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指導者なら人から好かれたいと思うな 24-11-23 #431

こんにちは、三原です。いつもありがとうございます。

この記事はラジオの原稿です。

この放送は、Voicyでお話ししています。ぜひお聞きください

 

指導者なら人に好かれようとするな – 距離感の使い方が重要だ

こんにちは、三原です。

今日は少し厳しい話をさせてください。

指導者として20年。

たくさんの失敗を重ねてきた中で、最近強く思うことがあります。

それは「指導者は人に好かれようとしてはいけない」ということ。

これは私の恩師からも言われましたし、多くの指導者の方々も同じことを口にします。

でも、なかなか実践は難しい。

理由は簡単で、人間誰しも好かれたいと思うものだからです。

特に教育者は「生徒のために」という気持ちが強いので、なおさらです。

しかし、これは本当に危険な考え方なんです。

今日はこの話をじっくりとさせてください。

管理職としての指導者

指導者というのは、実は管理職なんです。

会社で言えば部長や課長のような立場です。

・選手たちをまとめる ・保護者との関係を築く ・OBとの関わりを持つ ・学校や協会との調整をする

これらすべてが指導者の仕事。

単にバスケットを教えるだけではないんです。

例えば、試合のメンバー選考。

実力が伯仲していて、どちらを選ぶか迷うとします。

この時、「〇〇くんの方が真面目だし、いい子だから」という理由で選ぶのは絶対にダメです。

これは「好かれたい」という感情が入っているからです。

あるいは保護者会での意見。

「もっと試合に出してほしい」という要望が来るかもしれません。

この時、「わかりました、出すようにします」と安易に約束するのもダメです。

これも「嫌われたくない」という感情からです。

人間関係は大切です。

でも、それは後からついてくるもの。

まずは管理職としての役割を果たすことが先決なんです。

近づく時と離れる時

私が大切にしている考え方があります。

それは「情報収集の時は限りなく近く、決断の時は限りなく遠く」です。

まず、情報収集とは、

・選手の調子はどうか ・チームの雰囲気はどうか ・保護者の方々の考えは ・同僚の先生方の意見は

こういったことを知る時間です。

この時は、限りなく寄り添います。

話を聞き、気持ちを理解し、共感する。

休み時間に選手と話をしたり、

練習後に保護者と立ち話をしたり。

時には愚痴も聞きます。

なぜなら、正しい判断をするためには、情報が必要だからです。

でも、いざ決断となったら。

・メンバー選考 ・練習メニュー ・チームの方向性

この時は、限りなく遠くに。

自分の意見をはっきりと示し、それに従ってもらう。

例えば練習メニュー。

選手の意見を聞いて、アイデアをもらうのは大事です。

でも最終的には「今日はこれをやります」とはっきり決める。

これが指導者の仕事なんです。

強引と強力の違い

ここで誤解してほしくないのが、

「じゃあ、独裁的な指導者になれってこと?」

ということ。

そうではありません。

私はよく「強引」と「強力」という言葉を使い分けます。

強引というのは、自分の考えを一方的に押し付けること。

周りの意見は一切聞かず、思いつきで物事を進める。

・「私が言うんだから、これでいい」 ・「黙って言うことを聞け」 ・「反論は認めない」

こんな感じです。

一方、強力というのは、

・十分な情報収集をした上で ・様々な意見を踏まえて ・それでも自分の責任で決める

という姿勢です。

・「みんなの意見を聞いた上で、これが最適だと判断しました」 ・「いろいろ考えた結果です。従ってください」 ・「責任は私が取ります」

こんな感じですね。

見た目は似ているかもしれません。

でも中身はまったく違います。

仮面を被ることの覚悟

最近読んだ本に『リーダーの仮面』という本があります。

その中に「部下とは迷わず距離を取れ」という言葉があって、グッと心に刺さりました。

指導者である以上、

私たちは「仮面」を被らなければいけない時があります。

それは決して演技をするとか、偽物になるという意味ではありません。

自分の役割を理解して、それを全うするということ。

たとえば、私も練習前は必ず選手たちと雑談をします。

昨日見たテレビの話とか、好きな音楽の話とか。

でも練習が始まったら、それなりの距離感を保ちます。

なぜなら、それが指導者という仮面を被った私の役目だからです。

最後に大切なこと

今までの私の失敗は、

・選手に好かれたくて ・保護者に認められたくて ・周りから評価されたくて

余計なことをしてしまったことです。

特に若い頃は、「いい先生」と思われたくて仕方がありませんでした。

でも、それは違います。

むしろ、

・選手のためを思って厳しいことも言える ・保護者に対して正直に話ができる ・周りを気にせず信念を持って指導できる

そんな指導者の方が、結果的には信頼されるんです。

最後に私からのメッセージです。

指導者の皆さん。

人に好かれようとするのは、やめましょう。

その代わり、

・情報収集の時は限りなく近く ・決断の時は限りなく遠く

この使い分けを意識してみてください。

そうすれば、自然と信頼は集まってくるはずです。

これは20年かけて、やっと気づいた私の結論です。

あなたの気づきになれば幸いです。

今日の参考文献

 

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三原学
1981年、東京都生まれ。早稲田大学大学院卒。学生時代にマネージャーとなり、バスケ指導者を志す。 22歳から高校バスケ指導を始めて、早稲田実業高校ではウインターカップ出場、関東新人大会優勝。現在は母校の安田学園高校で監督を務める。選手が主役のチーム作り「ボトムアップ理論®︎」により、日本の部活動モデル校を目指している。 2024年から早稲田大学男子バスケットボール部のヘッドコーチも務める 日々学んでいる指導体験をブログやYouTube「バスケの大学」で発信して、総フォロワーは30,000人を超える。 日本バスケットボール協会公認A級コーチ、ジュニアエキスパートコーチ。ボトムアップ理論®︎エキスパートコーチ。 月刊バスケットボールにて「まんが戦術事典」を連載中。著書多数。
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