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【実例】チームワークってこういうこと 24-9-21 #371

こんにちは、三原です。いつもありがとうございます。

この記事はラジオの原稿です。

この放送は、Voicyでお話ししています。ぜひお聞きください

 

チームワークの真髄 – 自分よりチームを選んだ4年生の物語

こんにちは、三原です。

今日は「チームワーク」について、私の大学時代の恩師である日比野弘先生から教わった感動のエピソードをお話ししたいと思います。

チームワークの大切さは誰もが知っていますが、具体的にどういうことなのか、なかなか分かりにくいものです。

でも、このお話を聞けば、きっと「なるほど、これがチームワークなんだ」と腑に落ちるはずです。

思いもよらぬ監督就任

まず、日比野先生がラグビー部の監督になった経緯からお話しします。

昭和45年、日比野先生は思いもよらず早稲田大学ラグビー部の監督に就任することになりました。

もともと別の方が推薦されていたのですが、その方の都合が悪くなり、急遽OB会の会計係だった日比野先生に白羽の矢が立ったのです。

「やるからには頑張ろう」と引き受けた日比野先生は、なんと1年目で学生選手権優勝を果たします。

重要な決断を迫られる

しかし、当時は学生日本一になっても、社会人チームに勝たないと本当の日本一とは認められない時代でした。

そこで、新日鉄釜石という強豪チームとの日本選手権決勝が控えていたのです。

ここで日比野先生は重大な決断を迫られます。

チームの主力で3年生のギャオス選手が、試合3日前に肩を痛めてしまったのです。

一方、4年生の黒田選手は、ずっと努力を重ねてきましたが、まだ公式戦の出場機会がありませんでした。

監督の葛藤

日比野先生は悩みました。

怪我をしているエースを使うか、それとも経験はないが頑張ってきた4年生を使うか。

当時はまだ選手交代のルールがなく、一度決めたメンバーで最後まで戦わなければなりませんでした。

もし怪我のギャオスを使って途中で退場となれば、14人での戦いを強いられ、勝ち目はなくなってしまいます。

4年生の驚きの一言

日比野先生は練習でスクラムを30回組ませ、ギャオスの状態を確認することにしました。

20回目が終わったところで、突然4年生の黒田選手が監督のもとに来てこう言ったのです。

「監督、ギャオスで行けますよ。いつも通りの当たりと押しが戻ってきました」

チームワークの真髄

この一言に、日比野先生は衝撃を受けました。

4年生の黒田選手は、自分が出場できるかもしれないチャンスを、後輩のギャオスに譲ったのです。

自分の思いを超えて、チームのために最善の選択をしたのです。

これこそが、本当のチームワークではないでしょうか。

結果、チームは見事に優勝を果たします。

試合後、ギャオスが真っ先に黒田のもとに駆け寄り、2人が抱き合う姿を見て、日比野先生は「この優勝は、あなたたちのおかげだ」と感じたそうです。

私は、このエピソードを聞いて、学生スポーツの素晴らしさを改めて実感しました。

勝利よりも大切なものがあること、チームのために自分を犠牲にできる心の強さ、そして仲間を信じる力。

これらすべてが、このエピソードには詰まっています。

皆さんは、どう感じましたか?

このような「チームファースト」の精神が、どんなチームにも必要なのではないでしょうか。

私たち指導者は、単に勝利を目指すだけでなく、このような心を育てることも大切な使命なのだと、改めて感じました。

今日のお話が、皆さんのチーム作りの参考になれば幸いです。

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三原学
1981年、東京都生まれ。早稲田大学大学院卒。学生時代にマネージャーとなり、バスケ指導者を志す。 22歳から高校バスケ指導を始めて、早稲田実業高校ではウインターカップ出場、関東新人大会優勝。現在は母校の安田学園高校で監督を務める。選手が主役のチーム作り「ボトムアップ理論®︎」により、日本の部活動モデル校を目指している。 2024年から早稲田大学男子バスケットボール部のヘッドコーチも務める 日々学んでいる指導体験をブログやYouTube「バスケの大学」で発信して、総フォロワーは30,000人を超える。 日本バスケットボール協会公認A級コーチ、ジュニアエキスパートコーチ。ボトムアップ理論®︎エキスパートコーチ。 月刊バスケットボールにて「まんが戦術事典」を連載中。著書多数。
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