こんにちは、三原です。いつもありがとうございます。
この記事はラジオの原稿です。
この放送は、Voicyでお話ししています。ぜひお聞きください
忘れられたバスケットボール技術「ピボット」〜時代の流れとともに失われつつある大切な基礎技術〜
時代とともにバスケットボールの技術は進化し続けています。
でも、その進化の中で忘れ去られようとしている技術があるんです。
それが「ピボット」です。
今日は、この忘れられつつあるけれど、実はとても重要な技術についてお話ししたいと思います。
リスナーさんから、こんな質問いただきました
三原先生が思う「美しい選手って誰ですか?」
この問いに答えていきます
バスケットボールの本質は「ボディバランス」と「フットワーク」
バスケットボールの本質って何だと思いますか?
有名なコーチ、ピート・ニューウェルさんの言葉を借りると、それは「ボディバランス」と「フットワーク」なんです。
ピートさんは、こんなことを言っています。
「バスケは5対5のスポーツ。ボールが自分に回ってくるのは10回に1回。でも10回中10回使う技術がある。それがフットワークだ」
なるほど、その通りですよね。
シュートもパスもドリブルも大事ですが、それらはボールを持っているときにしかできない技術です。
でもフットワークは、ボールの有無に関係なく常に必要な技術なんです。
ローマン・ウィンズ 〜 低い姿勢の人が勝つ
2023年の夏、ロサンゼルス・レイカーズのアシスタントコーチだったフィル・ハンディさんが来日されました。
その3日間のクリニックで、フィルさんが何度も強調されていたのが「Low Man Wins」(ローマン・ウィンズ)。
「低い姿勢の人が勝つ」という意味です。
身長が高いことは、もちろんバスケットでは有利です。
でも、それ以上に重要なのが低い姿勢を保てるかどうか。
これは100年前から変わらない真理なんです。
時代とともに失われゆくピボット技術
さて、本題のピボットについてです。
ピボットというのは、片足を軸にして、もう片方の足を自在に動かす技術のことです。
昔はこの技術が当たり前でした。
でも今は、ほとんど見かけなくなってきています。
なぜでしょうか?
それは、ドリブル主体のバスケットボールが主流になってきたからです。
確かにドリブルは重要です。
ドリブル練習をすれば、自然と姿勢も低くなりますし、ボディバランスも良くなります。
でも、ドリブルだけでは補えない部分が、ピボットにはあるんです。
なぜピボットが大切なのか
ピボットができると、様々なフェイントプレーが可能になります。
例えば:
・シュートと見せかけてドリブル
・パスと見せかけてシュート
・ドリブルと見せかけてパス
これらすべての基礎となるのが、ピボットなんです。
特にポストプレーでは、ただ身長や体格で押すだけでなく、ピボットを使った緻密な技術が必要になってきます。
私が美しいと感じる選手の代表例を2人あげるとすれば:
・ジェームス・ウォージー(レイカーズ)
・ケビン・マクヘイル(セルティックス)
この2人は1980年代から90年代に活躍した選手ですが、素晴らしいピボットワークを見せてくれました。
バスケットボールの美しさは、ただ身体能力が高いことだけではありません。
ボディバランスとフットワークが完璧で、自分の思い通りに体を動かせる。
それこそが本当の意味での美しさだと、私は思うのです。
いかがでしたでしょうか。
YouTubeなどで、ウォージーやマクヘイルのハイライト映像を見てみてください。
きっと、今では見られない美しいバスケットボールに出会えるはずです。
そして、もし指導者の方がこの記事を読んでくださっているなら、ぜひピボットの練習を取り入れてみてください。
必ず、選手の大きな武器になるはずです。
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