバスケといえば「ドリームチーム」なんて言葉が生まれたように、アメリカが通算成績では男女ともトップです。
https://twitter.com/usabasketball/status/1314021477084131328?s=20
2021年の東京大会からは、3人制バスケ「3x3(スリーエックススリー)」も正式種目になります。
https://twitter.com/coach_manabu/status/1244875914220953601?s=20
おわりに
バスケットボールの歴史をわかりやすく語りました。
バスケットボールはまだまだ未完成であり、魅力がたっぷりのスポーツです。
だからこそ、世界の競技人口で1位のスポーツなのです。
これからもバスケットボールを楽しみ、このすばらしい文化財を次世代につなぎましょう!
YouTubeでの解説は、もう少し詳しくしています。
そちらもぜひご覧になってくださいませ。
記事を最後までお読みくださり、感謝しています!
このブログをお読みのあなたは、きっとバスケの悩み、特にチームづくりのことでいろいろと悩んでいることでしょう。
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