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組織の維持は衰退

組織の維持は衰退

こんにちは、三原です。

今日は「強さを保とうとしてはいけない」というテーマでお話しします。

きっかけは、昨日まで行われていた高校バスケットの全国大会・インターハイ。技術的にも過去最高と言っていいレベルでしたし、アップセットも多く、見ごたえある試合が多かった印象です。

そんな中でも、特に印象に残ったのが女子決勝戦です。

優勝したのは桜花学園。

北海道代表・日本航空北海道高校を63対59で下し、見事に4年ぶりの頂点に立ちました。これで全国大会通算優勝回数は72回。高校バスケ界のレジェンド校であることに間違いありません。

でも、今回の優勝には、いつもとまったく違う「意味」があります。

それは、「名将・井上先生がいない中での初優勝」だったということ。

井上先生は、長年にわたってこのチームを率い、日本一の常連校に育て上げた指導者。けれど昨年末、その井上先生が逝去されて、今回は新体制でのチャレンジとなりました。

この「王者がチャレンジャーになる」という構図に、わたしは非常に心を打たれました。

選手たちが勝利の瞬間に爆発させた喜びの表情。そして、それを見守るヘッドコーチ白さんの涙。

ただの優勝じゃない。

「失われたものを、別の形で受け継ぎ、越えていく」

そんなメッセージを感じました。

維持とは、同じことを繰り返すことじゃない

この桜花学園の72回目の優勝を見て、強く感じたのは、「組織の維持は衰退である」ということ。

わたしは井上先生と面識があるわけではないです。でも、著書を何度も読み返して、一方的に憧れてきた存在です。

そんな井上先生が積み上げた71回の優勝。それは、決して「同じことをやり続けた結果」ではなかったはずです。

むしろ、毎回、毎年、なにかしら新しい挑戦をしていたからこそ、積み重ねることができたんだと思います。

一度強くなったからといって、「これが自分の勝ちパターンだ」と思い込んで、そのやり方を続けるだけでは、二度目の成功はない。

変わらなければ、強さは続かない。

「維持する」というのは、同じことを守り続けることではなく、「新しいことに挑戦し続けること」なのだと、今回の大崎学園の優勝を見て、あらためて思いました。

白さんもまた、井上先生の教え子として指導を受け、自らもWリーグで活躍したあと、指導者としてのキャリアを積み重ねてきた方です。

そんな彼女が率いた今回のチーム。やはり、これまでの「王者のバスケット」とは少し違う、だけど本質は継いでいる、そんな新しさを感じました。

チャレンジャーとしての強さ。

それが、新しい伝統をつくっていく。

わたしたち指導者も、ここから学ぶことが本当に多いと思います。

成功体験を手放す勇気

これは自分自身にも言い聞かせていることですが、「強かったときの自分のやり方」に固執するのって、本当に怖いです。

「自分のバスケットはこれだ」
「このやり方でうまくいったから、これが正解だ」

確かに、信じるものを持つことは大事です。でも、それを手放さなければいけない瞬間もあります。

わたしたちが指導している選手は毎年変わりますし、時代も流れています。昔の成功体験が、今の子にそのまま通用するかどうかは、わかりません。

それなのに、過去のやり方を「維持しよう」としてしまう。

でもそれは、実は「後退」と同じなんです。

今回の桜花学園の優勝は、新しい体制、新しいチャレンジの中で得たものです。

もう「強さを保つ」ためだけの戦いではなかった。

むしろ「新しい強さを創る」ための勝利だった。

わたしたちも、指導者としてチームを強くしたいと思うなら、自分の中の「これが正解だ」という型を、思い切って手放す勇気が必要です。

「維持することは、維持じゃない」

これは、ちょっと言葉遊びのようですが、わたしの中ではとても大切な考え方です。

新しいことにチャレンジする。その姿勢こそが、強さを続ける唯一の方法なのだと思います。

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三原学
1981年、東京都生まれ。早稲田大学大学院卒。学生時代にマネージャーとなり、バスケ指導者を志す。 22歳から高校バスケ指導を始めて、早稲田実業高校ではウインターカップ出場、関東新人大会優勝。現在は母校の安田学園高校で監督を務める。選手が主役のチーム作り「ボトムアップ理論®︎」により、日本の部活動モデル校を目指している。 2024年から早稲田大学男子バスケットボール部のヘッドコーチも務める 日々学んでいる指導体験をブログやYouTube「バスケの大学」で発信して、総フォロワーは30,000人を超える。 日本バスケットボール協会公認A級コーチ、ジュニアエキスパートコーチ。ボトムアップ理論®︎エキスパートコーチ。 月刊バスケットボールにて「まんが戦術事典」を連載中。著書多数。
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