スローインのミスを減らす5つの教え方 ジュニア年代でまず伝えたい基本
こんにちは、三原です。いつもありがとうございます。
今日は、バスケットボールのスローインについてお話しします。
Instagramで、U12女子チームのアシスタントコーチの方から、こんなご質問をいただきました。
「スローインのパスミスが多く、そのまま失点につながってしまうことが課題です。パスを受ける選手の動きだけでなく、パッサーの判断やパスの精度にも問題があります。何か良い指導方法はないでしょうか?」
ジュニア年代では、よくある悩みだと思います。
せっかく頑張ってディフェンスをしても、スローインで簡単にボールを奪われて失点してしまう。しかも、それが接戦の終盤だったら、本当に悔しいですよね。
わたしは、こうしたミスを減らすためには、技術練習だけではなく、まず選手に「知識」を教えることが必要だと考えています。
今回は、スローインをする選手に教えたい5つのことと、パスを受ける側の基本的な立ち位置を紹介します。
スローインで教えたい5つの基本
① できるだけ後ろに下がる
最初に教えたいのは、スローインをするときに、エンドラインやサイドラインのギリギリに立つ必要はないということです。
ラインから後ろに下がれば、それだけディフェンスとの距離が広がります。
当然、ディフェンスの手にボールを当てる危険も減りますし、コート全体も見やすくなります。
これは、わたし自身が若い頃に審判をしていた経験から学んだことでもあります。
当時、先輩の審判から「三原さん、もっと後ろに下がって見た方がいいよ」と教わりました。
エンドラインのギリギリに立っていると、ゴール下の競り合いが見えにくいからです。
後ろに下がると、視野が広がります。
スローインも同じです。
選手には「もっと後ろに下がっていいんだよ」と教えてあげてください。
ただし、会場のスペースやスローインの位置に関するルールの範囲内で行うことが前提です。
② シュートを決められた後は動ける
2つ目は、相手にシュートを決められた後のスローインについてです。
通常のスローインでは、指定された場所から大きく横に移動することはできません。
しかし、相手のシュートが成功した後のエンドラインからのスローインでは、エンドラインに沿って移動できます。
これは非常に大きな違いです。
例えば、相手がオールコートプレスをしてきた場合、パッサーがその場に立ち止まっていると、パスコースが限定されます。
ところが、パッサー自身が移動すれば、ディフェンスとの位置関係が変わり、新しいパスコースが生まれます。
特に接戦の終盤では、選手が緊張して、このルールを忘れてしまうことがあります。
だからこそ、普段から「シュートを決められた後は動けるんだよ」と繰り返し伝えておくといいと思います。
③ ボールはオーバーヘッドに構える
3つ目は、ボールの構え方です。
スローインでディフェンスの手にボールを当ててしまう選手を見ていると、胸の前でボールを持ち、そのままパスを出そうとしていることがあります。
これでは、パスを出す位置が限定されてしまいます。
そこで、わたしがおすすめするのは、まずボールを頭の上に構えることです。
オーバーヘッドに構えることで、上からも下からも、左右にもパスを出しやすくなります。
ディフェンスが手を上げたら下を使う。下を守られたら上を使う。
このように、パスの選択肢を増やすことができます。
NBAやBリーグの選手を観察しても、スローインで頭上にボールを構える選手は多く見られます。
もちろん、すべてのパスを頭上から出す必要はありません。
大事なのは、ボールの出発地点を限定しないことです。
「ボールをもらったら、まず頭の上に構えてみよう」
これだけでも、パスの出し方が変わる可能性があります。
④ 5秒バイオレーションでもいいと教える
4つ目は、少し意外に思われるかもしれません。
それは「5秒バイオレーションでもいいんだよ」と教えることです。
もちろん、スローインを成功させることが一番です。
しかし、無理にパスを出して相手にスティールされ、そのままレイアップを決められるくらいなら、5秒バイオレーションになった方が良い場合があります。
なぜなら、5秒バイオレーションで相手ボールになっても、もう1度5対5のディフェンスができるからです。
