こんにちは、三原です。いつもありがとうございます。
この記事はラジオの原稿です。
この放送は、Voicyでお話ししています。ぜひお聞きください
こんにちは、三原です。今日は少し変わったテーマでお話しします。
「下手になるための練習」について。
えっ、下手になる練習?って思いましたよね。実は、これは反復練習の落とし穴についての話なんです。
バスケットボールの上達に欠かせない反復練習。でも、やり方を間違えると逆効果になることもあるんです。今日はその秘密と、効果的な反復練習のコツをお伝えします。
反復練習の真の力:実践練習では上手くならない?
まず、驚くべき事実からお話ししましょう。実は、実践練習では上手くならないんです。
これは、UCLAの名将ジョン・ウデンのエピソードがたくさん書かれている『成功する練習の法則』という本に出てくる考え方です。この本では、「瞬時の判断力を身につけるのは実践練習ではなく、動作の習慣化のための反復練習だ」と主張しています。
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一見すると逆に思えませんか?何度も同じ動作を繰り返していると、それしかできなくなるような気がします。実践練習をすればいろんな状況に触れられるので、判断力が増えそうな気がしますよね。
でも、この本ではそれを明確に否定しているんです。なぜなら、人は同じ動作を何度も繰り返すことで、その動きを習慣化できるからです。習慣化された動きは、考えなくても体が勝手に動く状態になります。これを「感性で表現している」なんて言ったりします。
歯磨きに学ぶ:習慣化の力
習慣化の力を理解するには、歯磨きを例に考えるとわかりやすいです。
最初は意識して行っていた歯磨きも、毎日の繰り返しで大体体が勝手に動くようになります。同じ場所から磨き始めて、大体同じくらいの時間で終わる。それを特に意識せずにやっていますよね。
これと同じことがバスケットのスキルでも起こるんです。ドリブル、シュート、パス。これらの基本動作を繰り返し練習することで、試合中に意識せずにできるようになる。そうすると、他のことに意識を向けられるようになり、とっさの判断もできるようになるんです。
一流選手の秘密:地味なドリルの繰り返し
ここで疑問に思う人もいるでしょう。「試合中はいろんな状況があるんだから、いろんな状況を体験する実践練習の方が大事じゃないの?」
確かに一理ありますが、一流の選手ほどファンダメンタルを大事にしているんです。本当に地味なドリルを日々毎日行っている。YouTubeでプロ選手の練習を見ると、その地味さに驚かされることがあります。
なぜなら、基本動作が完全に習慣化されていれば、試合中の複雑な状況にも対応できるからです。歯磨きをしながら他のことを考えられるのと同じように、ドリブルやシュートを打ちながら、周りの状況を判断できるようになるんです。
反復練習の落とし穴:「飽き」という敵
ここまで反復練習の素晴らしさを語ってきましたが、実は大きな落とし穴があります。それは「飽き」です。
反復練習の効果は絶大ですが、同じことを繰り返していると必ず飽きが来ます。そうすると、だんだんと細かいところがおろそかになり、雑になってくるんです。
ここで今日のタイトル「下手になるための練習」の正体が明らかになります。下手になるための練習とは、実は「飽きた状態での反復練習」なんです。
正しい動作の習慣化を目的とするはずの反復練習が、飽きによって雑な動作の繰り返しになってしまう。すると、悪い習慣を身につけるための時間になってしまうんです。
例えば、ボールをキャッチしてミートして、ドリブルの突き出しの練習をする。毎日同じことの繰り返しで、だんだん適当になってくる。そうすると、知らず知らずのうちにトラベリングのステップを毎日練習していたりする。これでは上達どころか、下手になってしまいますよね。
飽きを防ぐ:技術練習のポイント
では、どうすれば反復練習を効果的に行えるのでしょうか。ポイントは「細かいところを省かない」ことです。
具体的には:
- 丁寧に教える:細かい動作の意味や重要性を説明する
