こんにちは、三原です。いつもありがとうございます。
この記事はラジオの原稿です。
この放送は、Voicyでお話ししています。ぜひお聞きください
こんな時タイムアウト取る?取らない?残り10秒で1点負けの場面
バスケットボールの指導をしていると、いつも悩むのがタイムアウトのタイミングです。
最近、NBAでこんな場面がありました。レイカーズ対ジャズの試合、残り10秒でレイカーズが105-104とリードしていた時です。
レブロンのシュートが外れ、ジャズがリバウンドを確保。セクストンがレイアップに行こうとした瞬間、ジャズのヘッドコーチがタイムアウトを請求しました。
このシーンには様々な意見があるようですが、今日は「残り10秒で1点負けている時、タイムアウトを取るべきか?」という視点でお話ししたいと思います。
タイムアウトを取る派の意見
タイムアウトを取る派の方々は、こう考えるでしょう。
「負けているんだから、最後の1本をしっかり作戦を立てて攻めたい」
「選手に冷静になってもらいたい」
「ファウルされても時計が止まるようにしたい」
確かにその通りです。
残り10秒という時間は、選手たちにとってはプレッシャーの掛かる時間。だからこそ、一度立ち止まって作戦を立て直したい気持ちはよく分かります。
タイムアウトを取らない派の意見
一方で、タイムアウトを取らない派の意見も分かります。
「相手がまだディフェンスに戻れていない」
「流れのままの方が攻めやすい」
「タイムアウトを取ると、相手にディフェンスを整える時間を与えてしまう」
わたしも、どちらかというとこちらの意見です。
確かに10秒という時間は短いですが、相手がオフェンスからディフェンスに切り替えるタイミングを突くことができれば、意外と良いチャンスが生まれます。
クイックリスタート vs セットプレー
実は、最後の10秒間という時間は、セットプレーを組み立てるにはとても難しい時間なんです。
長すぎもせず、短すぎもせず。
この時間でセットプレーを組み立てようとすると、相手にプレスされたり、わざとファウルされたり、色々と対策をされてしまいます。
それよりも、相手が切り替えられていない時にクイックリスタートで攻める方が、むしろ良いチャンスが生まれやすいのではないでしょうか。
タイムアウトの使い方
そもそも論として、タイムアウトは「最後の最後まで1個は残しておく」というのが鉄則です。
だからこそ、前半や第3クォーターでは、できるだけ我慢をして使わないようにしています。
「このままじゃ流れが悪くなる」と思っても、なるべく我慢。選手たちの力で乗り切ってほしいと思います。
わたしなりの考え
結論として、わたしだったら取らないと思います。
もちろん、状況によって変わることもあるでしょう。選手の調子とか、相手チームの特徴とか、色々な要素を考慮する必要があります。
でも基本的には「流れのままクイックリスタート」を選びます。
理由は以下の通りです。
・相手の切り替えを突ける ・セットプレーよりも意外性がある ・選手の直感を信じたい ・10秒という時間なら、一度の攻撃で勝負をかけられる
ただし、これはあくまでもわたしの考え方。
正解があるわけではありません。
むしろ、日頃からこういった場面を想定して、チームとして「どうするか」を話し合っておくことの方が大切だと思います。
タイムアウトを取る、取らない以前に、こういった緊迫した場面でチームとしてどう対応するのか。
それを普段から考えて、イメージトレーニングをしておく。
これが指導者として大切なことなのではないでしょうか。
バスケットボールの試合では、いつもこういった判断を迫られます。
その時々で正しい判断ができるように、選手と一緒に成長していきたいと思います。
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