一方、スローインを直接スティールされると、ディフェンスの準備ができないまま失点する可能性があります。
これは、24秒バイオレーションについても同じように考えられます。
時間がなくなったからといって、無理にボールを投げ、それを奪われて速攻につながるのであれば、バイオレーションを受け入れた方が良い場面もあるでしょう。
特に小学生には「5秒になったら絶対にダメ」という意識が強いかもしれません。
だからこそ、指導者がミスの種類を整理して教えてあげる必要があります。
バイオレーションもターンオーバーですが、すべてのターンオーバーが同じ危険性を持っているわけではありません。
⑤ スローインをする選手を決めておく
5つ目は、誰がスローインをするのかを決めておくことです。
意外と多いのが、そのときにボールの近くにいる選手がスローインをしてしまうケースです。
そうすると、普段あまりパスを出さない選手がスローインを担当し、ミスにつながることがあります。
わたしは基本的に、3番のフォワードがスローインをして、1番のガードがパスを受ける形が良いと考えています。
4番や5番の選手は、スクリーンをかけてガードをフリーにする役割です。
ただし、相手にシュートを決められた後は別です。
この場合は、ゴール下にいる4番や5番の選手がスローインをして、1番のガードが受けるようにしています。
これは、リバウンドから速攻に移るときと似た考え方です。
大きな選手がゴール下でボールを確保し、ガードが前方でボールを受ける。
こうした役割をあらかじめ決めておけば、選手たちが迷うことも減ります。
もちろん、チームの選手構成によって最適な役割は変わりますが、基本形を決めておくことには意味があると思います。
パスを受ける側の立ち位置は3種類
ここまで、スローインをする側の5つのポイントについてお話ししました。
しかし、いくらパッサーが良い判断をしても、パスを受ける選手が適切に動かなければ、スローインは成功しません。
そこで、受ける側の基本的な立ち位置も紹介します。
わたしは、まず3種類を覚えておけばいいと思っています。
ボックスセット
4人の選手が四角形になるように並ぶ形です。
エンドラインからのスローインでも、サイドラインからのスローインでも使えます。
この配置からスクリーンをかけ合ったり、カットをしたりして、パスを受けるスペースを作ります。
フラットセット
4人の選手が横1列に並ぶ形です。
選手が横に並ぶことで、ディフェンスの立ち位置をある程度限定できます。
そこからカールカットをしたり、スクリーンを使ったりして、ボールを受けに行きます。
スタック(ライン)セット
選手同士が近い位置に並ぶ形です。
縦に並ぶこともあれば、横方向に密集することもあります。
ディフェンスが守りにくい位置関係を作り、そこから一斉に動き出すことでスペースを生み出します。
この3つの形を知っておけば、複雑なセットプレーを覚えなくても、スローインの基本的な動きを整理できます。
最初は難しい動きを教えるよりも、「まずこの形に並ぼう」と決めておくだけでもいいと思います。
技術を練習する前に、知識を教える
今回紹介した5つのポイントは、どれも特別な能力が必要なものではありません。
後ろに下がることも、頭上に構えることも、シュート成功後に動けることも、知っていればすぐに取り組めます。
わたしは、こうしたことを選手に教えないまま、「もっと正確にパスしよう」「ミスをするな」と言っても、なかなか改善しないと思っています。
もちろん、パスの正確性や判断力を高める練習は必要です。
ただ、その前に指導者が教えられることがあるのではないでしょうか。
スローインのミスを1本減らせば、相手の攻撃機会を減らすことができます。
接戦では、その1本が勝敗を分けることもあります。
特にジュニア年代の指導者の方には、ぜひ今回の内容を明日の練習から試していただきたいです。
また、具体的なスローインのセットプレーについて知りたいという方が多ければ、今後の動画でも解説したいと思います。
皆さんのチームで使っているスローインの工夫や、うまくいかなかった経験なども、ぜひ教えてください。
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