こんにちは、三原です。いつもありがとうございます。
この記事はラジオの原稿です。
この放送は、Voicyでお話ししています。ぜひお聞きください
今日は「例えダラダラでも、続ける意味」というテーマでお話しします。
「ダラダラ」という言葉、あまり良い印象がないですよね。でも、指導者として20年近く経験を積んでくると、このダラダラという概念がすごく大事なんじゃないかと最近思うようになってきました。
まず、「ダラダラ」の反対語を考えてみましょう。全力、全速力、やる気…そんな言葉が浮かぶと思います。私たち指導者は、選手たちに常に全力を尽くせと教えています。それはもちろん正しいのですが、一方で「ダラダラでもいいから毎日のように続けていくこと」の重要性に気づかされたんです。
結果を出すために本当に大切なこと、それは意外にも「やる気」ではないんです。では何かというと、それは「チャンス」や「機会」、そして「タイミング」なんです。
具体的な例を挙げて説明しましょう。
バスケットボールの試合で、あなたがシューターだとします。40分間の試合で求められる仕事は何でしょうか?それは「シュートを決めること」ですよね。40分間全力で走り続けることではありません。
全力で走り続けて、肝心なシュートのチャンスを逃してしまったら、シューターとしての仕事はできていないことになります。大切なのは、例えダラダラしていても良いから、そのシュートチャンスが来た時に全速力を出してシュートを決めることなんです。
人生も同じようなものだと思います。ずっと1つのことを続けていって、そして「ここぞ」というタイミングでしっかりと結果を出す。そんなことがすごく重要なんじゃないでしょうか。
逆に言えば、自分にとってのチャンスや機会、タイミングが来るまで、例えダラダラでもいいから続けていくことが大切なんです。
私自身、バスケットボールの指導者として20年間やってきて、本当にそう思います。やる気に頼りすぎると、このチャンスやタイミングを逃してしまう、あるいはチャンスが来る前にやめてしまう人が結構いるんです。
やる気がある時だけ頑張って、ない時は何もしない。そんな風になると、本当のチャンスを生かしきれない気がするんです。
やる気というのは不思議なもので、何事も一番やる気があるのは最初なんですよ。新しいチームを持った時とか、新しく先生になった時とか。そういう時が一番やる気に満ちています。
数字で例えると、自分は0点からスタートして、平均点の60点に行くまでの頃が最もやる気があるし、どんどん上達もするんです。やればやるほど、勉強すればするほど上達するし、うまくもいきます。
ただ、60点くらいになってくると、今度は60点から80点に上げるのが物凄く時間がかかったり、難しくなったりするんです。そうなると、「昔ほど上達していない」とか「何年やっても強くなれない」とか、そんなことを考えてだんだんやる気がなくなってくるんです。
そうなると、「もう勉強するのやめた」とか「もう新しいことを試すのはやめた」とか。バスケットボールのコーチは続けていても、新しいチャレンジをする、新しいことをやっていくということをやめてしまったりすることが多くなってきます。
けれども、例えダラダラでも毎日何らかの勉強をして、毎日何らかの新しいチャレンジをして、毎日何らかの新しい失敗をして、試行錯誤をして自分を磨き続けることが、すごく大事だと最近思うんです。
やる気がない時に「今やる気が出ないから」「昔みたいに情熱がなくなったから」「もうコーチとして自分は諦めよう」「もういいや」と思ってしまうんじゃなくて。やる気というのは不思議なもので、それは駆け出しの頃、真っ白な頃にガーっと頑張って結果が出て、なんか上達した気がするのは当たり前なんです。
ある程度熟練してきたら、そこからさらに上に行く。テストの点数で言うんだったら、80点を81点にする、82点にする。これはめちゃくちゃ大変なわけです。
あなたは多分、私のVoicyを聞いてくださるほど熱心な方なので、そのくらいのレベルにいると思うんです。もう経験も積まれていると思うし、やっぱりこう熟練をしてきているから伸びにくいフェーズに入ってきていると思うんです。
