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ファウルは4つまで良いこと 24-8-16 #335

こんにちは、三原です。いつもありがとうございます。

この記事はラジオの原稿です。

この放送は、Voicyでお話ししています。ぜひお聞きください

 

今日の参考文献はこちらです

https://basketballking.jp/news/world/olympic/20240814/501579.html

 

ファールは4つまで良いこと

こんにちは、三原です。

今日はファールについて、ちょっと違った視点からお話ししたいと思います。

「ファールするな」「ファールは悪いこと」

そんな風に教わってきた人が多いんじゃないでしょうか。

でも、実はファールって、4つまでなら積極的に使っていい武器なんです。

えっ、そんなの反則じゃないの?って思った人もいるかもしれません。

でも、ちょっと考え方を変えてみると、ファールの使い方次第で試合の流れを変えられるんです。

今日はそんなお話をしていきますね。

世界のトレンド、クロージングの判断

最近、バスケットボールキングさんのブログ記事で面白い記事を見つけました。

「パリオリンピックで見えた男子の世界バスケ6つのトレンド」

という記事です。

その中で特に興味深かったのが、「クロージングの判断」についてでした。

試合終了間際の判断が、世界のトレンドの1つになっているんです。

具体的にどんな場面だったのか、ちょっと紹介させてください。

8月8日の男子準決勝、フランス対ドイツの試合。

残り10秒、フランスが3点リードしている場面です。

普通なら、このまま守り切ればいい場面ですよね。

でも、フランスは驚くべき選択をしました。

あえてファールをする戦略

ドイツのスローインから、シュルーダー選手にボールが渡った瞬間。

フランスの選手が、あえてファールをしたんです。

えっ、勝ってるのにわざわざファール?

そう思いますよね。

でも、これには理由があるんです。

フランスはこの時点でチームファウルが5個。

つまり、フリースローを与えることになります。

結果、シュルーダー選手は1本目をミス、2本目を成功。

71-69の2点差でフランスボールとなり、そのまま逃げ切って勝利しました。

一見リスクがある作戦に見えますが、実はこれ、かなり計算された戦略なんです。

ファールの戦略的な使い方

なぜフランスはこんな作戦を取ったのでしょうか。

考えられる理由はいくつかあります。

  1. 時間を使わせる
  2. 3ポイントシュートを打たせない
  3. 自分たちでラストポゼッションを確保する

確かに、フリースローを2本とも決められて1点差になるリスクはあります。

最悪の場合、リバウンドからの3点プレーで逆転される可能性だってあります。

でも、フランスはそのリスクよりも、

「ファールで止めて、フリースローさせて、マイボールを取る」

という選択をしたんです。

これ、実はヨーロッパのチームを中心に浸透してきている考え方なんです。

ファールは4つまで積極的に使おう

さて、ここからが本題です。

ファールって、本当に絶対ダメなものなんでしょうか?

私は最近、こんなことを考えています。

「ファールは4つまでしていいもの。むしろ、やってくべきもの」

極端な話、スコアシートを見たときに、

全員のファールが4つずつ埋まっているチームの方が、

ノーファールのチームよりも、良い試合をしている可能性が高いんです。

例えば、こんな場面。

自分たちのオフェンスが失敗して、明らかに相手が速攻を出しそうなとき。

この時、ストップファールで止めるのは、実は良い選択肢なんです。

もちろん、明らかなアンスポーツマンライクファールはダメですよ。

でも、バスケットボールポジションを取りながらのファールなら、認められているんです。

ノーマークでイージーシュートを打たれるよりも、

ファールで止めて、スローインからの5対5で守る方が、

チャンスは高くなります。

ファールの使い方を教えよう

終盤のゲーム展開で、ファールは重要な武器になります。

負けているチームが残り時間を作るためにファールをするのは、よくある光景ですよね。

でも、勝っているチームでも、状況によってはファールが有効な場合があるんです。

例えば、残り2秒で相手がセットプレイを組んでいるとき。

ボールが入った瞬間にファールをして1秒削る。

こういった戦略的なファールの使い方を、もっと積極的に教えていいんじゃないでしょうか。

もちろん、危険な動作は絶対ダメです。

アンスポーツマンライクファールにならないよう、注意は必要です。

でも、戦術的なファールの使い方を教えることで、

選手のバスケットIQは確実に上がります。

終盤の駆け引きや状況判断力が身につくんです。

小学生でも中学生でも、こういったゲームの駆け引きは、

どんどん教えていっていいと思います。

ファールは絶対ダメ、ではなく、

4つまでは積極的に使える武器だと考えてみてください。

きっと、新しいバスケットの見方が広がるはずです。

いかがでしたか?

今日のお話、参考になりましたでしょうか。

ファールの考え方を少し変えるだけで、

チームの戦い方が大きく変わる可能性があります。

ぜひ、あなたのチームでも試してみてください。

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三原学
1981年、東京都生まれ。早稲田大学大学院卒。学生時代にマネージャーとなり、バスケ指導者を志す。 22歳から高校バスケ指導を始めて、早稲田実業高校ではウインターカップ出場、関東新人大会優勝。現在は母校の安田学園高校で監督を務める。選手が主役のチーム作り「ボトムアップ理論®︎」により、日本の部活動モデル校を目指している。 2024年から早稲田大学男子バスケットボール部のヘッドコーチも務める 日々学んでいる指導体験をブログやYouTube「バスケの大学」で発信して、総フォロワーは30,000人を超える。 日本バスケットボール協会公認A級コーチ、ジュニアエキスパートコーチ。ボトムアップ理論®︎エキスパートコーチ。 月刊バスケットボールにて「まんが戦術事典」を連載中。著書多数。
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