こんにちは、三原です。いつもありがとうございます。

バスケットボールのオフェンス戦術には、流行があります。

昔のバスケと今のバスケを比べると、明らかに形が違いますよね。

ルールの変更もありますし、選手の能力も上がっています。その中で自然とオフェンスの考え方も変化してきました。

わたしなりに歴史を振り返ってみると、だいたい10年ごとに大きな流れが変わっているように感じます。

この歴史を知っておくと、

  • 今年のチームはどんなオフェンスにしようか
  • 流行っている5アウトを、本当にやるべきなのか

そんな悩みを考えるヒントになります。

1980年代から2020年代まで、オフェンスはどう変わったか

1980年代に世界的に流行した代表的なオフェンスが、フレックスオフェンスです。

横のスクリーンと縦のスクリーンを連続して使い、5人が決められた場所を循環していく。今でもスローインなどの一部分で使われることがあります。

1990年代になると、そこからもう少し柔軟になって、モーションオフェンスが広がっていきます。

ガード、フォワード、センターというそれぞれの特徴を生かしながら、スクリーンやカットを連続させる。

わたしは高校生を指導する立場として、このモーションオフェンスがとても好きです。育成という意味でも、選手がいろいろなプレーを経験できる良さがあると思っています。

2000年代になると、NBAの影響もあってトライアングルオフェンスが大きく注目されました。

スペーシングを整理し、3対3と2対2を組み合わせながら、優れた1対1を生かすオフェンスです。

わたし自身もチームで取り組んだことがあります。

ただ、やってみて感じたのは、やはり1対1の能力が必要だということです。

スペースは作れても、その1対1で得点できなければオフェンスは成立しません。

そこで2010年代になると、個人だけに任せるのではなく、オンボールスクリーンを使って2対2で崩す形が広がっていきました。

同じ頃には、ドリブルドライブモーションも登場します。

つまり大きな流れとしては、

「パスを中心に全員が動く」
から、
「スペースを広くして、ドリブルや1対1を生かす」

方向へ変化してきたわけです。

そして2020年代は、その流れがさらに進み、5アウトが主流になっています。

流行っているオフェンスが、自分のチームに正しいとは限らない

こうやって歴史を見ると、オフェンスはだんだん**「広く」**なっています。

そして選手の技術が上がり、1人1人ができることも増えてきました。

だから5アウトが広がるのは、自然な流れだと思います。

ただし、

「今は5アウトが流行っているから、うちも5アウト」

という考え方には、少し注意が必要です。

たとえばモーションオフェンスをやった方が、いろいろなスクリーンやカットを覚えられて、選手が成長するチームもあるでしょう。

ドリブルドライブをやりたいと思っても、ドライブを武器にできる選手がいなければ、なかなか良さは出ません。

5アウトにすることで、逆にある選手の得意なポストプレーを消してしまうこともあります。

古いオフェンスだから悪い。
新しいオフェンスだから良い。

そんなことではありません。

大事なのは、

「今いる選手に、どの形が合っているのか」

を考えることです。

これからは、さらに「速い」オフェンスになる

では、この先はどうなるのか。

わたしは、これからは**「より速い時代」**になると思っています。

フレックスオフェンスが盛んだった時代には、ショットクロックが今より長く、ハーフコートで何度もパスを回し、スクリーンをかける時間がありました。

しかし今は24秒ですし、オフェンスリバウンド後などは14秒になります。

複雑なハーフコートオフェンスを組み立てる時間は、どんどん短くなっています。

だからこれからは、

「複雑で、相手が読めないオフェンス」

よりも、

「シンプルで、わかっていても止められないオフェンス」

の価値が高まると、わたしは考えています。

特に重要になるのがトランジションです。

  • 相手のディフェンスが整う前に並ぶ
  • 早くスペースを作る
  • 早く攻める

ハーフコートで何度も形を作ること以上に、トランジションオフェンスに時間をかけるチームが、これから増えていくのではないでしょうか。

もちろん、これも「速い方が絶対に正しい」という話ではありません。

歴史を知ったうえで、

  • 自分たちには何が合うのか
  • 今いる選手の良さを、どんな形なら生かせるのか

そこを考えることが指導者の仕事です。

流行をそのまま追いかけるのではなく、過去から今までの流れを知って、自分たちなりの答えを探す。

オフェンス作りで悩んでいる方は、ぜひ1度、自分たちの戦術をこの歴史の流れの中に置いて考えてみてください。

今までとは少し違った見え方がするかもしれません。

わたし自身も、現場で試し、失敗し、また考えながら、自分たちに合うバスケットを探していきたいと思います。


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ABOUT ME
三原学
1981年、東京都生まれ。早稲田大学大学院卒。学生時代にマネージャーとなり、バスケ指導者を志す。 22歳から高校バスケ指導を始めて、早稲田実業高校ではウインターカップ出場、関東新人大会優勝。現在は母校の安田学園高校で監督を務める。選手が主役のチーム作り「ボトムアップ理論®︎」により、日本の部活動モデル校を目指している。 2024年から早稲田大学男子バスケットボール部のヘッドコーチも務める 日々学んでいる指導体験をブログやYouTube「バスケの大学」で発信して、総フォロワーは30,000人を超える。 日本バスケットボール協会公認A級コーチ、ジュニアエキスパートコーチ。ボトムアップ理論®︎エキスパートコーチ。 月刊バスケットボールにて「まんが戦術事典」を連載中。著書多数。
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