その時に、例えダラダラでもいいから勉強を続ける、チャレンジを続けるということがすごく大事だと思っていて、やる気がないからもう自分の成長をやめたっていう風にしちゃわないっていうことがすごく大事だと思うんです。
例えダラダラでも続けていれば、必ずこう機会やチャンスが訪れる時があるんです。すごくいい人との出会いがあったとか、それこそ選手が揃ったとか、大会の組み合わせが良くなったとか。いろんな機会やタイミングって必ず来るんです。
時代の流れとか、本当にいろんなものが来るんで、その時に一気にこう結果を出す。シューターが「ここ」っていう時にシュートを沈めるように、一気に結果を出すってことができるためにも、歩みを止めない、成長を止めないっていうことがすごく重要かなという風に思います。
私も20年くらいやっているんですけど、やっぱり悩む時もあったし、今も毎日悩んでいるんです。そういうことの連続で、なんかこう昔の方が良かったなって思う時もあるんですが、そういうことではなくて、例えダラダラでもいいから続けていくと、そしたら必ず自分の機会やチャンスが訪れて、そのタイミングに一気にこう結果を出すようなことに繋がったりするので。
例えダラダラでもいいから続けていく。こういったことを私は最近思うし、選手たちにも是非とも、例えダラダラでもいいからとにかく成長を続けると。1日1mmでもいいからやるべきことをやって成長していく。もうすごく頑張らなくていい、とにかくダラダラでもいいから続けていく、歩みを止めないということが大事なんだよっていうことは、言っていってあげてもいいのかなという風に思います。
結局のところ、私たちコーチや選手にとって大切なのは、「継続」なんです。たとえそれがダラダラとしたものであっても、続けることに意味があるんです。なぜなら、それが将来のチャンスや機会、タイミングを掴むための準備になるからです。
ダラダラと続けることで、以下のようなメリットがあります:
1. 習慣化:毎日少しずつでも続けることで、それが習慣になります。習慣化されると、やることが当たり前になり、精神的な負担が減ります。
2. 知識や経験の蓄積:たとえ小さなことでも、毎日続けることで知識や経験が蓄積されていきます。これらは将来、大きな価値を持つことがあります。
3. 気づきの機会:日々の小さな実践の中で、思わぬ気づきや発見があることがあります。これらが新たなアイデアや改善につながることがあります。
4. レジリエンスの向上:たとえダラダラでも続けることで、諦めない心、粘り強さが身につきます。これは人生のあらゆる場面で役立つスキルです。
5. チャンスへの備え:継続することで、いつチャンスが来ても対応できる準備状態を保つことができます。
ただし、ここで注意しなければならないのは、ダラダラと続けることと、ただ惰性で同じことを繰り返すことは違うということです。ダラダラでも良いから続けるというのは、常に小さな改善や新しい試みを取り入れながら、前に進み続けるということです。
例えば、毎日10分でもバスケットの戦術書を読む、新しいドリルを1つ考える、選手との対話の時間を設ける、他のスポーツからヒントを得るなど、小さなことでも新しい要素を取り入れ続けることが大切です。
また、ダラダラと続けることの中にも、時々の振り返りや自己評価を組み込むことも重要です。「今の自分はどこにいるのか」「何が足りないのか」「次は何を学ぶべきか」といったことを定期的に考える時間を持つことで、ただの惰性ではない、意味のある継続ができるでしょう。
最後に、ダラダラと続けることの大切さを理解しつつも、時にはしっかりと休息を取ることも忘れないでください。休息もまた、長期的な継続のために必要な要素です。適度な休息を取りながら、でも完全に止まることなく前に進み続ける。そんなバランスの取れた姿勢が、長期的な成功につながるのだと私は信じています。
皆さんも、今日からダラダラでもいいから何か新しいことを始めてみませんか?それが将来、思わぬ形で大きな結果をもたらすかもしれません。バスケットボールの世界でも、人生でも、継続は力なり。その言葉の真の意味を、私たちは常に心に留めておく必要があるでしょう。
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