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コーチングの本質は「自立を促すこと」 – 失敗体験から学ぶ大切さ
こんにちは、三原です。
今日はコーチングの本質について、私なりの考えをお話ししたいと思います。
20年近くバスケットボールの指導に携わってきた経験から、コーチングの目的は「選手の自立を促すこと」だと強く感じています。
なぜそう考えるのか、どうすれば選手の自立を促せるのか。
具体的に掘り下げていきましょう。
コーチングとは何か?
まず、コーチングの定義から考えてみましょう。
私は以下のように考えています:
- 現状を把握する
- 目標を設定する
- 現状と目標のギャップを埋める方法を、相手の内側から引き出す
特に重要なのは3つ目のポイントです。
「相手の内側から引き出す」というのがキーワードになります。
なぜ「内側から」が大切なのか
例えば練習試合をした後、監督である私が一方的に:
「ディフェンスが課題だ」 「リバウンドが弱い」 「得点力不足だ」
などと思っても、肝心の選手たちが何も感じていなければ意味がありません。
むしろ、選手たち自身が:
「あ、ディフェンスがダメだったな」 「リバウンド負けてたな」 「シュートが入らなかったな」
と感じることが大切なんです。
つまり、課題意識を持つのは監督ではなく選手自身であることが理想的なんですね。
これは単にバスケットスキルの向上だけでなく、人間としての成長にもつながります。
自分で考え、行動する力。これこそが、将来社会に出てからも役立つ真の「力」になるはずです。
失敗体験からこそ学べる
では、どうすれば選手の内側から課題意識を引き出せるのか?
答えは「失敗させること」です。
人間は成功体験からも学びますが、より強く学ぶのは失敗体験からです。
具体的な例を挙げましょう:
残り数秒で1点リードしている場面。 ボールを持った選手が緩いドリブルをしてスティールされ、逆転シュートを決められてしまう。
この体験から、その選手は:
「ボールハンドリングの甘さが勝負を決めてしまった」 「今までの練習では足りなかった」
ということを痛感するはずです。
こういった失敗体験こそが、次の練習へのモチベーションになるんです。
もちろん、これは試合中の極端な例です。 日々の練習の中でも、同じようなことが起こります。
例えば:
- パス練習で、思ったところにパスが通らない
- シュート練習で、連続して外してしまう
- 1on1の練習で、何度もディフェンスに抜かれる
こういった小さな「失敗」の積み重ねが、選手の成長につながるんです。
理想的な成功/失敗の割合とは?
では、普段の練習ではどのくらいの割合で失敗体験を設計すべきでしょうか?
私の考えでは:
- 成功体験: 6割
- 失敗体験: 4割
くらいが理想的だと思います。
完璧にできる練習ばかりでは、選手は成長できません。 かといって、失敗ばかりでは自信を失ってしまいます。
この割合を意識して練習メニューを組み立てていくことが大切です。
ただし、これは絶対的な数字ではありません。 選手のレベルや、チームの状況によって変わってきます。
例えば:
- 試合直前は成功体験を増やし、自信をつけさせる
- 新しい戦術を導入するときは、失敗体験が多くなっても仕方ない
- 精神的に落ち込んでいる選手には、成功体験を多く与える
など、状況に応じて調整が必要です。
大切なのは、「適度な失敗」を意識することです。
具体的な練習方法
失敗体験を適度に組み込むには、以下のような工夫が考えられます:
- ゲーム形式・対人練習を増やす
- 実践的な状況下では、予期せぬことが起こりやすい
- 相手がいることで、難易度が自然と上がる
- ドリルの難易度を少し上げる
- 例: パス練習の距離を少し伸ばす
- 例: シュート練習でゴールまでの距離を変える
- 時間や回数の制限を設ける
- 例: 「30秒以内に5本決める」
- プレッシャーがかかることで、普段できることができなくなる
- 疲労状態での練習を取り入れる
- 体力的にきつい状況で技術練習をすることで、集中力が試される
- 複数の要素を組み合わせる
- 例: ドリブル→パス→シュートの連続練習
- 複雑な動きになることで、ミスが生まれやすくなる
要は、少し背伸びをさせるような課題設定をするということです。
完璧にできなくても構いません。 むしろ、できないことがあった方が良いんです。
そこから「ここをもっと練習しないと」という気づきが生まれるからです。
失敗を恐れない環境づくり
ここで注意したいのは、単に失敗させればいいわけではないということです。
大切なのは、失敗しても大丈夫な環境をつくること。
選手が萎縮して、チャレンジすることを恐れるようになっては本末転倒です。
そのために、コーチとして心がけたいことがあります:
- 失敗を責めない
- 「なんでできないんだ!」ではなく「どうすればできると思う?」
- プロセスを評価する
- 結果だけでなく、そこに至るまでの努力を認める
- 失敗から学ぶことを促す
- 「次はどうすればいいと思う?」と、考えさせる
- 自分(コーチ)の失敗も認める
- 完璧を求めすぎず、自分の間違いも素直に認める
- 挑戦することを褒める
- たとえ失敗しても、新しいことに挑戦する姿勢を評価する
このような環境があれば、選手たちは安心して失敗し、そこから学ぶことができるはずです。
まとめ – コーチングの目的は自立
ここまでの話をまとめると:
- コーチングの目的は選手の自立を促すこと
- 自立を促すには、選手の内側から課題意識を引き出すこと
- 課題意識を引き出すには、適度な失敗体験が必要
- 理想的には成功6:失敗4くらいの割合で練習を設計する
- 失敗を恐れない環境づくりが重要
ということになります。
私たちコーチの仕事は、選手が自ら考え、行動できるよう導くこと。
そのために、適切な環境設定をしていくことが大切なんです。
みなさんも、ぜひ普段の練習を見直してみてください。
「形を教える」だけになっていませんか? 「失敗させない」ことに注力しすぎていませんか?
少し視点を変えて、「適度な失敗」を組み込んでみてはいかがでしょうか。
きっと、選手たちの成長につながるはずです。
最後に、これは単にスポーツの指導だけでなく、教育全般に言えることだと思います。
子どもたちの自立を促し、社会に出てからも活躍できる人材を育てる。
それこそが、私たち指導者の本当の役割なのではないでしょうか。
今日はここまで。 また次回お会いしましょう!
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