- いろんなアドバイスを送る:同じ動作でも違う角度からアプローチする
- 間違いをすぐにフィードバック:誤った動作を即座に修正する
- 目的を話す:なぜこの練習が必要なのかを理解させる
- 動きに変化をつける:同じ動作でも少しずつバリエーションを加える
- 数値目標を設定する:達成感を味わえるようにする
ただし、単に細かく指導するだけでは「うるせえな」という反発を招く可能性もあります。ここで大切になってくるのが、指導者の情熱です。
指導者の役割:情熱で飽きを吹き飛ばす
反復練習を効果的に行うためには、指導者の役割が非常に重要です。苦しく、飽きやすい反復練習を、いかに飽きさせずにやり遂げるか。ここが指導者の腕の見せどころなんです。
具体的には:
1. 練習の目的を明確に伝える
2. 選手一人一人の進歩を認める
3. 時には冗談を交えて雰囲気を和ませる
4. 選手の疑問や不安に丁寧に答える
5. 自分自身も一緒に汗をかく
こういった指導者の姿勢が、選手たちの「やる気」を引き出し、飽きを防ぐんです。
反復練習を成功させるためのチェックリスト
ここまでの内容をまとめて、反復練習を成功させるためのチェックリストを作ってみました。
– [ ] 練習の目的を明確に説明しているか
– [ ] 細かい動作の重要性を伝えているか
– [ ] 間違いをすぐにフィードバックしているか
– [ ] 練習にバリエーションを持たせているか
– [ ] 数値目標を設定しているか
– [ ] 選手の進歩を認めているか
– [ ] 練習の雰囲気は良好か
– [ ] 自分自身も熱心に指導しているか
このチェックリストを意識しながら練習を組み立てれば、効果的な反復練習ができるはずです。
最後に:苦しいけど笑って終われる練習を
反復練習は確かに苦しいものです。でも、その苦しさを乗り越えた先に、大きな成長があるんです。
指導者の細かさと情熱によって、苦しいけども最後は毎回笑って終われる。そんな練習ができれば理想的ですね。
バスケットボールの技術向上に、反復練習は欠かせません。でも、ただ漫然と繰り返すのではなく、目的を持って、細かいところまで意識しながら行うことが大切です。そうすれば、「下手になるための練習」ではなく、確実に上達するための練習になるはずです。
みなさんも、ぜひ今日からの練習に、この考え方を取り入れてみてください。きっと、新しい発見があるはずです。
最後に、よくある質問にお答えしておきましょう。
Q. 反復練習と実践練習のバランスはどうすればいいですか?
A. これは年齢や技術レベルによって変わってきます。基本的に、技術の習得段階では反復練習の比重を多くし、ある程度技術が身についてきたら徐々に実践練習の割合を増やしていくのがいいでしょう。ただし、どんなに上達しても、基本的な反復練習は欠かさないことが大切です。
Q. 飽きずに反復練習を続けるコツはありますか?
A. 自分自身で目標を設定することが効果的です。例えば、「今日は100本シュートを決める」とか「ドリブルの回数を昨日より10回増やす」など。また、音楽を聴きながら練習したり、仲間と競争しながら練習するのも良いでしょう。要は、楽しみながら続けられる工夫を見つけることが大切です。
Q. 反復練習で身につけた動きが、実戦でうまく使えません。どうすればいいですか?
A. これはよくある悩みです。反復練習で身につけた動きを実戦で使えるようにするには、徐々に実戦に近い状況での練習に移行していく必要があります。例えば、ノーマークでのシュート練習から始めて、徐々にディフェンス付きの練習に移行する。または、決まったパターンの動きの練習から、状況判断が必要な練習へと段階的に移行していくのがいいでしょう。
今日の話が、みなさんのバスケットボール人生の何かしらの役に立てば嬉しいです。質問や感想があれば、いつでもコメントしてください。一緒にバスケットボールについて深く考え、学んでいきましょう。
それでは、また次回お会いしましょう。バスケットボール、面白いですよ!
三原学でした。
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